FF16:キャラクター所感 クライヴとジル

クライヴとジルにとちくるった人が二人の印象を長々と認めました

ほんとに長いよ!あと二週目影の海岸前に書いてるからそのうち第二弾も書きます。

クライヴ

ひきとめないと簡単に自分を犠牲にする選択肢をする人すぎて、ずっと、よってたかって幸せにしないとだめだと思ってました。 多分周囲の人もそう想ってて、終盤のサブクエでは、ひたすら彼は仲間たちに未来を語りかけられ、約束で縛られる。でもそれぐらいでちょうどいい塩梅。基本自分で自分を大切にする気が皆無。

そんなに背負いこむなと思うのですが、元々ドミナントに生まれず、母親に冷遇されてきたことで、自己肯定感が低かったと思われます。そこに兄とナイトという"守る役割"と、上に立つ王族としての教育、奴隷時代の被虐がくわわり、なるべしてこう育ったんだろうな、感。俺が守らなければ、という強烈な意識と責任感、自分の価値への低い認識。

だからなのか、他人に対する許容範囲が広く、優しい。バルナバスに寄り添い、アルテマにすら手を一旦は差し伸べる。プレイヤーこと私はそいつを伸す気満々なのだが??びっくりしました。敵と見做せば情は見せないのに、境界線に至るまでは底抜けてる人です。ついでに天然だ。

クライブのギャップについて
こんなにもギャップのある主人公がかつていたでしょうか?
非常にノーブルな物腰で、穏やかなのに、怒りにかられて死んで償え!とか言うし、トドメの刺し方は容赦ない。戦闘時に限れば、FF主人公一、口が悪そう。

そんななのに、青年期はやたら、なんというか、かわいい。髭の生えた体格のいい立派な成人男性なんですが、無表情に抑制された口調の中、不意に見せる仕草や表情が幼気で、子犬かな?と思いました。モーグリに会えた時のテンションの上がり方は良かったねー!とトルガル並みに撫で回したくなります。いかつい兄ちゃんなんだが。
奴隷時代、心を培う機会に恵まれず、彼の心も時も凍りついたままだったのだと思います・・・。28歳ですが、この時多分実質15歳です。

守る人
そんな迷える子犬だったクライヴくんも、5年後には立派な隠れ家のリーダーに成長します。
クライヴは、誰か守ることに執着し、そのためならどこまででも強くなれる、あろうとしている、と思うのです。仲間意識の希薄なビアストすら助けられなかったと後悔を見せていたり、ガブの助けて、という言葉に反射的に目の光を取り戻したりします。
序盤は感情表現がぎこちなく、情緒幼いままなのが、空白の5年間に目覚ましく発達してるのも、ジョシュアの生存を知った安心感と共に、シドの役割を引き継ぎ隠れ家を守る責任を負ったことによるのでは、と想像しています。

そんなにも守ることに執念するのはジョシュアを守れなかったというトラウマの一つの反動、心の防衛機構のようなものなのではなかろうか。。そうやって突っ張っていて、最終盤トラウマの根本が再現されたときにポッキリ崩れ落ちたんじゃないですかね。
そういう面からも、端々で感じる自己肯定感の低さからも強いようで弱い人というイメージ。だからこそ支えてくれる彼女が必要であって……

ジル

いつも前向きとクライヴに称される彼女。あの状況でその賛辞はどうかと思いつつ、でも私もしなやかな強さは魅力だと思います。
一途さと包容力でしっかりクライヴを支え、自分より人のために怒れる人でもあります。私はジルが怒りを露呈する各シーンがすきです。誰かのために怒る姿は気高く美しい。
自己肯定感低いクライヴには優しく包んで、肯定してくれるジルみたいな人は合ってると思います。ともすれば依存の危険性もありますが、クライヴは責任感も強く、守る意識もあるので、一方的な寄りかかりにはならない。
ジル自身がクライヴに救われてるので、単なる甘えではなく、支え支えられ関係なんじゃないかと。

ジルの恋とそのあり方
幼少期の辛い時助けてもらって淡い恋をして、成長してからも死のうと決意したどん底に、突然現れて助けてくれた(なお、ぼこぼこにもされた)。やっぱりあなたが来てくれた、暗く長い夜が再び明けた!こんなの好きになっちゃう。そんな助けれくれた人もまた辛い思いをしてるなら、助けてあげたい。それも自分と同じような苦しみなら……。と自然と手を握るのがジルです。

