見出し画像

マシュマロ回答

 お久しぶりという感じかもしれませんが、遺失物届です。これはいままで書いてきた日記の文脈のうえで書かれているので、これ単体で目にした人がいれば不親切な感じかもしれませんが、保留していた2つのマシュマロに回答しようと思います。

 はてなブログのほうでも回答していますが、noteにも載せた理由はいくつかあって、まずはマシュマロを投げて頂いたのはnoteを読んでくださっていた人である可能性が高いなと勝手に考えたからですね。あとは、noteのほうが手持ち無沙汰になるのはよくないなと思ったのもあります。フォローしてくれている人への目配せというか、忘れないでね!みたいな本音もある。





その1 丸の人


画像1


 2か月くらい前のものに今更回答するという……。


 丸の人は小林賢太郎氏の「Potsunen『 ○ ~maru~ 』」という公演の最後の演目で、こういうのは公演を丸々(丸だけに)通して見たほうが100倍楽しめると思ったのでそうしようと思っているうちに先延ばしにしてしまったのでした(言い訳)


 よかったです。いままでのコントの伏線回収要素はそこまでだったのだけど、それは別に必須とされていることではないのであまり重要度は薄くて、とにかく幻想的だなあと。ネタバレすると最後の一人二役みたいな演技、腕だけ他人のものとして演技するみたいなやつがすごかったです。


 公演全体を通した感想を述べると、まあ本当にすごい人だなあとため息しか出ない。氏の作品を見ると笑うようなところも「すげ~」という感嘆のため息になって出てしまうことが多いです。仕込まれている笑いがいちいち言葉遊びだったりで上手いので。「アナグラムの穴」とか、面白さより手つきのなめらかさとかにずっと唸っていた。


 そして今回思ったのは、氏はいい意味で子供みたいな人だなあということだった。たとえば「ガジェットショー」では指を人に見立てて、てくてく装置の上を歩く劇みたいなものがある(これはほかの公演でもあった)けど、あれなんか幼いころ車窓から流れる家をマリオみたいにジャンプする想像から考えたのかなあ、と思ってしまった。


 これはどう分類すればいいのか分からないけど、そういう子供心にワクワクするような仕掛け(折り紙とか言葉遊び、けん玉とか)を忘れずに極め続けて高度な演劇の技術、ナンセンスな笑いと結びつけて昇華しているような人なんだなと思いました。だからこそ多くの人に支持されるような良さがあるのかもしれない


 しかし「採集」みたいなブラックな笑いもできてしまうので侮れないというかすごいなと。ちなみに「ガジェットショー」には五輪をモチーフにした仕掛けもあったのでちょっと悲しかったです。


 そんな感じで今回も楽しませてもらいました。ちゃんと見るまでに時間はかかるもののコントや公演が膨大なので、おすすめしてもらえるのはありがたいですね。





その2 煮ル果実


画像2


 2週間くらい前のマシュマロです。どなたか分かる感じではある。


 お恥ずかしながら煮ル果実氏(以下、果実氏と呼ぶ)の楽曲は有名どころしか聴いたことなかったので、この機会に全部触れてみました。元々聴きたい意志はあったのと、あとここ数日ずっとイラスト関連の作業をしていたのでそのお供です。こうなったら、尋ねられようが尋ねられまいが煮ル果実氏についてひたすら書くか…という気持ちになっているのでそうします。




はじめに


 ちなみに僕の初煮ル果実は「紗痲」です。投稿されてからすぐくらいにNicoboxのトップでおすすめされて、聴いたらよかったのが最初でした。

 総合的なことを言うと、なかなか決めるのは難しかったです。これは好きすぎて決められない、というのとは違って全部あ~いいねというレベルに留まって聴いているので突出してめっちゃ刺さる、好きみたいなものがない…という感じですね。

