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シュルレアリスムの風化、ミノトールが残した偉業からの現代的な感受性を再認識 à nouveau Surréalisme & Minotaure
第14回 関西シュルレアリスム研究会にて、シュルレアリスムの貴重書を閲覧しました。京都産業大学の図書館で購入された『VVV』(トリプル・ヴェー) と『minotaure』(ミノトール) を閲覧しましたが、『minotaure』(ミノトール) を簡単に紹介しながら、その重要性を再確認したいと思います。 『minotaure』(ミノトール) は、1933年に創刊された雑誌です。そのタイトルは、ギリシア神話の牛怪獣からとられています。6年間のうちに計13号を上梓して、芸術家や詩人
写真家の佐藤柊による「まばたきのあいだに」は、“まばたき” をすることによる一連の運動から美しい物語が紡がれていくことに気づかせてくれる作品集である。
写真家の佐藤柊による「まばたきのあいだに」は、“まばたき” をすることによる一連の運動から美しい物語が紡がれていくことに気づかせてくれる作品集である。 また、8mmフィルムを回した時の独特な色味を表したかのような質感を持つ写真が、記憶を切り取っている様子を際立たせており、一個人のプライベートフィルムのような視点でまとめられている。 “見る” という行為は、しばしば写真や映像を通して、客観的な視点によって気付かされる。実際に自分の目で見ている時は、見ている対象に対して関心は
巷に溢れる顔、人の顔だけでなく、看板に配された顔、顔のように見える模様など、どこまでの再現性が私たちに顔と認識させてしまうのか。
巷に溢れる顔、人の顔だけでなく、看板に配された顔、顔のように見える模様など、どこまでの再現性が私たちに顔と認識させてしまうのか。 現実世界では、原子や分子の集まりの割合によって、コンピュータの世界ではビットやピクセルという定められた範囲内で表現される。 人が人であると認識されるおおよその第一印象は、顔を意識するところから始まる。 その顔を認識する能力が、各種アカウントに用いられるアイコンによって、人の印象が決定づけられたり、モデル化されてしまったならば、一体どのように分
「大文字の音楽というよりも、音のデザイン (sound-design) に力を尽くしている。僕たちの主たる目的は、受け手との聴取可能なインターフェース (an audible user-interface) を持つことだ。」
「大文字の音楽というよりも、音のデザイン (sound-design) に力を尽くしている。僕たちの主たる目的は、受け手との聴取可能なインターフェース (an audible user-interface) を持つことだ。」Ovalのリーダーであるマーカス・ポップが、以前に語っていた言葉通りのことを結実させた様な作品から一つ抜けて、“音楽” と “音のデザイン” として対比された思想が融和し、Ovalの “音楽” を鳴らしていた印象がある。第ニのデビュー作とも言われている所以
『音響メディア史』を読み進めていると、フランシス・バラウド ≪主人の声≫ 1898年が出てきたので、何となしにメモとともに描いてみた。
『音響メディア史』を読み進めていると、フランシス・バラウド ≪主人の声≫ 1898年が出てきたので、何となしにメモとともに描いてみた。ここに描かれている犬の Nipper (ニッパー) は、“亡くなった主人の声が蓄音機から聴こえてくると、そこに近づいていってラッパ状の再生管を覗き込んだという。” (p54) このように忠誠を誓った、あるいは親しみを覚えて人生の一部を共にしたものが亡くなり、その血肉や記憶の深いところに結びついた “声” を別のメディアを通して真摯に聴いている状
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