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【備忘録】2023年に読んだ本のまとめ

個人的な備忘録として昨年読んだ本をここにまとめておきたいと思います。
普段読書の記録は「読書メーター」を使って記録しております。
本記事の読書メーターの「まとめ」機能を使用して作成しております。

記録については読書メーターを利用し始めた2023年2月以降のものとなります。また、各書籍に関する感想も元々自身のメモ程度のために書いた雑文です。

今後は1ヶ月おきくらいに投稿したいですね。
その時には近況も含めて、日記的にしたいですね。


12月

江戸川乱歩 「江戸川乱歩短篇集」 (岩波文庫)

久しぶりのミステリー、初めての江戸川乱歩だった。なんとなく難しいイメージを持っていたがかなり読みやすくてびっくりした。個人的には『二銭銅貨』『心理試験』『屋根裏の散歩者』『人間椅子』の前半の方の作品が好きだった。奇妙な感じがいい。
ただ、実は短編をたくさん読むのはそんなに得意ではないので途中で気分が切れて最後はあまり読めていない。また少し置いて最後の方の数作品は読み直したいと思う。
読了日:12月30日 著者:江戸川 乱歩

荒木健太郎 「読み終えた瞬間、空が美しく見える気象のはなし」

タイトルに惹かれてなんとなく手に取った一冊。気象に関する一般向けの本を読んだのはかなり久しぶりだった。正直、かなり知っている内容も多かったけど、意外と抜け落ちてる知識があることがわかった。本自体は結構分厚いけどおそらく気象に詳しくない人でも読みやすいし、カラーの図や写真はありがたい、そして1章ごとに完結してるので気になったところだけ読んでもOK. 気象について知りたい人の一冊目にはピッタリでは?
読了日:12月24日 著者:荒木 健太郎

鴨長明「方丈記」 (光文社古典新訳文庫)

読んで良かった。いつか原文をそのまま読めるようになりたいね
読了日:12月20日 著者:鴨 長明

エーリッヒ・フロム「愛するということ」

完全に読み終えたわけではない。もう一回読み直したいところ。とりあえずフロイトへの反発がすごかったような、、、
読了日:12月19日 著者:エーリッヒ・フロム

伊藤秀雄「近代の探偵小説」

作品のあらすじが大部分を占めるが今回は探偵小説の歴史を外観することが目的だったためかなり飛ばしながら読んだ。作品についてある程度詳しく知りたい場合に便利な気がした。
読了日:12月18日 著者:伊藤 秀雄

宮地尚子「環状島=トラウマの地政学 【新装版】」

「傷を愛せるか」「トラウマ」に続き3冊目の宮地尚子先生の本でした。「傷を愛せるか」はエッセイ、「トラウマ」は新書という比較的一般向けの本だったけれど今回はトラウマに関する理論的な一冊だった。しかし、慣れていない分野の専門書とは思えないほど読みやすく、相変わらず心に沁み入る一冊だった。まず環状島理論自体がとても優れているように思えた。シンプルながらトラウマに関するさまざまな要素がそこにあり、それらが〈風〉、〈内海〉、〈外海〉といった日常的な語彙で記述される。(続く)
読了日:12月17日 著者:宮地 尚子

堀啓子「日本ミステリー小説史 - 黒岩涙香から松本清張へ」 (中公新書)

勉強になった。入門書として最適だった気がする
読了日:12月16日 著者:堀 啓子

山本義隆「熱学思想の史的展開〈3〉熱とエントロピー」 (ちくま学芸文庫)

31章まで読んで疲れてしまった笑
まぁでもここまで難しかったけど、面白かった。
ただこれを格好の入門書という人は一体どういうつもりなんだろうかという気持ちにはなる…
まただいぶ先に読み直しましょうかね。
読了日:12月12日 著者:山本 義隆

堀啓子「日本近代文学入門-12人の文豪と名作の真実」 (中公新書)

仕事の関係で近代日本文学について調べることがあり勉強のために手に取った。実は文学史に関しての本を読むのは初めてだったが、人物に焦点を当てて書かれているためエッセイのような感覚で読めた気もする。ただ、概説を知りたいために買った最初の一冊として正しい選択だったかどうかはまた別問題。でも、仕事で知りたかった部分についてもわかりやすく説明されていた気がする。
読了日:12月12日 著者:堀 啓子

田山花袋「蒲団」

物語が書かれた背景を鑑みると手放しに良い作品とは言えない(自身のところの書生を勝手にモデルにして書かれた)し、「気持ち悪い」と言われてもいるが、恋に揺れる感情と最後の悲哀は誰も否定できないような気がする。私も悲哀と性慾に溺れてるのかも
読了日:12月12日 著者:田山花袋

島田潤一郎「電車のなかで本を読む」

寝る前に読むのにちょうど良かった。(途中まで)
読了日:12月10日 著者:島田 潤一郎

織田一郎「時計の科学 人と時間の5000年の歴史」 (ブルーバックス)

一旦、本を閉じます。
読了日:12月10日 著者:織田 一朗

二宮淳人「最後の秘境 東京藝大: 天才たちのカオスな日常」(新潮文庫)

最近読んだ本の中で一番軽快で読みやすく、「面白い!」と思いました。著者の中も書かれていましたが、確かに自分が生きてる世界からは考えられないような世界に生きている人も多く登場します。でも、その言葉は素直で等身大で友達になりたいって思える人たちでした。

また詳しく書けたら書きます。
読了日:11月28日 著者:二宮 敦人

山本義隆「熱学思想の史的展開〈2〉熱とエントロピー」 (ちくま学芸文庫)

