予備試験を越えて②(失敗は結果では無く、成功に至るプロセスの一部だ)

社会に出ると、多くの賢い人に出会う。

①アカデミックスマート、②ストリートスマート、③ブックスマート、④アスリートスマート、⑤ビジネススマート等。

この業界には①が多いが、外の世界には②③④⑤の方も多くいることに気づく。
義務教育すら怪しいレベルのアカデミックジャーニーを経てきた人であっても、「次の発言を間違えたら半殺しに遭う」、「次の配球を間違えたらナイン全員が泣き崩れ、監督さんや父兄も泣き崩れる。」という経験を何度も味わってきた場合、ともすれば四谷大塚の御三家クラスの生徒より、深い思考を短期間の間に何度もこなしてきた可能性すらある。マズローの5(6)段階欲求説的にいえば、生命欲求や安全欲求、そして帰属欲求に関わるギリギリの意思決定をすることが、人にはどれ程あろうか。

実務に出て、成功者と話すと、①以外のタイプの賢い方に出会うことがある。良質な思考をしてきたという点では、②③④⑤タイプの方々が①のタイプに引けを取るとは限らないからだ。

これは、予備試験や司法試験にも通じる。
常に①アカデミックスマートが勝つばかりではない。

予備試験には、参入障壁がなく、①②③④⑤のタイプのプレイヤーが参戦できる点で開かれた試合であり、天下一武道会に近い。
「よく分かんねーけど、1番強い奴がすげー。」という世界観だ。
この大会では、生い立ちや、流派、そして型の綺麗さなど関係ない。純粋に強いか否かが大事だ。
あえて予備試験が天下一武道会と違う点を言うなら、今年でいえば勝者が487人もいる点だ。どんなタイプでも強ければ予備試験で勝てる。①〜⑤タイプの上位者なら他のタイプの下位者に十分勝てるであろう。

ここで大事になってくるのは自分がどのタイプかの自己認識だ。
強化系が操作系を真似るとメモリーを無駄遣いしてしまう様に、自分の強みを忘れて自分と異なるタイプの先輩合格者の言うことを聞いてはならない。聞くにしても割り引いて聞くべきだ。
※詳しくはHUNTER×HUNTER参照

勉強法の正解を求める人がいるが、おそらくその旅路は困難を極めるだろう。なぜなら、答えは、人の数ほどあるからだ。
大切な事は自分の強みと弱みを知ることだ。そうすれぼ、その強みを存分に活かせて弱みを消せる方法論に絞って探せる。
こんなことを言うと、方法論を探す旅路から、自分探しの旅路に向かう人もいそうだが、俺が言いたいのはそう言うことではない。
ある程度のところでリサーチは終えにして、後は走りながら考えろと言うことだ。やる前から長考して答えを探すのでは無く、さっさと飛び込んでみろと思うことがある。チルチルとミチルのように、答えはきっと手身近なところにあるのではなかろうか。


JTCにおけるプロジェクト工程

これは、最初は丁寧に計画を立てていても最後はめちゃクソになると言うことを表した有名な絵だ。アジャイル開発の必要性を説く際にも使われる絵だ。本試験の答案でも、最初を丁寧に書いてはならないこととも同根といえよう。
はじめから解像度高めるのでは無く、マサ斎藤よろしく、「go for block!」(当たって砕けろ!)の精神で臨む。最初丁寧に取り組んでもミスるなら、何度も取り組み、慣れた方が良い。
九九を戦略的に一発で覚えさせようとする算数教員がいない様に、法律の勉強も何ども繰り返すことを前提で考えるべきだ。失敗を前提にエビングハウスの忘却曲線でも活用しながら何度も何度も繰り返せばよい。
骨折したらその骨は強くなると言う。時には骨折り損でもいいから飛び込む勇気を待つことも必要かと思う。

失敗は結果では無く、成功に至るプロセスの一部に過ぎない。そのプロセスに過度にこだわる必要などない。
今年ダメでも次に受かったららば良いでは無いか。
合格すると過去の失敗が有意義な失敗となり、財産や資産になる。その時、過去の失敗は結果では無く、成功する為の不可欠なプロセスの一部になる。

最後に合格すればいい。
人生にリセマラは無い。だとしたら、最初からリセットしたくなるような状況を楽しむ様にする方が遥かに人生を豊かにするのではなかろうか。

失敗の対義語は成功では無く、無反省だ。

以上を試験に落とし込むなら、以下のことが言えようか。
自分の勝てる相手とばかりつるまない。
低い点数にビビって、インプットに走らない。
過去問にビビって、短文事例問題に逃げない。
誰しもが100点を取れない論文にビビって択一に逃げない。
自分の知識不足や利益衡量の不得手から択一にビビって論文に逃げない。


失敗をビビるな。
失敗から学べ。
泣いて、泣いて、泣いて、
最後に笑え、笑え、笑え。


次の投稿からは、方法論に入っていきたい。

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