にいがたさんとはくちょうさん

ただただ青森さんを求めて一門会へ。

初ぐんまさん、思った通りの優等生ぶり&意外や声が幼い。(プロレス好きの延長でもう少し野太いイメージだった)

青森さんの高座にありついたのは昨秋から今日までまだやっと7回目、うち2回は配信。

不在票×2、愛を詰め替えて、クイズ王、饅頭こわい、ミュージックスクール、そして今日の粗忽長屋。クイズ王以外、毎回しみじみ唸ります。(クイズ王は配信向きじゃなかった気がする)

出演も少ないし告知も少ないしツイッターは主にゲーム関係だしこちらの都合もつかないし、次はいつになるやら。不在票は何度でも聴きたい。愛を詰め替えての椿ちゃんの描写はぞくぞくしました。ミュージックスクールもそうだけど女性の描写が味わい深い。今日の粗忽長屋はマクラ?メクリ?から客席を翻弄し通しで、お客を巻き込んで一席を作り上げたまさにライブ感。少し前の画像では丸顔に毬栗頭でニコニコしているものが多く、動画やポッドキャストなどたくさん発信していた様子。しかし私が初めて見た時にはだいぶ髪が伸びていて、シニカルな雰囲気からカイ・シデンを連想しました。高座の雰囲気はコロナ前と変わらないのかも知れないけど、色々な発信を試行錯誤した反動で今は落語に関する活動が不明に見える感じなのでしょうか。

にいがたさん、この前の雪国たちきりの日に病気怪我の話をしたばかりだったのにまた怪我とは…。まさかのオレンジ色のにくいやつ絡み。

この半年ほど20年ちょいぶりくらいに生のにいがたさん高座拝見して富Q、牡丹の怪は楽しかったけど他はお爺さんお婆さん北朝鮮みたいな印象が強くて困惑。「面白くなくても笑うんだよ!ぼーっとしてちゃ駄目‼︎」と高座から檄が飛んだある日のマキシムドのんべえ。うん、笑っていますよ。笑い転げてはいないけど。昔なにを観たのかは看護婦さんの話以外思い出せず。でも昔にいがたさんは笑えなんて言うキャラじゃなかったし、客席も笑いたい時に笑うだけだった。落語のピン、奇兵隊、下丸子、深夜早朝寄席、ルピリエ、椎名町?並木?たくさん笑ったことだけは確か。にぎわい座で「ローリングストーン‼︎」の炸裂を目の当たりにして「そう、これこれ‼︎」私が虜になっていたにいがたさんはこんな感じだった。絶対怒られる芸だけど、にいがたさんは突き進んで今やベテランはくちょう師匠。神聖な高座を冒涜する異端として受けた迫害断罪の数々が時を経てぽろりぽろりと放流され笑いに昇華されているのかいないのか。

にぎわい座で聞いた雪国たちきり、クライマックスに向けて急に空気が変わった。長男と次男、古典と新作、体力と年齢、コロナと不景気、創作と責任、美しくも冷たく重い雪、雪化粧で隠された情念。にいがたさんが30年越しに抱えてきた不遇への思いと新作のベテランとして業界を支える現状の腑に落ちなさなのか分からないけど、なにかしらのわだかまりと雪国たちきりの若旦那小糸を縛るものとが絡み合い質量を生んで吹雪の幻影のように会場を圧迫した気がした。もしかあんちゃんという残酷な響きが常用される故郷も、噺にも業界にも氾濫する安易なご都合人情も、壊せないけど壊したいような気持ちがあるのだろうか。この疫禍によるストレスがなにかを増幅させてしまったのか。

強い雨のなかサンダル短パンポンチョで歩き濡れながら落語の稽古をする師匠が最高に格好良い、と臆面なくそつなく一門会で宣言する可愛いお弟子。

師匠とは違うアプローチで噺を設計・演出し客席にぶつけていく絶賛放置中・謎セルフプロデュース中のお弟子。

にいがたさんにはこんな良いお弟子がいて凄いことです。どう表現して良いのか分からないけど。にいがたさんがローリングストーンで付けた道を意識しながら、ぐんま畜農ロードと青森濃縮還元ロードが展開されていくのでしょう。うん、意味不明。

はくちょう一門、道なき道はどこまでも🦢🍎🐴α

はてしないチラシ裏メモ