女神C様

中学生の頃は、バレー部のキャプテンであり、当然クラス一の長身で運動神経も抜群なC様に思いを寄せていました。
一心にバレーボールに打ち込んでいるC様は神々しいくらいに美しかったのです。私はそれまでC様より美しいと思った女の子に出会ったことはありませんでした。


その歳になるとさすがにスカートめくりやいたずらは出来ないので、ただただC様の大きな胸や尻に圧迫されたい、丸太のように太いのに、筋肉質で足首はきゅっとしまった肢体に締め上げられたい。あんな強烈なレシーヴを打つC様が私のような男とは名ばかりのチビ男を殴れば吹っ飛んでしまうのではないか。等々と妄想するだけの毎日だったのですが。
今の言葉で言うと、スクールカースト最上位におられるC様でしたが、アメリカの学園ドラマに出てくるような、取り巻きを引き連れた高飛車なチアリーダー・タイプではありませんでした。

周囲からちやほやされても、決して驕り高ぶるようなことはなく、飾らない真っ直ぐな性格で誰からも愛され、私の妄想内のミストレスである以前に、一人の女の子として魅力的でありました。
そんなC様ですから、今で言う「陰キャ」の私にも分け隔てなく話しかけてくれました。時には、C様から恋の相談を持ちかけられたこともありました。なぜ私にと思いましたが、当時教室の片隅で本ばかり読んで、物思いに耽る私のような変人に違う角度からの意見を求めてくれたのかもしれません。C様のような欲しいものなら何でも手に入るような魅力的な方でも、思い悩むこともあるんだなと、まだ恋愛経験もないくせに愛とか恋とかの不条理を知り少し大人になった気がしたものです。
私はC様が好きで好きでたまりませんでしたが、見上げるような背丈と抜群のスタイル、愛くるしいお顔立ち、卓越した身体能力をお持ちの雲の上におられるような方と対等にお付き合い出来るとは夢にも思いませんでした。私のこの体格で、死にもの狂いの努力をしたところで、どんな競技でも「人より多少劣る」レベルくらいしか習得できないことは明らかです。C様に釣り合うボーイフレンドならば、長身で容姿に恵まれた身体能力抜群のスポーツマンでなくてはいけません。


変だけど面白いやつだなとC様に思って頂けるだけでも幸せだったのです。
しかし、その年頃になると、セックスという行為がどういうものなのか理解するようになります。そうなると、大きくて強い女性に跪き、巨大な尻にしかれ、太腿で締め上げられることを妄想して興奮する自分は異常なのではないかといジレンマに憑かれ、自身の性癖に思い悩むようになったのです。

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