第1巻よりかなり読みやすかった。(というかやはり第1巻は私たちが考えたこともないような抽象的な問題を扱っていたのだと思う。)問題が段々具体的になり、自分が元から知っている熱力学になるにつれて、登場する科学者達の凄さも伝わってきた。隅々まで理解することはできていないと思うが(格好の入門書って書いてあるけど果たして誰向けの入門なのか・・・)楽しく読み進められました。

(追記)
ありきたりな感想だけど、自分たちが学校で習った「当たり前のような」熱力学だけど一つ一つ丁寧に見ていくと全然当たり前じゃないなと感じた
読了日:11月27日 著者:山本 義隆

11月

寺山修司「さみしいときは青青青青青青青 ――少年少女のための作品集」 (ちくま文庫 て-6-4)

27歳を迎える日に読み終えました。
この本は表題の通り青少年に向けた寺山修司の作品集です。私はもう少年といえる年齢ではありませんが、ここに収められている様々な言葉を、自分の心の奥底の潜在意識が掴んで話しませんでした。これは私がまだまだ子供だという証拠なのでしょうか。
寺山修司のいくつかの詩は知っていましたが、本を一冊読んだのは初めてです。おそらくまた読みます。他の作品ももっと読みたいです。もっと、私を傷つけてほしいと、思いました。
読了日:11月19日 著者:寺山 修司

山本義隆「熱学思想の史的展開〈1〉熱とエントロピー」 (ちくま学芸文庫)

名著と言われ、もともと物理をやっていたにも拘らず読んだことがなかったので読んでみたが、、、かなり難しい笑
ただ、高校物理でよくやる比熱の実験から(水の中に熱い鉄球を入れて温度変化を比較するみたいなやつ)から保存則を前提として熱という概念が導入されるところとか素直に面白いと思ってしまった。
有名な熱素論に至るまでにこれほどの道のりがあるというのは知らなかった。
前半の話はかなり哲学的な部分も多く辛かったが後半の方がむしろ読みやすかった気もするのでこの先を期待したいと思う。
読了日:11月12日 著者:山本 義隆

北村紗衣「批評の教室 ――チョウのように読み、ハチのように書く」 (ちくま新書)

本を読むだけではなくて、書くことで自身の生活を豊かにしたいなんてぼんやり考えています。その中で「批評はなによりも、作品を楽しむためにあります」と書かれた本書に心惹かれました。批評に関する本のレビューをこうして書くことは何かテストを受けているような気分になりますが少しメモを残そうかと思います(笑)
本書では批評を3つのステップ「精読する」「分析する」「書く」に分けて解説していますが、読み終えて記憶に残るのは、作品中でわからない言葉があったら辞書を引くとか、巨人の肩の上に立つために先行研究を調査するとか
読了日:11月07日 著者:北村 紗衣

ジェヨン「書籍修繕という仕事: 刻まれた記憶、思い出、物語の守り手として生きる」

とても面白かったです。また、とても読みやすかったです。
またぜひ続編を読みたい。
また書きます
読了日:11月02日 著者:ジェヨン

10月

見返してみると「傷を愛せるか」と「猫を抱いて像と泳ぐ」を読み返している。多分かなり辛かった時期だったと思う。

宮地尚子「傷を愛せるか 増補新版」 (ちくま文庫 み-37-1)

この1年間で3回も読んだが毎回言葉にできないような感動に包まれる。温かい海の中に身体を預けているような安心感に包まれる。
この本に関してはどこかで詳しく感想をまとめたみたいと思う。
読了日:10月29日 著者:宮地 尚子

田中泰延「読みたいことを、書けばいい。 人生が変わるシンプルな文章術」

読みたくなる文章、自分自身のことを教えてくれる文章を書けるようになるヒントを得たいと思って購入した。あと、「読みたいことを書けばいい。」というメッセージが自分の求めているものだったからでもある。本自体はサクサク読み進められる手軽なものである。言い回しの癖などが少し自分の好みではなかったが、それでも読み進められた理由はその内容自体が信頼できたからだと思う。自分自身のための文章を書くことはある意味とても難しいと私は感じる。だからこそ、書きたくなるような「事象」との出会いを待っている。
読了日:10月29日 著者:田中 泰延

中井万知子「夢見る「電子図書館」」

タイトルから電子図書館に関する一般的な本かなと思ったが内容としては電子図書館事業を中心とした国立国会図書館(NDL)の歴史についての本だった。少し前に読んだ長尾宗典 著「帝国図書館」の続きのような立ち位置でもあり興味深かった。何よりも著者本人が職員として関わってきた事業についての内容であり、客観的な事実を述べつつも熱っぽさも感じた。
内部の事情について詳細に書かれているためNDLについてある程度詳しくないと難しいような気もするが、職員の情熱(特に本の中では田屋裕之 氏と長尾真 元館長が登場)により(続く)
読了日:10月23日 著者:中井 万知子

小川洋子「猫を抱いて象と泳ぐ」 (文春文庫)

(再読)
私の居場所だと改めて確信した。
何度でもこの海に沈みたいと思う。
読了日:10月20日 著者:小川 洋子

甘利俊一「情報理論」 (ちくま学芸文庫)

