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神田街歩き 神田明神・男坂

「すべての坂道には意味があるんだ」。地理学徒だった私の恩師の言葉だ。

江戸・東京は時とともに海に向かって広がり、やがてビルは競うように空をめざした。しかしそんな東京にも人が住む以前の「土地の記憶」が随所に眠っている。

江戸三大祭の一つ「神田祭」で知られる神田明神は本郷台地の突端に鎮座する。そこは1万年前に終わった氷河期の名残である。息を切らして神田男坂を踏みしめる。大昔の海の岬を登るのはやはりハードだ。すべての坂道には意味がある。

渡抜貴史


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