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起業家精神は、日本の未来の指標だと思う。

はじめに

東京などの都市部の事情はわからないが、少なくとも私の住む鳥取では、今の時代を生きる中高生たちが、(私が中高生だった)30年前とほぼ同じ教育を受けている。進学校に通う子たちは、昔と同じような授業、たくさんの宿題、部活、塾によって、日々の生活の時間の多くが取られ、それ以外のこと(社会に出てから活きる経験)に取り組む時間も意欲もなかなか持てない環境にある。

私の問題意識は、こうだ。「これで、大人になってから大丈夫なのか?」
そして、感じている答えは、「このままではまずい・・・」である。

一人一人の子の話(ミクロな視点)で言うと、それはもう、人それぞれ(家庭それぞれ)の自由であるから、それをとやかく言うつもりはない。ある子は世界に貢献するような仕事をするかもしれないし、ある子は日本のスポーツ界で活躍するかも知れないし、ある子は街でパン屋さんを始めるかも知れないし、ある子は地元のIT企業で働くかも知れない。

しかし、である。次の調査報告書の結果を見ると、日本という国家レベルで考えると、これはまずいんじゃないか、と思うのである。(※鳥取で私が感じている「教育が30年前と変わらない感じ」が全国でも同様である、という前提でこの後の話を進める)

起業家精神についての調査結果

経済産業省が公表している「起業家精神に関する調査報告書(令和5年6月)」というのがある。これは、日本を含む世界各国の起業家精神について、様々な指標により把握・比較したものである。(説明が、ざっくりですみません笑)
この中で、私が特に気になった指標3つと、その結果を挙げると以下のとおり。

(問い)新しいビジネスを始めるために 必要な知識、能力、経験を持っていますか?
 →世界平均(資本主義系):54.3
  日本:14.9(※最下位) 

起業家精神に関する調査報告書(令和5年6月)
新しいビジネスを始めるために 必要な知識、能力、経験を持っていますか?

(問い)今後6ヶ月以内に、自分が住む地域に起業に有利なチャンスが訪れると思いますか?
 →世界平均(資本主義系):51.9
  日本:12.7(※最下位)

起業家精神に関する調査報告書(令和5年6月)
今後6ヶ月以内に、自分が住む地域に起業に有利なチャンスが訪れると思いますか?


(問い)「失敗することに対する怖れがあり、起業を躊躇している」という成人人口の割合
→世界平均(資本主義系):47.5
  日本:39.4

起業家精神に関する調査報告書(令和5年6月)
「失敗することに対する怖れがあり、起業を躊躇している」という成人人口の割合

つまり・・・

この結果は、私の解釈に直すと、日本人は『新しいことにチャレンジする自信が無く、そんな機会は来ると思ってないし、そして、失敗するわけにもいかない』である。
まずくないですか?
これは、あくまで「起業」に対する調査だから、それ以外は違うだろ?という方もいるかも知れない。
なので私の仮説であるが、
・この起業に関する意識の結果は、「起業」だけでなく「社内起業」(社内で新しいことを企て実行すること)であっても同様ではないか?
・また、「営利分野」(民間企業)だけでなく、「非営利分野」(役所とかNPO)でも同様ではないか?
・更に、起業といういわゆる「大きな決断」だけでなく、「小さな決断」(日常の中のちょっとしたチャレンジ)でも同様ではないか?

と思っている。
(違う状況があれば、ご指摘ください)

そして、この結果は、高度成長期以降の私を含む日本人に長期間刷り込まれた教育の内容が、大きく影響しているのではないだろうか。
別に、日本はこのままでもいい、という人もいるかも知れない。一方で、私と同じようにまずい、と感じる人もいるかも知れない。
経済成長や経済指標だけが世界の全てではないが、コロナが明けて加速している最近の円安や物価高など経済面での豊かさを失っていく感覚(日本が貧しくなっていく感覚)は、国民誰もが感じているところだと思う。

解決するには・・・

これに対して、既に社会に出ている我々がまずはその状況を変えていく必要があると思うが、これから社会に出ていく子たちも、その変化(良い意味での変化)の担い手となってもらう必要があるのではないか。(昭和の言葉で言うと「全員野球」です笑)
そのためには、30年前と変わらない工業的な教育(工場的な空間で、上司に言われたとおり、個性を殺して、決められた時間の中で、間違わずに、ものを作るための人材を生み出すことに最適化する教育)を大きく変えることが必要だし、あわせて保護者の意識も(自分たちの時代もこうだったとかしょうもないこと笑を言わずに、)時代に合わせてアップデートする必要があると思う。

私の結論

「アントレプレナーシップ」、そしてもっと身近な言葉で表現すると、大小問わず「チャレンジ精神」を育む教育と、誰かが失敗しても、「ほら、言うとおりだろ」という評論家的であり傍観者的である人々が一番ダサいという社会的な空気があり「ナイスチャレンジ!」という人々が多数派として存在する日本を作って行かなければと思う。

Something New 代表 井田広之(副業公務員)

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