完読はできなかったけれど、わかりやすく、面白かった。電車の中で読んでいたため計算を追えるか心配だったけれどそこも丁寧に書かれていたため読むだけで理解したつもりになれた。
おそらく厳密さよりも本質的な部分がわかりやすく書かれていたから読めたのだと思う。
ただ、肝心な大数の法則に関してはそこの数学的な議論を読んだだけでは何を言っているのかわからなかった。何度か読むうちに昔読んだ統計力学の教科書に書かれている話と同じだと気がついて分かったと思う。あと、節末の雑談によって理解できた気もする。
読了日:10月18日 著者:甘利 俊一

柳与志夫 監修ほか「デジタル時代のアーカイブ系譜学」

デジタルアーカイブについて勉強しようと思って、正直値段はしたけど買って読んでみました。デジタルアーカイブに関して概観でき、買ってよかったと思っています。
帯などにも書いてある通り、この本は多様な事例研究を通してそこから(デジタル)アーカイブの輪郭を探ろうという姿勢の論文集となっています。そのような形で、(デジタル)アーカイブにかんする基本的な内容を押さえつつ、多様な事例研究、多様な側面からの論文が集められ、バランスの良い本であったと思います。
個人的に後書きが胸熱でした。
読了日:10月09日 著者:

松本敏治「自閉症は津軽弁を話さない リターンズ 「ひとの気持ちがわかる」のメカニズム」 (角川ソフィア文庫)

仕事の関係で読まなきゃいけない文献等があったり、他のほんと並行して読んでいたため読み終わるのに時間がかかってしまいましました。でも今回も(いい意味で)科学の泥臭さを感じられるワクワクに溢れる一冊でした。
大きく内容が前半と後半に分けられます。1作目でも十分面白みが溢れていましたが、本書前半ではその先を知る事ができます。後半は新たな謎についてでしたが、最後、その答えではなく更なる大きな謎が提示され、この研究がまだまだ続くことを示唆しています。必ず次作もありそうです。楽しみにしています。
読了日:10月08日 著者:松本 敏治

9月

中島京子「夢見る帝国図書館」 (文春文庫 な 68-4)

穏やかでとても良かった。
また書きます
読了日:09月19日 著者:中島 京子

中島京子「自閉症は津軽弁を話さない 自閉スペクトラム症のことばの謎を読み解く」 (角川ソフィア文庫)

この前「言語の本質」という今話題の新書を読んだこともあり、非常に楽しく読めた。この本も言語の本質と同様に研究が進むプロセスも併せて見せてくれる、知的興奮に溢れた本である。(そしてその出発点が夫婦喧嘩というのがなおらさ面白い)。そして私たちが普段行っている言語コミュニケーションについても言われてみれば当たり前だけど・・・という気づきも多かった。小さい子供に対して「です・ます」で指示をする話は目から鱗だった。そして先行研究だけではなくて身近なところにも研究すべきテーマがあるというメッセージが一番心に残った。
読了日:09月10日 著者:松本 敏治

長尾宗典「帝国図書館――近代日本の「知」の物語」 (中公新書 2749)

(あまり詳しくは述べないが)
いつの時代も図書館は司書の情熱と知を求める市民に支えられているということを強く実感した。
図書館員の端くれとして、働き始めたこの年に、この本に出会えたことに感謝したい。

読了日:09月08日 著者:長尾 宗典

瀬畑 源「公文書管理と民主主義: なぜ,公文書は残されなければならないのか」 (岩波ブックレット)

帰り道に買ってサクッと読めてしまった。公文書問題に興味があったため購入したが、具体的な問題(森加計問題)に始まり公文書管理に関する法整備の歴史や各時代の政権の対応など簡単に、わかりやすくまとまっていてはじめの一歩になったと思う。
こういうブックレットでさまざまな分野について触れていくのも楽しいと思った。何より500円は安い。他のブックレットも読んでみたい。
(ところでたまたま手に取ったこの本が岩波ブックレット記念すべきNo.1000だった。)
読了日:09月04日 著者:瀬畑 源

時実象一「デジタルアーカイブの新展開」

仕事の関係で読みましたが、面白いし読みやすくてすぐに読み終わりました。デジタルアーカイブに関してさまざまな事例が紹介されつつも、技術的な面も含め基礎的な内容をさらえた様な気がします。職場に置いておいて参照しようかと思います。
読了日:09月03日 著者:時実象一

8月

細川博昭「鳥を読む: 文化鳥類学のススメ」

ネット上の友達が読んでいて私も気になって購入した。今まであまり触れてこなかった分野であったがとても読みやすく面白かった。また、装丁も綺麗で図版もカラーであり目で見る楽しさもあった。
鳥の種ごとに章立てされているが、それぞれの鳥について深く突っ込みすぎるわけでもなく、かといって軽すぎるわけでもなく、そのバランスがとても良くて読みやすかった。世界史日本史の背景知識があまりなくても読み進められた。
個人的に後書きのドードーの話が印象的。我々の文化が自然と不可分であるということを改めて感じた。
読了日:08月29日 著者:細川 博昭

ヴィクトール・E・フランクル「夜と霧 新版」

今年の3月に一度読んでいたが、その際は旅行帰りの疲れと新幹線酔いの影響で集中して読めませんでしたので、なぜか今回もまた旅行帰りの新幹線で読み始めました。もしかしたらこれからも旅の帰りに読む本になるかもしれない。
この本が明らかにしようとしていることは生きるとは何か、人間とは何か、生きる上で苦しみに意味はあるかという哲学的な問いである。強制収容所という極限環境の体験を心理学者が冷静な視点で分析することで、アカデミズムでありながらも臨場感も伴った強い説得力が生まれていると思った。(続く)
読了日:08月23日 著者:ヴィクトール・E・フランクル

