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にじよん12話の「始めて、良かったって!」で号泣した

去る3月24日(金)に放映版としては最終回となった、にじよん第12話についてどう心を動かされたか。
結論はタイトルの通りなのだが、その時の気持ちや、なぜそうまで思ったかを残すため、noteに残す。

感動した直接的な理由自体はハッキリしていて、「ちょっと思っただけ。始めて、良かったって! 」とは、私自身にとってアニメ虹ヶ咲一期二期を通じて一番好きな台詞であるという理由だ。
なので、この台詞を中心に置いて以下に書き連ねていこうと思う。

侑とせつ菜と『CHASE!』

12話の冒頭は、侑の弾く『CHASE!』が流れている音楽室から始まる。
『CHASE!』を弾く侑、というシーンは、アニメ本編でも既に二回描かれており、最初は鼻歌を交えながらそれらしい音が出る鍵盤を押す程度、二回目はテンポはゆっくりで途中詰まる所があるものの両手で弾くことが出来るまで、という状態だった。
今回はもう演奏と言える段階まで成長しており、侑がここまでの期間で勉強や経験を積んできた様子が伺える。

『CHASE!』が侑にとって始まりのトキメキを与えた曲である事は言うまでも無いが、アニメの時間軸の中で段階を踏み演奏の完成度が上がっていく様子は、まさに侑自身の歩んできた時間と重なり、視聴者へ侑がここまでやって来れたのだと言う実感を与えてくれる。

また、12話前半における侑とせつ菜のシーンは、第一期10話での同じ場所での会話と対となっている。
「大好きを思い出させてくれて、ありがとう」というせつ菜に対し、今回は「トキメキを教えてくれてありがとう」という侑。
お互いにとって、それぞれ自身のトキメキが走り出すのに不可欠な存在だった二人の関係性である。
「始めて良かった」で締めるこのエピソードの冒頭で、その始まりのきっかけである『CHASE!』、そして侑とせつ菜の関係性がフィーチャーされるのは感慨深いものがある。

侑と歩夢と横顔

「始めて、良かったって!」とは、この記事の冒頭で挙げた通り、アニメ虹ヶ咲にて既出の台詞である。
第一期の最終回、歩夢が最後に口にした台詞でもあり、私は大袈裟に言えば第一期は歩夢がこの台詞を言うための物語と思っている。

せつ菜のライブを目の当たりにして、自分を表現する事に憧れつつも、スクールアイドルを始めるには一人では勇気が足りなかった。
あったはずの同好会の廃部を目の前で宣告され、幼馴染に灯ったスクールアイドルへの興味の火が消えかけたその時、「二人で始めよう!」と勇気を持って踏み出す。
アニメにおける虹ヶ咲の物語は、この事で最初の一歩を刻む。
紆余曲折があり第一期の終盤でスクールアイドルとして花開いた歩夢が、最後の最後で「始めて良かった」と、あの日芽生えた勇気を肯定出来た事がなにより感動的に私には映った。

この歩夢の「始めて良かった」に続くのが、侑が音楽科の転科試験に臨むシーンであり第一期はそこで幕が閉じる。
この時点では、歩夢が先に自身の夢を形にして一歩前を歩いている格好である、侑はその姿に力を貰い、自分もやりたい事を実現するために第一歩を踏み出したのが第二期。
12話で、海外留学を侑に切り出した時、「侑ちゃんもどんどん先に進んでくれなきゃ、置いて行っちゃうんだから」という台詞が、二人の夢の形こそ違えど、一緒に前を向いて進んでいく関係を象徴している。

アニメにじよんでもその関係を表す場面があり、一話手前の第11話にて「正面からよりも横顔を見る機会が増えたのが嬉しい」という侑の場面。
先を歩き、夢に向かって進み続けていく歩夢に自分も追いついてきた事を表す台詞だ。

そんな侑が、歩夢と全く同じ「始めて良かった」と言えたその時こそ、前へ歩み続ける二人がついに一緒に並んだ瞬間なのではないだろうか。

侑と同好会とテーマ

先ほど、第一期は歩夢が「始めて良かった」を言うための物語と思っている、としたが、この台詞に込められているものは歩夢のみに限定されている訳でもない。
『夢がここからはじまるよ』の歌詞からの引用だが、「始まるんだ New Stories あの日芽生えた勇気 時を超えて今 大きく咲いていくよ」に、私はアニメ虹ヶ咲のテーマが込められているのだと考えている。

歩夢に限らず、同好会のスクールアイドルたちの多くは、自身での葛藤を乗り越えたり、仲間の力を借りることで、第一歩を踏み出し自分の殻を破って見せている。
自分を顧みて、今度こそ同好会を理想の場所にしようと奮起したかすみ。キャラじゃないからと興味があるのにスクールアイドルを遠ざけようとしたものの、親友に背中を押されて素直になった果林。思いを伝える事が難しいと自覚はあっても、強い意志と仲間たちの支えで自分に出来る方法を採り克服した璃奈。
皆についてここで書き出す事はしないが、他のメンバーも、それぞれが一歩を踏み出した事で自らを結実させている。
なので、私はこの作品におけるスクールアイドルの定義の一つに、「自分を表現するために踏みだす事の出来る人」もあるのではないかと考える。

そして侑も、二期13話にて「侑ちゃんもスクールアイドルだよ」と言われている。
これ自体は侑自身も自分の表現で誰かに元気を与えられているから、ではあるのだが、アニメにじよん12話で「始めて良かった」と言えた事も、侑が”スクールアイドル”となった証左ではないだろうか。

おわりに

作品中で一番好きな台詞が最後の最後でまさか投げ込まれるとは思わず、本当にありがとうと言う他はありません。
最初の一歩を踏み出す勇気、というテーマで一貫するアニメ虹ヶ咲が大好きです。

書こうと思った本日がにじよんあにめーしょんブルーレイ当日であり、勢いのままに書いた次第、後で読み返すのが非常に怖い。
まだ手元にない方は是非。13話~15話も素晴らしかったです。

それでは、最後までお読みいただきありがとうございました。





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