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日帰り熱海旅行記 前編 2023/06/03

6月3日(土)

前日からの大雨は全国的に被害をもたらし、朝から東海道新幹線は運転を見合わせ。静岡地区も運転見合わせ。横須賀線は保土ヶ谷の土砂崩れで上り線の総武横須賀線直通列車と湘南新宿ラインが東海道線に迂回。もう乱れまくりの一日。

休みなのに、いつも通り6時半頃に目が覚めた。やはりいつも通りの朝のルーティンをこなしていた。この雨はいつまで続くのかとNERV防災アプリの雨雲レーダーを開いてふと思った。
「これ今日旅行行けそうだな。」
雨は昼にはもう止んでいるはずだった。その時点で東京の雨は小康状態だったこともある。

6月。私の誕生月だ。
本来はまさに今日、高校の友人を連れて、私の誕生祝い企画のお出かけをする予定だった。しかし雨で文字通り企画は流れた。

思い立ったら行動は早い。
この雨のことだから、サフィール踊り子のキャンセルが出ているのではないか?そう思ってえきねっとアプリをすぐに開いた。
案の定、プレミアムグリーンの1席が空いていた。しかも、最前席が。
迷うことなくクレジットカードの番号を打ち込んで、予約を確定させた。

なるべくお金を節約したかったため、乗車は品川からにした。
サフィール踊り子のプレミアムグリーンの特急料金、グリーン料金は以下のようになっている。
東京~熱海 ¥6,160
品川~熱海 ¥4,000
2000円の差は大きい。この差額は無印踊り子でも発生するので、知っている人は得をします。

急いで朝の支度を整え、9時過ぎには家を出た。
痛恨だったのが、学割証明書を用意していなかったこと。我ながら急に決めたが故のミス。
そこで今回は乗車券代わりに「のんびりホリデーSuicaパス」を利用することにした。
このおトクなきっぷは、フリーエリア内の普通列車乗り放題、特急券やグリーン券を購入することで特急やグリーン車にも乗ることができる。東海道線は西は小田原までがエリア内なので、小田原~熱海間の運賃は別途必要になってしまうが、それが最善だと判断した。
普段の定期券情報の入ったモバイルSuicaには書き込めないと判明したので、新しく記名Suicaを発行してそこにのんびりホリデーSuicaパスの能力を付与。

時間に余裕を持っていたので、ひとまず新宿駅に向かって先ほど予約確定したきっぷを発券した。
東西自由通路のみどりの窓口はいつも以上に人が並んでいた気がした。
中央線で東京駅へ。
雨は既に止み、丸の内広場の濡れたアスファルトの上にはスーツケースを引っ張ったアジア人が大量にいた。

いつものように駅弁屋 祭でお弁当を購入。せっかく東海道線を走るのだから、と今回は大船軒の鯵と
小鯛の押し寿司(8貫入)を購入。レジではJREポイントのバーコードを提示し、Suicaで支払うことでポイントを貯めよう。

山手線外回りに乗って品川駅に向かう。
有楽町、新橋、浜松町、田町、高輪ゲートウェイ、ちょうど京浜東北線の電車と同じようなタイミングで走った。並走は面白い。
先頭の車両に乗って、前面展望を楽しもうとしたのはいつぶりだろうか。幼心を取り戻した気分。

品川駅に思ったよりも早く着いてしまった。
12番線で何本か列車を見送る。
途中でスペイン人のカップルが困った顔をしていたため、思い切って声をかけた。小田原に行きたいのだというから、熱海行きに乗ればよいと伝えた。ありがとうと言ってその後グリーン車に乗り込んで行ったが追加料金とかはしっかり払っているのかなと心配もした。でも声をかける間もなく扉が閉まって、見送るほかなくなってしまった。Japan Rail Passとか持ってたのだろうか。そういえばそれに関する知識ないなと思った。もしかしたら普通列車グリーン車乗り放題とかあるのかも(調べたらあることが分かりました)。

サフィール踊り子が入線した。
サフィール(Saphir)とはフランス語でサファイアのこと、伊豆の海と空をイメージしているそうだ。
到着まもなく扉を閉めて発車。かなり忙しなさそうである。
着席して思った。こんな凄い席をたかが大学生が使ってよいのだろうか。飛行機のファーストクラスかと疑うリクライニング付きの革張りのシート、全方位見渡せる前面展望。
表には出さないが興奮冷めやらぬ私を乗せて、サフィール踊り子1号は品川を去る。

「幸」の一文字。

横浜を出発すると熱海までノンストップ。
大船を通過した辺りでさきほどの押し寿司を堪能した。
鎌倉名物を鎌倉付近で。

1+1席のプレミアムグリーン車、今回は左側のB席だったため、太平洋を望むことは難しかった。
一方で全体的に座席は右に寄っているために、言わばどセンターの位置で展望を楽しむことができた。

途中根府川の手前くらいで非常停止をして遅延が発生したが、大きな事故なく熱海で下車することができた。
大雨もあり大変ななか、運行してくれたことに感謝。

実はお正月の帰省から東京に戻る際、熱海から通常のグリーン車に乗って帰京しているので、サフィール踊り子コンプリートには、これで残すところ個室グリーンとカフェテリアの2つになった。
大学の友人たちと下田に行く話をしているので、その時には個室グリーンを予約して、かつカフェテリアで作られる食事を相模湾を眺めながら優雅に楽しみたいものだ。

熱海駅の混雑はそれはそれは凄まじいものだった。みどりの窓口には長蛇の列、払い戻しの列なのだろうか。パンパンのリュックサックやスーツケースを携えた人々がゆっくりゆっくりと足を進めていた。

それを横目に平和商店街へ。初めてここを歩いた。
実は熱海にそんなに行ったことがない。
静岡県出身とはいえ西部に住んでいたし、静岡はとにかく東西に広く、熱海に行く機会というのは滅多にない。時間にもお金にも余裕がなければ行かない。
アクセスは東京からの方が圧倒的に良い。

練り物屋さんでチーズ棒、海鮮屋さんでアワビの串焼きをそれぞれ購入し、ベンチに腰かけて食べた。観光地価格とも言うべきかそれなりの値段がしたが、それを補う満足感は十分に感じた。
テレビやSNSでも見かけるスクエアシュークリームとフルーツサンドには手を出さなかったのが少し後悔している。

熱海という街は本当にすごい。温泉地として発展してきたところだが、駅の北側はすぐ山、南側はすぐ海という激狭なところを一生懸命開発して一大リゾート地としてその名を馳せている。
時の国鉄もすごい。背景は実際とは少し異なるが、元々箱根をぐるりと回っていた東海道線を、トンネルを掘りに掘って、山に囲まれた熱海を通るルートにしたのだ。



長くなったので後編に続く。

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