堀元見,水野太貴「言語オタクが友だちに700日間語り続けて引きずり込んだ言語沼」

東京から京都へ向かう新幹線の中で読み切れました。普段から聞いているラジオ番組の書籍ということで単純な1ファンとして読みました。実を言うと対談本自体普段あまり読まないのでどんな感じかと思いましたが、やっぱり普段から声を聞いているだけあってお二人の軽快な掛け合いが頭の中に流れてきました。
お二人のラジオのコンセプトそのまま、ゆるく楽しく言語について思わず「へ〜」っと感心してしまうことが多く楽しく読めました。ガッツリ教養を深めるというよりも、ちょっと頭のツボを押して欲しいみたいな人におすすめの本です
読了日:08月20日 著者:堀元見,水野太貴

今井 むつみ,秋田 喜美「言語の本質-ことばはどう生まれ、進化したか」 (中公新書 2756)

科学する面白さに久々に興奮した。単に科学的な事実をわかりやすく記述しているわけではなく、問を立て、実験を設計し、その結果から新たな隠れた真実を紡ぎ出し、そして次の問いにまた向き合い、その積み重ねるうちに「なぜ人間だけが言語を持つのか」「言語とは何か」肉薄していく。その一つ一つの段階を筆者の案内のもとに自分も歩んだかのような充実した読書体験だった。単に科学的な営みであるだけではなく言語の獲得という私たち誰もが経験したテーマであるからこそそこに実感も伴いよりその歩みを確実なものと感じたような気もする。
読了日:08月15日 著者:今井 むつみ,秋田 喜美

園池 公毅「植物の形には意味がある」 (角川ソフィア文庫)

問いかけが多くおそらく中高生に読まれることを意識して書かれたのかなと思う。身近な植物から生まれる疑問とそれに対する考えという構成でわかりやすかった。
ただその一方で自分が求めていたものとは少し違うなぁという印象。著者が植物形態学がご専門ではないということ、また、その立場から書かれているということで内容自体はなんとなく知っていたことや考えれば分かりそうなことをつらつらと書かれており退屈ではあった。また、書かれている内容についてどこまでが学術的な研究成果でどこが著者の考えなのか曖昧な気もした。(続く)
読了日:08月04日 著者:園池 公毅

7月

7月はコロナに罹患していましたね。
植物の本を探していたような記憶。。。。
あと、朝まで辞書部屋チャンネルという狂気のイベントにも参加していました。

宮地尚子「トラウマ」 (岩波新書)

以前読んだ「傷を愛せるか」の著者による新書。トラウマについてわかりやすく、そして暖かく書かれた一冊であり、新書でありながら温かい水に包み込まれるような感覚になった。その一方で自分が知らず知らずのうちに人を傷つけている側の人間かもしれないということも再認識させられた。
やはり私は宮地さんの文章がとても好きなんだと思った。

もう一度、何度でもぜひ読みたい。
読了日:07月31日 著者:宮地 尚子

見坊 行徳,稲川 智樹「辞典語辞典: 辞書にまつわる言葉をイラストと豆知識でずっしりと読み解く」

最近辞書熱が自分の中で熱いのですが
これからの参考になると同時に
辞書の世界を今までよりも深く見ることができました。
実は読んでいる最中に著者のイベントにも参加してサインもいただき、思い出深い本になりました。
少しカバーがよれてしまったけれどずっと電車の中で読んでいたからです。愛着が湧きます。
これから辞書を読もうと思いますが、気になることがあったら今度は辞書として使っていきたいですね。
読了日:07月23日 著者:見坊 行徳,稲川 智樹

気象予報士試験受験支援会「改訂新版 気象予報士かんたん合格テキスト 〈学科専門知識編〉」(らくらく突破)

資格勉強のために一度通読。
もともと気象気候分野を大学院で研究していたため、物理を背景とした気象理論についてある程度知っていたが観測方法や衛星画像の解析とか知らないことも多かった。理屈だけじゃなくて実際の現象に向き合わないとダメだなぁと今更ながら思ったり。
でもやっぱり細々した知識よりも事象解析の方が面白かったので早くそっちに手をつけたい。
読了日:07月21日 著者:気象予報士試験受験支援会

小此木啓吾「対象喪失―悲しむということ」(中公新書 557)

難しい本でも2回読めばわかるだろうと思ったがなかなかわからなかった笑
ただ1回目よりは内容が頭に入ってきた。おそらく最も伝えたいメッセージは、非愛の仕事を逃げずに遂行することが大切であるということだと思う。しかし、今の社会が外的な要因により悲哀の仕事を妨げられることが多い。これは私が大切な人と別れて悲しんでいる時にかけられた言葉であるが、「忙しいは心を亡くす」と書く、だから忙しくすれば多少悲しみは和らぐということだった。(続く)
読了日:07月17日 著者:小此木 啓吾

久保山京子「教養のための植物学」

「教養のための」本とはいえ専門外なので一度読んだだけではなかなかわからなかった。ただ、漠然と植物に興味があるという段階から植物学の中でもどんな分野に興味があるのか(植物と環境など外界との関わり)わかった気がするので今後の本の選び方に生きた気がする。こういった本はもう一度読み返したい。
読了日:07月03日 著者:久保山 京子

