お前の背中に刻む種② 凸凹女子

古瀬島なつ季と岡根唯菓は同じクラスになったことによって仲が良くなったのか、ふたりで一緒にいることが多くなった。
古瀬島なつ季は金本清と同じ木霊中の出身だ。
「彼、浅田くんって同じクラスだっけ?」同じ2年D組の守山(もりやま)が古瀬島なつ季と岡根唯菓に話しかけていた。守山は古瀬島と同じ木霊中らしい。
私の地獄耳の能力が発動だ。
「そうだよ」
「彼、面白いね」守山は言う。私は面白いことをこのクラスでした覚えはないが。
「ちょっと変わっているよね」そこは普通に面白いでいいだろ古瀬島さん。
無言で頷く岡根さん。なんだか視線を感じる。
「彼、日蔭中のバレー部のレギュラーだったらしいね」守山が言った。

そう言えば少し前、私は日蔭中のバレー部のキャプテンだった鈴木と近所で会った時に、木霊中のバレー部で苔川高校に行った奴と会ったと言っていた。その時に聞いたのだろう。
岡根さんの顔に驚きの色が浮かんだ。
「あ、そうなんだ」古瀬島さんが答える。
「ほら、殴り込みに来たじゃん」
その話は私にとっても黒歴史だ。お恥ずかしい限りである。

「あんまり身長が高い方じゃないよね」古瀬島さん、あなたに比べたらね。「どう思う?」
「すごい… !」岡根さんの目が輝く音がした。
いや…買い被りです…。

あの頃の自分を一回締め○してやりたいくらいである。
私は、愚か者であった。



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