 果実氏はカゲプロとかのように大きな物語を連作でやるというより、ひとつひとつの作品に個別の物語があるという感じで(もちろんキルマー等つながっている話もありますが、すべての曲がそういうわけではおそらくない)、それは本人が自分の作品を「果実」として出荷するような体裁をとっているのとリンクしているんだなあと思いました。

 あと初期のほうはわりとギターが前面に出ている爽やかめな曲が多くてびっくりした(シュールマンやNeiraなど)。そっちの路線もいいなと思うし、「POPGATO」の「スパンコール」なんかにはそれが残っていると感じましたね。

 順番的に③から書いた方がなんかいい感じがするのでそうします。




③映像も含めた作品の中から



 これは難しいというか映像含めて全部見る余裕がなかったのだけど、アイロニーナですかねえ…。氏といえばwoomaさんの印象があるのだけど、個人的な趣味として暗めだったり、人がゲス顔だったり絶望してる顔、みたいなのが苦手な節がありました。このアイロニーナはまず(たぶん)アイロニーなだと思われる少女がかわいいし、全体的に明るくポップで好きです。同じような絵の明るさだと「ナイトルール」「ハングリーニコル」「シュールマン」あたりが好きな方ですね、申し訳ないけど消去法的な判断になってしまう。

 しかしアイロニーナはよくよく歌詞を見るとかなり痛烈な皮肉になっていて、イラストとのギャップがありますよね。前にカラオケで歌って歌詞を見たとき「ここまで言うか」とびっくりしてしまった。

可視化するハートを稼いで
自尊心に手錠をかけて
目配せして生きてく毎日
憧れてた生活に随分と
いたく嫌われたもんだよな

 これとか「自尊心に手錠をかけて」というのは自尊心を犠牲にして、みたいな意味だと思うのだけど、こうありたいという自分の感性に手錠をかけて縛り、チラチラ見ながら「可視化するハートを稼ぐ」という行為に執心する(=自分のやりたいことを無視して流行りに傾倒した創作をする)と解釈しました。

貪んな スナック感覚
上っ面っぺらの愛でのうのうと
『込められた想いなんて、
浸るだけ無駄 無駄 無駄!』
踊れて歌えて皆にウケるか
それが出来ねば仲間はずれか
脅迫観念に駆られ
味の無い果実が増えるけどもさ


二番のこれなんかもかなり痛烈なのは言うまでもないですねえ、、

全曲のなかで映像も好きなやつは、みたいな選び方でした。




②アルバム限定曲のなかから



 これも難しく、理由としては正直に書きますとすごい刺さるものがあったわけでもないという感じだからです。挙げるなら「灰夜」ですかね、やはりギターロックみのあるものが好きなのでこれはそのまんまギター・ベース・ドラム中心の曲でよかったです。ほかの名前を出すのは気が引けますが、ゲスの極み乙女。の「ラスカ」とかindigo la Endを彷彿とさせる雨の夜みたいなじんわりした切なさがあってよい。あとギターリフが左右で別のが鳴って複雑に響いているの良い。




 あと「生活ガ陶冶スル」もよかった。存外に明るい感じだったので煮ル氏らしさがなくて、なので一番にはならないかなと思うのですが、感情が出ているというか…。「陶冶」って「作り上げる」なので「生活が作品を作り上げる」みたいな、ミステリアスな感じの煮ル氏の素性、創作に隠れた本音が見え隠れする手紙みたいな曲だと思いました。ギターソロがかなりすごい。最近の曲調では目立ってないけど、実は果実氏すごいギター上手いんですね




