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ビンテージサクソルンについて

本家5ヴァルヴともう一つの5ヴァルヴ?

サクソルンバスといえば左手が忙しい5ヴァルヴが特徴的な楽器です。
現行モデルはユーフォと同じく4ヴァルヴ/コンペンセイティングシステムで演奏します。ちなみに吹奏楽シーンでバスだけ生き残ったので、サクソルン(バスは省略)と呼ばれます。
また、この現行コンペンセイティングモデルに対して古い(本家)5ヴァルヴの形式をクラシックモデルと呼ばれます。
この5ヴァルヴシステム、フランスでは2つのシステムが存在する事をご存知ですか?

166 (クラシックモデル)

166

こちらは本家、お馴染みのモデル。5番は単体でE♭を可能、(4番はユーフォ同様F)。5ヴァルヴはノンコンペなので、長い管でもユーフォと比較して抵抗感が少なく低音域を演奏可能です。

例/下のE♭の運指比較
・ユーフォコンペ/ 1+4
・ユーフォノンコンペ/ 1+2+4
・サクソルン本家/ 5のみ

166FP  (クラシックモデル)

FP

こちらも5ヴァルヴの楽器ですが、画像の通り、4番管周りの雰囲気がユーフォに似ています。
形式後ろの「FP」は開発者のフェルナン(F)と、フィリップ(P)の2人の名前のイニシャルが由来です。

裏面から見ると5番管の長さの短さは明らかで、1番管より少し長め。
例えるなら、ロータリーtuba(F管)の左手の補正管と同様の機能です。
例/下のE♭を運指比較
・ユーフォノンコンペ/ 1+2+4
・サクソルンFP/ 4+5 (ノンコンペの1+2の長さをカバー)

なお、5番管を短くする事で、以下の利点が得られます。
楽器の軽量化
組み立て/メンテナンスの簡略化
低音域でほぼ4+5で両指を握ることでホールドしやすい。

デメリット
本家クラシックモデルと異なる運指。
E♭以下での換え指の少なさ。


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