6月

6月は図書館戦争読んでますね。
中学生の頃読んだけれどなんか自分に合わなくて読み終えなかったのですが、図書館に就職したので読み返してみようかなと思って読んだ記憶があります。エンタメ小説、SF、アクションを読んだのは久しぶりでしたね。
でも何よりも小川洋子「猫を抱いて像と泳ぐ」がありますね。実を言うとこれを読んで以来暫くまともに小説を読めなかった(読んではいるけど実は少し上の空だった。)

有川浩「図書館革命 図書館戦争シリーズ (4)」 (角川文庫)

結構サクサク読めたような気がする。最後だから良化部隊とドンパチやり合うのかなと思ったけど、メインは東京〜大阪のロードストーリー、そして法廷闘争など少しイメージとは違いました。でも個人的にはそっちの方が好みだったなって思います。完全に決着がつくわけじゃなくてまだこれからも物語が続きそうな感じで終わるのも良かったです。一方恋愛の方はひと段落ついてましたね。ようやくこれがラブストーリーだと気が付きました(笑)
久しぶりにエンタメ小説を読みましたけどこういうのもいいですね。
読了日:06月30日 著者:有川 浩

有川浩「図書館危機 図書館戦争シリーズ (3)」 (角川文庫)

今回も前半は少しきつかったけど後半はとても楽しみました。
良化委員会との抗争も単に武力抗争だけでなく法廷での争い、また、そこでのかなりアクロバティックなやり方も魅力的でした。ラブストーリーも大きく進展しそうな予感を醸し出しており、次巻が楽しみなところです。
普段あまり読まないタイプの本だけど、せっかく図書館に就職したからと読み始めましたが、それもあと一冊と考えると少し寂しくもありますね。
もしできれば映像作品もぜひみてみたいですね。
読了日:06月25日 著者:有川 浩

小此木啓吾「対象喪失―悲しむということ」 (中公新書 557)

もう一回読みます。
読了日:06月25日 著者:小此木 啓吾

有川浩「図書館内乱 図書館戦争シリーズ (2)」(角川文庫)

結構時間かかって読んだ気がする。前回と違って基本的に各章が独立しており短編集みたいだった。内乱という言葉のように前作のメディア良化委員会との対立というよりは組織内での話にフォーカスされていた印象。正直前半は物語がもたついている印象だったが、後半では「原則派」と「行政派」の対立から新しい勢力も登場し、物語が大きく動いていくようなダイナミックさを感じた。次も読みたいと思う。
読了日:06月18日 著者:有川 浩

小川洋子「シュガータイム」(中公文庫)

「何も感じてないではいられない」というとても不安定だけど強固な関係が印象的だった。私が感じていた青春とはまた違う青春の物語だったと思う。もう一度読みたい
読了日:06月14日 著者:小川 洋子

小川洋子「ことり」 (朝日文庫)

再読しました。物語全体はやはりかなりおとなしいけれどもラストシーンでは何か胸を掻きむしられるようなエモーショナルに感動した。
その一方で、ものすごくシンプルな物語だと思うけれど、だからこそまだ何もこの物語に浸りきれていないような気もする。何回でも読み直したい。
読了日:06月08日 著者:小川 洋子

小川洋子「猫を抱いて象と泳ぐ」(文春文庫)

この物語に登場する人たちは皆どこかに閉じ込められたりしている。象のインディア、バスのマスター、そして盤下のリトル•アリョーヒン。物語の初めでは、インディアやマスターについて大きくなりすぎて外に出られないことを悲劇と表現されている。しかし、読み終えて思うことは物理的には盤下に閉じこもっているリトル•アリョーヒンであったがその心の中には豊かな海が広がっていた。自分もそうした心の中の豊かな海を持ちたいと思った。もしかしたらインディアやマスターもそうだったのかもしれない。(続く)
読了日:06月04日 著者:小川 洋子

有川浩「図書館戦争 図書館戦争シリーズ (1)」 (角川文庫)

たしか中学生時代に読もうとしたけど挫折した記憶があるが、自分が図書館に就職したということや、普段読む小説とは全くタイプが異なるということもあり手に取ってみた。
図書館に働く人間として共感でき………る箇所は全くなかったが(リアリティなさすぎて笑)こういう情報量が多くてハイスピードな小説も悪くないなって思った。そして何より若い。めっちゃ若い。青々しさを存分に感じました。
読了日:06月02日 著者:有川 浩

5月

宮地尚子「傷を愛せるか 増補新版」 (ちくま文庫 み-37-1)

再読
読了日:05月28日 著者:宮地 尚子

小川洋子「妊娠カレンダー」 (文春文庫)

小川洋子さんのデビュー作ということで積読から引っ張ってきた。こうして読んでみると近年の作品よりも尖っているというか、毒々しさが際立っているように思えた。表題の妊娠カレンダーよりも3作目の夕暮れの給食室と雨のプールに、読みながら情景が浮かぶようで美しさに浸った。
読了日:05月23日 著者:小川 洋子

田中修「植物はすごい - 生き残りをかけたしくみと工夫」(中公新書)

とても基本的なことから解説されており読みやすかった。一方で、言われなくてもわかりきっているようなことを長々と説明されて退屈でもあった気がする。植物の様々な要素に着目してそのすごさを解説しており、様々な種類の植物が登場し、身の回りの植物についても多く触れられておりその点はよかった。一方で、ここの解説はそんなに詳しくないため短いコラムをたくさん読んでいるような感触であり、全体のつながりがよくわからなかった。特に毒に関しては物質名をたくさん紹介される以外の解説はあまり印象にない。一長一短ある本だと思う。、
読了日:05月19日 著者:田中 修

天童荒太「包帯クラブ ルック・アット・ミー! ――The Bandage Club Look At Me !」 (単行本)