①全部の中から



  ヲズワルドはリンクが張れませんでした。視聴制限かかってるからかな。


 これも難しくて(それしか言ってない)、答えとしては「ない」に帰着するかもしれない。突出して好きみたいなのはなくて、全部いいね~という感じで聴いている…。

 強いて挙げるなら「ヲズワルド」「トラフィック・ジャム」あたりは上からですが熟しているな~(果実だけに)という印象です。「アンドリューがいったから」から着々と醸成してきた世界観が結実しているというか、「ヲズワルド」はその負の面というかドロドロした石油みたいな感じが白眉だと思います、、。かなりディストーションのかかったギター、ねばねばしたようなリズムにころころ変わる展開、flowerの調声も安定しているなという。そこから「トラフィック・ジャム」はその暗さ+踊れてしまうようなサビが加わっていて、世界観がまとまっている感じといいましょうか。

 この2作以降が駄目とかではなく、暗めの世界観が結実しているなという感じです。これ以降は垢ぬけたというか、より明るい狂気みたいになっている気がする




直近の曲を聴きました


 そういえばAdo氏のアルバム「狂言」に「マザーランド」を寄せていたのでタイムリー、あとはプロセカに「トリコロージュ」を寄せていてそれも発表されてましたね。こちらはいまのところボカロverを聴く手段がゲーム内しかない(しかしゲームをやっていない)。しかし、この部分を書いている数時間前(1/29 21:00)に25時、ナイトコードで。 × 初音ミクverがyoutubeで公開されていました。ということで両方聴いてみました。かなり供給が過多という感じだ



 マザーランドは歌いだしから最初からAdo氏の歌唱力がすごくて笑いました。こういうボカロ的な跳躍する音程をちゃんと歌う人のことを信頼して託せるの、また後述しますが人に曲を書くのに慣れている印象ですね。サビで視界が開けるような感じが良い。



 トリコロージュ良かった、映像が可愛くて良。ストリングスとか最初のほわほわしたシンセ、あるいはチップチューンみのあるシンセのサイン波(Aメロ当たりの裏で鳴っている?)みたいな音を使っているのでちょっと上品かつ可愛い感じとか、kawaiifuturebassを感じる(ジャンルはぜんぜん違う)ので多彩だ~となったな。

 一番すきなやつを更新してしまった説がある。こういう声優さんが歌ってもいい感じにできるのすごい。ちょっとウィスパーがかった声質にもうまくあっていて、そこにfuturebassのボーカルっぽさを感じたわけですが、人に曲を書くのに慣れている感じがする。

 SHIMNYとかあたりから打ち込みドラムなどを利用した曲調になったなと思っていたけど、それがさらに電子音楽っぽさを増したなという印象、しかし裏ではギターが鳴っている。

 しかし歌詞は打って変わって暗いというか、SNSで見た他人の感想を引用するなら諦観した空気が漂っていて、これもアイロニーナみたいに映像と音楽のねじれが素敵だなとなりました。

 そしてユニットの「25時、ナイトコードで。」の設定を見たところ、評判とかトリコロージュの歌詞からそういう感じだろうと予想はしていたものの、なんかすごい暗かった。うお~。



 あとマジでプロセカは知らないのですが声優さんのなかに佐藤日向さんがいた(レヴュースタァライトの星見純那役なので知っている)。みんなそうなのか知らないけど、見た作品で声優の知識を広げている。ちょっと前に考えたのだけど、アニメ以外のルートで声優を知るケースってかつてはそんなに無かった気がします。最近は独立してアーティストとして活動する声優さんが多いけど、そうじゃない場合はだいたいキャラを介して知るのかな? 僕なんかは作曲家関連で声優の曲を知るみたいなことが増えたけど、かつてはそういうことはなかったのかもしれない。別に知るルートに優劣はないけど変わってきたよねという関係ない所感です。




 煮ル果実氏について色々書きました。ずとまよへの提供とかあまり聴けてないのでまた聴きたいですね。ツミキさんもギター中心からフォニイで打ち込みドラム中心になってきたなと思っているので、同じようにどう変化していくのか気になるところではありますね。ボカロの話はまた定期的にしたいです。




 マシュマロ回答でした。またこちらでもこの回答以外にも(来たらですが)何かしらできたらいいなと思ってます。おやすみなさい。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?