おいしいね

手料理を「おいしい」って伝えて怒られた事ありますか?
私の記憶にはないけれど、きょうだいの記録には残っていたのを覚えています。
それを見て、私も言わないようになりました。

「おいしい」って言った料理以外がまずかったなんてことは無いのに、母にはそう聞こえたみたい。
「おいしいって言わない。余計な事を言わない。」
そんなメモを見て悲しくなったのを覚えています。

当時私は小学生。
母の心の余裕なんて考えられなかった。
家庭の状況もよくは分かっていなかった。

今ならもっと気の利く言葉を、母にとって必要な言葉を、言えるのかなって。きょうだいのことをフォロー出来るのかなってそんなことを思ってみたり。

私は食事にいい思い出があまりなくて、大人になるにつれて遊び=ご飯になっていくのが怖い。
初めての人が沢山の環境で食事をするのがあまり得意じゃなくて、口に含めたとしても上手く飲み込めなくなってしまう。

毎日同じようなものを食べて過ごす日々になんの不満もない。逆に初めて食べるものは恐る恐るになって気疲れしてしまう。

でも、ストレスのはけ口に食べ物を使ってしまうこともある。沢山食べて自己嫌悪に襲われて。過食っていうほど量はないんだろうけど普段と比べて多すぎるとやっちゃったって。

逆に言えば、心がポカポカの時は食事をとらなくてもお腹は鳴るけど食べなくていい。
食欲より心の欲の方が強いのかもしれない。

生きるためにしなきゃならない作業としての食事。
そんなんじゃなくて、
おいしいねって噛み締めて、これいいねって共有しながら楽しめたらもっともっと幸せになれるのかな。

おいしいと伝える習慣が無いことに、誰かの「おいしい」を聞いて気づいた。


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