前作の続きの物語とあるが、前作の続きの時間軸と、それからかなり進んだ時間軸の2つの時間軸の話が交互に進んでいくというものでした。また、語られるエピソードもかなり多く混乱するかなと思いきやとても読みやすくてびっくりしました。前作同様に傷を負った心に寄り添うことをテーマとしながらも特別支援学校に通うせいととの交流、様々な世界の人々との交流を通して多様性への理解というテーマにも挑んでいるように思えました。(続く)
読了日:05月08日 著者:天童 荒太

サトウタツヤ「臨床心理学小史」(ちくま新書)

最近臨床心理学に興味を持ち河合隼雄などを読むようになったが、臨床心理全体を概論するような本を読みたくてこの本を手に取った。非常に読みやすくて今後この分野の本を読んでいくときに大きな助けになると感じた。
精神医学と臨床心理学の違いについて対象とする問題に目を向けるのか、その人全体に目を向けるのかの違いであるというのはとてもクリアな説明でわかりやすかった。
全てを頭に入れられたわけでは当然ないけどまた読み返したい。
読了日:05月05日 著者:サトウタツヤ

天童荒太「包帯クラブ」(ちくま文庫)

宮地尚子「傷を愛せるか」を読んで興味を持ち手に取りました。様々な人の傷(となっている場所)に包帯を巻くという彼らの活動はおそらく実際には行われていない(と思う)けれど、この包帯というものが私たちにとって何なのかということを考えながら読み進めました。何となくわかるけれどイマイチはっきりと自分自身の考えをまとめられずにいましたが最後、ワラのモノローグの中ではっきりと愛であると語られています。それはありきたりな結論かもしれないけれど、傷すらも包み込む、まさに包帯のようであると感じました。
読了日:05月03日 著者:天童 荒太

4月

就職した4月、平野啓一郎の「空白を満たしなさい」が印象的でしたね。
あと河合隼雄の「<心理療法>コレクション」と格闘してますね。

平野啓一郎「空白を満たしなさい(下)」 (講談社文庫)

もう何も言えない
読了日:04月26日 著者:平野 啓一郎

大河内直彦「チェンジング・ブルー――気候変動の謎に迫る」(岩波現代文庫)

自分が気候物理・古気候学の世界に足を踏み入れたときに最初に紹介され、今までも何回も参考にしてきた思い出の一冊。気候の世界から離れたいま、約5年ぶりに通読したその面白さは色褪せていなかった。大学院で気候物理・古気候学の世界に足を踏み入れてその世界に身を置いていたことは間違いなかった、やはり気候の世界は面白いと再確認した。研究からは離れてしまったけれど、こんな面白いものを放置せずにずっと学び続けたいと思った。
読了日:04月23日 著者:大河内 直彦

平野啓一郎「空白を満たしなさい(上)」 (講談社文庫)

新幹線の待合室のテレビで流れていたドラマから知った一冊。「マチネの終わりに」を苦戦したので覚悟していたがかなり読みやすかった。著者がインタビューでテーマと話ていた、自分の死・家族の死をどう受け止めるのか、生きる・死ぬという哲学的なテーマについて書かれている。没頭するというよりも深く物語に引き摺り込まれているような感覚になりながら、読み進めた。読みながら自分の思考も深めていきたい。下巻も楽しみ。
読了日:04月22日 著者:平野 啓一郎

阿川佐和子「アガワ家の危ない食卓」(新潮文庫)

久しぶりに阿川佐和子さんのエッセイを読みましたがとにかくテンポがよく、読みやすく、そして楽しい気持ちになりました。阿川さんのユーモラスな視線が羨ましい。昔読んだ「強父論」をもう一度読み返したくもなりました。
読了日:04月16日 著者:阿川 佐和子

小川洋子, 堀江敏幸「あとは切手を、一枚貼るだけ」(中公文庫 お 51-7)

4月より仕事をはじめ、長い通勤時間に読み進めたが正直なかなか集中できず読むのに時間がかかってしまったことが悔やまれる。あまり内容をきちんと頭に入れずに先に進んでしまったが、それでも物語のどの場面も大変美しい描写で描かれる。私は小川洋子ファンなのでこの本を手に取ったが、堀江さんの本にも大変興味を持った。もう一度、今度は静かな部屋でゆっくりと読み返したいと思う。
読了日:04月11日 著者:小川 洋子,堀江 敏幸

河合隼雄「生と死の接点―“心理療法”コレクション〈3〉」(岩波現代文庫)

今回もかなり難しかった(特に老人に関する内容)。正直最後の方は挫折しました泣。
ただやはりところどころに自分自身の感覚と重なる部分も多く、テーマ自体も自分が興味あるテーマなのでいつかこれをちゃんと理解できるようになりたいと思った。

読了日:04月06日 著者:河合 隼雄

益田ミリ「小さいコトが気になります」(ちくま文庫 ま-54-1)

本屋さんで見つけて衝動買いした一冊。何気ない日常で気になってしまうことについて文章と漫画を交えたエッセイ。
私もよく歩いているときや電車に乗っているときに周囲の様子などが気になりキョロキョロしてしまう、ときには挙動不審と言われてしまうこともあった。そんな感じなので普段自分が気になっていることなんて側から見たらどうでもいいようなことなのかななどと思っていたが、実は他にもいたんだなと安心できる一冊でした。
読了日:04月02日 著者:益田 ミリ

