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G.Devos 解説 2つの対照的小品

Devosについて

1947年、パリ高等音楽院のハープ科を首席で卒業しました。同年に和声法、50年には対位法、そして52年には作曲の各クラスで優秀な成績を収めました。その後、プラハで行われたハープ国際コンクールで優勝。その後、日本でも有名な、フランスのブザンソン指揮者コンクールでも優勝しました。そして、エコールノルマルオーケストラの指揮者としての職に就き、70年から90年までオーケストラパドゥルの指揮者を務めました。

2つの対照的小品

1960年、パリ音楽院テューバ科の卒業試験が行われた際、コンクールピースとして委嘱されました。
この曲は大戦後の時代において再開したクラスにとっておそらく初めて作られたものであり、現在は絶版となってしまっています。
 
 曲は二つの楽章で構成されており、一つ目は「calme」という穏やかな楽章で、a minのスケールを基にしています。この楽章は、バッハの無伴奏組曲を彷彿とさせるものであり、ピアノのリズムからハープのニュアンスや当時特有のハーモニーを感じることができます。
 二つ目の楽章「allegro」では、D Majへと転調し、フランス独特の華やかで切れの良い旋律が現れます。この旋律は、難しいジャンプやトリッキーなリズムによって魅力を引き立てています。後半部分では、長いカデンツが現れ、サクソルン特有の低音域ペダルDまで使用されています。この作品は、楽器の特徴をうまく表現しており、低い音域にとどまらず、ペダルFからオクターブ上への跳躍など管楽器というより、ハープの語法が多く感じられるフレーズが多用されます。

当時のパリのクラス集合写真集、当時の楽器も写っています。


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