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祈りのまち巣鴨 -気軽にお参り さざえ堂-

「すがもプロジェクト」とは、大正大学がサービスラーニングという授業の取り組みの一つで、7つの班に分かれてさまざまな実践をおこなっています。今回から7つの班の活動を一班ずつインタビュー形式でご紹介します。
連載第1回となる今回は、「祈りのまち巣鴨」班の学生の皆さんです! 仏教系大学である大正大学の学生がどのような目的や目標を持って祈りのまちを考えているのか。また、学科や学年も違うメンバーがこのコロナ禍において、オンラインツールを活用してどのような思いで活動をしているのか。活動の進捗と率直な意見を聴いてきました!

祈りのまち巣鴨班 メンバー(2020年春学期時点)
・小貫智恵美  (SPS 歴史学科4年 写真右上)
・石垣マリア  (歴史学科4年 写真右下)
・篠崎美和   (臨床心理学科4年 写真左下)
・園部豊大   (仏教学科1年 写真左上)

祈りのまち巣鴨って?

-まず初めに、どのような活動をされている班なのか教えてください。

小貫:私たち「祈りのまち巣鴨」班は、巣鴨のまちにあるとげぬき地蔵(高岩寺)や眞性寺(しんしょうじ)、庚申塚など有名な神社仏閣を巻き込んで、祈りを中心として巣鴨をにぎわうまちにすることを目的として始まりました。しかし、新型コロナウイルス感染症の影響で当初予定していたまちに出て地域の人と連携をとり活動を行うことが困難なため、現在は学内にあり、学内生にも身近な“すがも鴨台観音堂”(以下、さざえ堂)を盛り上げる企画を考えています。

-なるほど、授業もオンラインですから現地での活動は難しいですよね。具体的にはさざえ堂を盛り上げるためにどのような企画を考えていますか?

小貫:現在はさざえ堂のパンフレットをリニューアルするために動いています。他には、オンライン講座として自分だけのオリジナルの御朱印帳づくりやさざえ堂ペーパークラフトづくり、オンライン参拝、さざえ堂の御朱印をリニューアル、商店街のお店とコラボフードを作ることなども考えています。

―パンフレットやオンライン参拝、御朱印などは祈りのまちというイメージができますが、ペーパークラフトやコラボフードはどのように祈りのまちに繋がっていくのですか?

小貫:すべてさざえ堂に興味を持ってもらうために出た案です。「さざえ堂のグッズがないよね」という話が学生の中からペーパークラフトの案が出て、そこからグッズ作成もしてみたいという考えになりました。また、コラボフードの販売もあったら、さざえ堂に足を運ぶ人が増えるかなとも思いついたところです。

―なるほど、食品とのコラボレーションは面白いと思います。現在進行しているというパンフレットのリニューアルの進捗はどうですか? もう内容も決まっていますか?

小貫:デザインや構成など、パンフレットの形が決まっています。現在は大学と調整しています。

リニューアル中のさざえ堂パンフレット(試作品)

オンラインでの共同作業

―順調に進んでいるようですね。でも、オンライン上での企画出しや話し合いは大変だったのではないですか?

小貫:私は、最初に想像していたよりは上手くいっているのかなと思いますよ(笑)たしかに、オンライン上だと不便もありますけどね。例えば、パンフレットの形をさざえ堂のうずまきのような形にしたので、構成を話し合う時に「このページにこのことを書こう…」と言っても画面上では「どこのページ?」と伝わりづらいことがありました。

園部:私もオンラインは苦痛ではないですが、小貫さんが言ったように情報共有が大変だなと思うこともありますね。でも、想像以上に順調にできている面もあるとも思います。自分以外が4年生で学科も違うのですが、最初に考えていた形とは変わってもいろいろ教えてもらいながら楽しく活動ができています。

―やはり対面でないと意思疎通も難しくはありますが、学年や学科の違う人とも交流できるというのはサービスラーニングのいいところですね。他の方はこのオンライン授業で感じたことやお互いの接し方や距離のつめ方といった点ではいかがですか?