クライヴがイフリートとして弟を殺したことを吐露したとき、ジルは自分がシヴァであって、連れ去られた少女たちが眼の前で辱めを受けながら殺されるのを、見過ごしてきた事を思い出したのではないでしょうか。直前にその話をやんわりしていましたから。ドミナント故に苦しめられた同士として共感を寄せ、共に立ち向かう決意をしたのではないかと思います。
フェニックスゲートのあとの、私も真実を知りたい、という台詞は理不尽に力を与えられ翻弄される運命に抗う宣言に聞こえました。

ドミナントとしてのジルについて
ジルは女王の恵愛というシヴァ最強技の強化アクセサリを幼少期から首に下げています。おそらく北部側に持たされたものでしょう。ロザリアがシヴァの力を削ぐために北部から取り上げたなら、ジルにもたせるはずがありません。
シヴァのアクセサリを添えて差し出されるなんて。そもそもシヴァに覚醒する可能性があるか、シヴァを産む可能性を秘めた存在として貢がれたのではないでしょうか。あるいは過酷な扱いをされて、敵地中枢でシヴァに暴走覚醒することを期待されたか……。現に鉄王国に攫われたときはすぐ目覚めてる。。。
上記仮説に基づくと、覚醒以前から、ドミナントに翻弄されていたとも言えます。

彼女の後悔について
ドミナントという宿命を彼女は一度は諦めた。それは、深い後悔となってジルを蝕んでいます。守るべき子供たちを見捨て(彼女もクライヴと同じ責務ある王族です)、死に逃げて楽になろうとしていた自分と、どん底の状況下でイフリートであることを受け入れたクライヴを比べ、隣に立つ資格がないと自身を断じている。たとえどんなにクライヴを好きでも。ここに彼女の誇り高さを感じます。

ドレイクブレスでは、誰かに言われるがまま、命令されるがまま生きていた女性が自ら剣を取り、そうした後悔を断ち切って意思を示した姿が本当にかっこよかった。品を欠かさない罵倒も超絶良かった。

ジルとクライヴの言葉遣いについて
このジルの品性ある敵への問い詰め方によって、言葉がばっちくなったクライヴくんとの環境の違いがわかるかも、と思ったり。間違ってもくたばれ、なんて言わないジル。男社会、女社会の語彙の違いの影響が大きいでしょうが、ジルはマーレイと守るべき少女たちに囲まれ、王族である意識は常に持っていたんでしょう。時も心をも凍らせていたクライヴに対し、ジルは再会後も比較的表情豊かで大人です。

青年期のクライヴの再生について
ジルに道を示したクライヴも、幼少の頃自分を頑張ってと送り出してくれたジルが真っ先に手を取ってくれていたから、奴隷ではない、少年の頃の高潔な精神を取り戻し、イフリートである事実に立ち向かえたのだと考えています

急に話がクライヴくんの突然の全裸!に飛びますが、あの姿は赤子の比喩だったんじゃないかと。復讐しか頭になく、孤独だったクライヴが一度無垢な存在となってから、ガブを助ける行為で、ナイトとしての守る役割を思い出し、改めて一歩を踏み出した。
そこからジルや夫人やベアラーのおじいさんや、思い出を通して間接的に父親と再会し、人の願いや思いを受け取れる自我を再確立するための布石だったと思ったのです。

その再生の旅路に、幼少期を共に過ごし、励ましてくれたジルがいることは超重要だったんじゃないかと。

クライヴは青年期からイフリート獲得直後まで、成長したジルより思い出の中のリトルレディと会話してそうな雰囲気が端々で伺えます。例えば、月下のシーン。自分が男になったことも、眼の前の少女が女になったことも理解せず、少女期のジルを目の前の女性にダブらせてすらいます。フェニックスゲート後にも、ジルのことを変わらないと言ったり。クライヴは明らかに時間が止まったままです。

一方で、ロザリアではベアラーの凄惨な事実や、それと対照的な父親のベアラーへの処遇を知りました。

そうやって過去の思い出に浸り、少年期の自分を思い出した。そして、その少年期の自分は立派な父親の息子であり、責任ある立場だった。それが、精神世界にて少年期のクライヴの出現に繋がったんじゃないか。奴隷時代に見失ったナイトの誇りを取り戻し、強くなってAccept the truthしたんじゃないかなあとマリアナ海溝級に深読みしました。

ちょっとクライヴに話がそれましたが、兎にも角にも!そんな支え愛の、このカップル、その片割れのジルが私は好きなのです。

……なので、ジルの守るという意思を覆して力を取り上げちゃったクライヴくんには思うところはあります。ありますが。クライヴの気持ちもわかっちゃうんだよなあ。

二人の発展の最重要シーンを十分咀嚼して考えたく、こんなにも長々と今の二人へのパッションをしたためました。あのシーンが襲ったあとまた考え直すと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?