3月

箱根と関西に旅行した3月。新幹線の中で「夜と霧」を読もうとしたけど酔ってまともに読めなかった記憶が。
あとは三浦しをんの「愛なき世界」はとても良かったですね。

サン=テグジュペリ「星の王子さま」(岩波文庫)

箱根の「星の王子さまミュージアム」に行った事をきっかけに読んでみました。訳されたのが1950年代ということもあり正直日本語が結構わかりにくく、何度か読み返しながら読み進めました。思ったよりも難解であることに驚きました。
個人的には砂漠が美しいのは井戸を隠している、星が美しいのは見えない花があるなどの言葉も印象的でした。最後の方で王子が、どの星に自分がいるのか知らない方がいい、その方が全ての星が美しく見えるからという言葉の切なさに胸を打たれました。
読了日:03月30日 著者:サン=テグジュペリ

河宮未知生「シミュレート・ジ・アース―未来を予測する地球科学」

元々大学院での専門分野に関する内容(気候モデル)であったため個人的には知っている内容も多く若干退屈してしまった。しかし、時々あまり知らないような話も出てきてそうした際にはテンションが上がった。
タイトルからは地球科学全般に関する内容を扱うような印象を受けるが大半は大気海洋・気候のシミュレーションの話であり固体地球に関する内容はごく一部に限られる。また、各章独立した内容となっており、地球温暖化、古気候、極端気象、エルニーニョ・ラニーニャが関係する季節予報など幅広いテーマをカバーしている。
読了日:03月28日 著者:河宮 未知生

平野啓一郎「マチネの終わりに」(文春文庫)

教養書ばかり読んでいたので息抜きで小説でも読むかと思って読み始めたが結構重かった。初めて読む作家ということでなかなか読みなれない文体であったこともあるが読むのに時間がかかってしまった。しかし、それでも後半は一気に読み進めてしまった。40歳前後の男女の恋愛というものは自分にとってはまだわからないものであると感じながら、わずか数回しか顔を合わせていない男女が恋に落ちるという話はインターネットを通して様々な人と交流する私たちにとって近しい感覚であるとも思えた。
読了日:03月25日 著者:平野 啓一郎

河合隼雄「カウンセリングの実際: 〈心理療法〉コレクション」(岩波現代文庫)

今回も大変難しかったような気がする。しかし、同コレクションの「ユング心理学入門」とは異なりカウンセリングの実践に際して心がけるべきことやその事例について書かれているためだいぶ雰囲気が異なった。私自身別にカウンセラーではないが様々な人の話や悩みを聞くことは好きであり一緒に考えることも多いのでその中で起きる自分自身の変化などについて、この本に書かれている内容とリンクする部分がありそのような点は面白かった。また、実際に著者が体験した事例紹介の部分は著者自身の葛藤が、主観・客観の両面から書かれており興味深かった。
読了日:03月20日 著者:河合 隼雄

有隣堂YouTubeチーム「老舗書店「有隣堂」が作る企業YouTubeの世界 ~「チャンネル登録」すら知らなかった社員が登録者数20万人に育てるまで~」

いつもみてるチャンネルの本ということで普通に1ファンとして楽しく読めました。でもそうやってのほほんと読んでいるとたまにすごいグッとくる言葉があったりして本当に面白かったです。特に最後の特別対談のブッコローの一言が印象的でしたね。
読了日:03月15日 著者:有隣堂YouTubeチーム

河合隼雄「ユング心理学入門: 〈心理療法〉コレクション I」 (岩波現代文庫)

一度読んでわからなかったので再読。相変わらず結構難しかったが前回よりはわかったと思う。それとともに自分自身の経験や、わずかではあるが自分が見た夢と重なる部分も感じることができた。また、以前は無意識などについて非科学的であると感じていたが理解が進むにつれ、実感が伴い科学的であると感じるようになってきた。人生の後半の重要性について述べられていたが、数年度、数十年後、たまに読み返して理解を深めていきたい一冊である。ただ、やはり、難しいことには変わりないが、それもまたいい。
読了日:03月14日 著者:河合 隼雄

ヴィクトール・E・フランクル「夜と霧 新版」

揺れる新幹線の中で読んだりして正直言って消化不良だったので是非もう一度読み返したい。ただ、重要な帰結として苦しみも含め生きることである、生きるとは問い続けるという考え方は別の場所で読んだ詩などとも共通する考えでもあり突き詰めるとここに辿り着くんだなぁという感じがした。
読了日:03月13日 著者:ヴィクトール・E・フランクル

森見登美彦「新釈 走れメロス 他四篇」(角川文庫)

友人に勧められて読んだ。もともと名作と言われる作品でも系統的網羅的に読んでいるわけではなく、原作を読んだことがある作品もあればない作品もありました。しかし、原作を読んでいる作品については原作を想起させつつとても良い意味でクセが強くて楽しめたました(特に走れメロス)。一方、友人が勧めてくれた「桜の森の満開の下」についてはある一人の女に溺れ、自らを失っていく主人公の姿が切なく、身につまされる思いになりました。
読了日:03月08日 著者:森見 登美彦

三浦しをん「愛なき世界(下)」(中公文庫 み 51-3)

上巻に続き下巻も比較的早く読み終えてしまった。物語としては何かダイナミックでハラハラドキドキするわけでは決してないが研究に没頭する人物たちの日常に自分も溶け込んでいくようだった。特に本村が初歩的なミスで実験を失敗してそれに気がついたシーンには胸にくるものがあった。それ以上にそのことをなかなか教員に打ち明けられずにいて、意を決して打ち明けたところ、教員が自分自身のことを振り返るシーンは自身の経験も重なって緊張感と温かい気持ちが同時に溢れ出した。
最高の一冊です。
読了日:03月03日 著者:三浦 しをん