篠崎:話している合間に相槌を入れてくれるのでコミュニケーションが取りやすいですね。あとは、意見に対して基本的に肯定してくれるので話しやすく、主張しやすい環境づくりができています。また、一人一人がしっかりと意見を持って発言をしているのでアイディアがたくさん浮かんできます。メンバーに恵まれたと言えますね。

―お互いを褒め合っていて、学生同士の団結力が強いことがすごく伝わりました。この活動には先生や職員の方々も関わっていますが、最初の印象などはいかがでしたか?

小貫:職員の方と一緒に進めていくという活動が初めてだったので、活動が始まった頃はどのような距離感でどこまで任せていいのか悩んだ時もありました。今では5人の職員の方から「これもできるよ、あれもできるよ」という提案をもらい、協力しながらこのプロジェクトを進めています。

篠崎:この班で担当の先生(注-仏教学部仏教学科・塩入法道教授)とこれまで接したことがなかったのは私だけだったので、最初は少し戸惑いました。しかし、実際に話してみると親しみやすく、今では気軽に相談できる関係性です。

園部:自分も最初は仏教のお偉い先生という印象で緊張していましたが、関わってみると優しく親切な先生だと思いましたね。大学の職員の方のイメージは、お堅いようなザ・真面目! と思っていたのですが全くそうではなく、フレンドリーに接してくれるので大きく印象が変わりました。

なぜ「祈りのまち」だったか

―最後に、すがもプロジェクトの中でなぜこの祈りのまち巣鴨を選んだのか、どのような思いで活動されているのかを教えてください。

小貫:私はこの授業を履修すると決めた時にSPS(すがもプロジェクトスタッフ:学生と教職員との橋渡し役。詳しくは「すがもプロジェクト始動」https://note.com/arukimedia/n/na1dbc03976ba  参照)を塩入先生から奨められて、祈りのまち巣鴨班に配属されました。最初はSPSが私に務まるか不安を感じていましたが、班員のみんなが優しく接してくれるので、自分自身も楽しみながら活動ができています。コロナ禍で活動が制限されている部分もありますが、限られた中でもできることがまだまだあると実感したので、今後もいろんな案を出しながら現状と照らし合わせてできることをたくさんやっていきたいです。

石垣:サービスラーニングの履修は、塩入先生に奨められたことがきっかけでした。祈りのまち巣鴨を選んだ理由は、御朱印やお寺の歴史に興味があったことです。今後の活動を通して、たくさんの学生にさざえ堂を知ってもらいたいと思っています。現時点では学生の参拝がほとんどなく、地域の人のリピーターが多い印象なので、せっかく大学にあるからには学生にも興味を持ってもらいたいですね。

篠崎:祈りのまち巣鴨を選んだのは、大正大学にいても仏教学部以外の学生はなかなか仏教に触れる機会が少ないことや御朱印づくりという面白い体験が大学生活最後にできるのかなと思ったからです。今後の活動としては、大学生活最後なので仏教系大学である大正大学でしかできないようなことをやっていきたいと思います。また、さざえ堂をもっと地域に浸透させていきたいと思います。

園部:入学前から、大正大学は地域貢献をしているイメージは強くありましたし、さざえ堂があるというのを聞いていました。私は仏教学部に所属していますが、いろいろなことが勉強できる環境にいるなら仏教以外のことも勉強したいと思ったことをきっかけに、この授業を履修しています。祈りのまち巣鴨を選んだ理由は、将来の寺院運営に活かせるノウハウなどを身に着けたいと思ったからです。今後は、自分がお寺で育ってきたという経験などをこの祈りのまち巣鴨の活動に活かしていきたいという考えを持っています。

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皆さんそれぞれ熱い思いをもって活動に取り組んでいるからこそ、オンラインという環境でもパンフレットや御朱印のリニューアルといったクリエイティブな活動もスムーズに進めていけるのだと感じました。また、自分の将来にも関連付けて考えながら巣鴨のために活動していく皆さんはとても素敵だと思います。これまで学生にとってなかなか近寄り難かったさざえ堂でしたが、祈りのまち巣鴨班の学生のみなさんが主体的に活動することによって、仏教に気軽に触れられる交流の場として広まってほしいです!

記事・山田知佳(メディア班ライター)
2020年7月21日取材

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