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芸大生のレポート「モダニズムとポストモダニズム」

 モダニズムとポストモダニズムは20世紀における重要な文化・芸術運動であり、それぞれが特有の思想や表現方法を持っている。モダニズムは19世紀末から20世紀前半にかけて台頭した文化運動であり、伝統的な美の概念や規範からの脱却を目指した。産業革命や第一次世界大戦後の社会変動が背景にあり、人間の理性や科学の力を強調することで新しい時代の芸術を創造しようとした。

 特徴として、合理主義と客観性が挙げられる。科学的進歩と技術の発展を信じ、人間の理性を重視する。芸術作品はしばしば明快で構造的である。また、新しい技術と素材の利用が盛んであり、建築では鉄やガラスが多用された。形式主義も重要であり、形式やスタイルに対する革新が強調された。詩では自由詩、絵画では抽象画が登場した。さらに、個人主義が強調され、個々の芸術家の独自の視点や表現が重視された。

 一方、ポストモダニズムはモダニズムに対する反動として第二次世界大戦後、特に1960年代以降に台頭した文化運動である。モダニズムの合理主義や普遍的な真理への信頼に対して批判的であり、相対主義や多元主義を強調する。冷戦、消費社会の発展、グローバリゼーションなどが背景にある。

 特徴として、相対主義と多元主義が挙げられる。真理や価値観が一つではなく、多様であるとする考え方を支持し、異なる文化や視点を尊重する。過去の再解釈も重要であり、歴史や過去の作品に対する新しい解釈が行われる。しばしば過去のスタイルを引用・混合する手法が用いられる。さらに、アイロニーとパロディを通じて、ユーモアや風刺、皮肉が取り入れられ、自己反省的な要素が強い。高文化と低文化、芸術と日常の境界を曖昧にし、ポップカルチャーやメディアを積極的に取り入れる。

 モダニズムとポストモダニズムの基本的なアプローチを比較すると、モダニズムは新しい技術や形式を追求し、芸術の純粋性や独自性を重視する。理性や科学の力を信じ、普遍的な真理を探求する。
 一方、ポストモダニズムは既存の枠組みを批判し、相対主義や多元主義を尊重する。アイロニーやパロディを通じて、自己反省的な視点を持つ。
 形式と内容に関しても、モダニズムは抽象的で形式主義的なアプローチが特徴であり、詩や絵画では形式や技法の革新が重視された。ポストモダニズムは多様なスタイルや技法を混在させ、過去のスタイルを再利用し、新しい文脈で再解釈することが多い。
 社会的文化的背景を比較すると、モダニズムは産業革命や第一次世界大戦後の社会変動を背景に、人間の理性や科学への信頼を反映している。一方、ポストモダニズムは冷戦後の消費社会やグローバリゼーションの中で、既存の価値観や真理に対する懐疑的な視点を反映している。

 モダニズムとポストモダニズムは、異なる歴史的背景と文化的状況の中で生まれた運動である。モダニズムは新しい時代の芸術を模索し、形式や技術の革新を重視した。一方、ポストモダニズムはその後の社会変動や文化の多様性を反映し、既存の枠組みを再評価し、相対主義的なアプローチを取った。 

 これらの運動は、それぞれの時代の社会的・文化的な状況を映し出し、芸術と文化の発展に大きな影響を与えたと考察する。

参考文献

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高階秀爾.カラー版 西洋美術史.美術出版社,1990,249p.

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