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2.なんの役にもたたないものを描き続けて素に戻る

私は日々、なにかを描いている。

なんのテーマもない、無駄なもの。

百枚レベルではなく、千枚以上はある(あった)はず。


世の中の人たちの働きを見ると、

社会や誰の役にもたたず、

作品にもならず、

たまっていくだけの、

スケブやノート、紙切れに、
なにしてんだ私は?と、たまに思う。




ただ私は、
私の内がわにいられるこのときに、助けられてる。

大袈裟ではなく、この行為は
私の命づなだ。

描いていると、
めまぐるしい日々は止まり、
無音になる。


クレヨンを持たなかった頃に比べると明らかに、
私は、素(す)になった。


そうか。
なんだ、なんか……すごくいいな(笑)

高橋恵子

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