三浦しをん「愛なき世界(上)」(中公文庫 み 51-2)

上巻読了。自然科学を専攻する大学院生として、自分の原点を思いださせてくれるような物語だと思う。読んでいると散歩しながら、足元の植物にも、日々口にする食べ物も尊いと思えるような一冊。最高です。
読了日:03月01日 著者:三浦 しをん

2月

2月。就職前のお勉強の本もありますし、何よりも宮地尚子「傷を愛せるか」を読んでますね。大切な一冊です。

河合隼雄「ユング心理学入門: 〈心理療法〉コレクション I」(岩波現代文庫)

とりあえず一読した。以前同著者の「無意識の構造」を読んだことがあったが、本書の序盤はそれよりもかなり読みやすい印象であった。ただ、後半は内容の高度さ故になかなか咀嚼できなかったためぜひもう一度読み直したい。
しかし、ユング心理学について学んでみると、夢分析や無意識といった、どこか科学的には扱いにくいものについて理論が展開されるが、自身の感覚や経験には繋がりを感じ、不思議な説得力があるなと感じた。

読了日:02月28日 著者:河合 隼雄

「図書館情報学を学ぶ人のために」

図書館情報学について学びたいと思いネットで調べて最も見かけた本であったため読んだ。図書館の歴史から教育への貢献、情報化社会における図書館の役割の変化や未来像、また図書館から離れて情報学まで多岐にわたるが、章ごとに別の筆者が執筆しており各章完結している。私は元々教育学部出身ということもあり既に知っている内容も多かったがその部分は読み飛ばすなど非常に読みやすかった。また、扱われているテーマがWeb検索エンジンの仕組みなどの情報技術的なものから哲学まであり図書館情報学という学問の幅広さに驚かされた。
読了日:02月21日 著者:

飲茶「史上最強の哲学入門」(河出文庫)

⦅恐ろしいほど⦆わかりやすかったです。哲学・倫理学の入門書に何回も挑戦して挫折し、最後の手段として本書を読みましたが非常にわかりやすく面白かったです。というか、まず最初の前書きで爆笑しました。史上最強の哲学を決めるということでそれぞれのテーマごとにストーリーがあり、また、考え方の本質を大胆にわかりやすくしていることが読みやすさになっていると思います。一方で、あくまでのこれは最初の一歩でありこの本だけに頼るのは危険であると感じました。特に参考文献が少ない点が気になりました。
読了日:02月20日 著者:飲茶

ヤスパース「哲学入門」(新潮文庫)

難しかったのでまた今度読みます。
読了日:02月19日 著者:ヤスパース

宮地尚子「傷を愛せるか 増補新版」 (ちくま文庫 み-37-1)

最近読んだ本の中で最も好き。
日常的な何気ない風景や自身の経験からとても優しく、包まれるような、自分のそばにいてくれるような、そんな言葉が溢れている。私は漠然とした不安や自分がいる意味とかを考え、でもわからずに落ち込むことがよくあるけれどこの本で癒された気がする。
最後に書かれていた、「傷がそこにあることを認め、受け入れ、傷の周りをそっとなぞること。身体全体をいたわること。」という言葉が大きな優しさとなって心に沁み入った。号泣するわけではないけれど、しみじみと、深く感動し、疲れた心を癒してくれた一冊。
読了日:02月18日 著者:宮地 尚子

獅子文六「コーヒーと恋愛」(ちくま文庫)

書かれたのが1960年代ということで全体としてその時代感が強く香る中で、あまりにも魅力的なコーヒーを淹れてしまうあまり周りの人達に振り回される女優の物語。時代の雰囲気を感じつつも軽快に物語は進んでいくが正直私はそこに乗り切れなかったような気もする。今では当たり前の存在となったコーヒーがまだ少しハイカラな物として扱わられていた時代ならではの話であると思った。少し読むのに時間がかかってしまったのでまた今度は一気に読んでその魅力を掘り起こしたい。
読了日:02月17日 著者:獅子 文六

土井善晴「一汁一菜でよいという提案」(新潮文庫)

私たちの日々の生活を慈しむことができるようになる一冊。まだ実家で生活していた頃の母が料理をしている姿を思い出し、そうした日々の中で自分自身が成長してこれたこと、その環境を整えてくれた親に感謝したいと思った。本書は料理に関する話に始まり背景にある日本人論についても展開されるが、一部の記述に関しては正直どれほど信憑性があるのかわからない。しかし、この表題にあるようにあくまでも「提案」という形であることが大切であると思うし、この本の誠実さを感じた。
読了日:02月16日 著者:土井 善晴

「もういちど読む山川倫理」

哲学について概観し、自分の興味を見つけられたので有意義であった。
読了日:02月14日 著者:

牟田都子「文にあたる」

校正という仕事を名前しか知らなかったがこの本を通して何かを自ら生み出すわけではないが出版という創造的活動を支え、私たちが出版物に書かれている情報の信頼性を担保してくれている仕事であると感じた。そしてその繊細さが印象に残った。
内容としては面白かったが一つ一つのセクションが短く、また同じ内容の繰り返しも多かったのでその点は退屈だった。(単に私が汲み取れなかっただけかもしれないが)一冊の本全体としてのストーリーが見えにくく、その点読みにくかった。
読了日:02月09日 著者:牟田 都子

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