2018年川崎フロンターレ選手講評FW&監督編

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小林悠

昨年の得点王&MVP受賞の勢いそのままに今シーズンも大きな怪我もなくシーズンを乗り越えた。シーズン中PKを連続で失敗してしまったもののシーズン終わって蓋を開けてみれば日本人トップの15得点。同率で浦和の興梠と並んでいるものの悠は4アシストを記録(興梠は0アシスト)しているので実質Jリーグ日本人No.1ストライカーということにしておきましょう!
自慢の裏抜けを武器に今季も元気に得点を量産。相変わらずのファントムストライカーぶりだった。足元のテクニックに特段優れているわけではないがターンや切り返しなど基本的なテクニックをうまく駆使して相手を剥がしたり逆をついたりと、ゴール前でのプレーのバリエーションは年々豊富に。新生森保ジャパンにも招集され、憲剛同様に年齢を重ねていくたびに凄みが増している。なんだ、川崎フロンターレはアンチエイジング効果でもあるのか。
『年をとって得点がとれなくなったよぉ・・・』と悩み始める30代のストライカーのみなさん、ぜひフォワード再生工場こと川崎フロンターレにお電話を!

知念慶

おそらくチームで唯一のリーグ、天皇杯、ルヴァン、ACLの4つのコンペティションでゴールを記録した選手。
ビハインドの時間に途中出場してはゴールを決める逆境系ストライカーでなんと今季の10ゴールのうち6ゴールが相手にリードを許す展開からのゴール、もしくは同点弾というなんとも報われない選手である。
等々力で知念のゴールが決勝点になったことがないので来季は知念のゴールで勝利してあんたが大賞をとってもらいたい。
相変わらず、大自然で培った身体能力や強靭なフィジカルを使ったポストプレーの質や空中戦の強さには目を見張るものがあるが、昨年と比べ前線でのポジショニングやディフェンスラインとの駆け引きがかなり上達しており、そのどこかに大久保嘉人の片鱗を覗かせている。今季ブレイクしたと言っても過言ではないが来季はチームを勝たせる新たな川崎のエースとして覚醒なるか。
取材対応などは基本的に真面目だが、SNSに写る舌ぺろ知念からはチャラさが隠しきれていないことが度々ある。解団式でクラブスタッフのおばちゃんにバックハグをしていたが、それ、外でやるなよ。

吠える逆境系ストライカー。その熱い闘志は同郷の偉大なストライカー、我那覇和樹を彷彿とさせる。

赤崎秀平

今季最も出場時間が短かったであろう選手。鹿島、ガンバと言うまでもない名門を渡り歩いてきたストライカーも川崎ではほぼ全くと言っていいほど試合に絡めなかった。それほど川崎のサッカーは特殊で適応するのも難しいんだろうなと。
正直、こればかりはクラブの目指すサッカーと選手のプレースタイルが噛み合わなかっただけで、うち以外ならいくらでも輝ける素晴らしいフォワードだと思ってる。個人的に好きな選手だし、川崎で活躍してくれればそれはもう嬉しいんだけど、赤崎ほどの選手がベンチ外なのは本当に勿体無いので彼のキャリアのためにも移籍するのがベストなのかなと。
不遇のシーズンを過ごさせてしまって何と無く申し訳なくなった。
これからも赤崎のことはクラブがどうであれ応援する所存です。きばれ赤崎。

宮代大聖

最終節でベンチ入りし、「おっ?」と思わせたが結果そんな余裕なく試合が終わってしまった。世代別でもコンスタントに点をとっているので期待をしていいと思う。港区出身のパリピパワーで目指せ最年少得点王!!!

鬼木達

「鬼木たち」じゃなくて「とおる」です。俺も最初はてっきり鬼木さんがたくさんいるんだと思ったよ、ええ。
昨季見事優勝監督となり、2年目のシーズン、流石に監督業2年目で2連覇なんてそんな・・・1年目の優勝はラッキーパンチみたいなもので物事そんなにうまくいくわけないだろと思ったが、うまくいった。
風間大僧正から鬼木ボンバイエというマルセロビエルサからガットゥーゾくらいの温度差の変化だったがサッカーのスタイル自体に大きな変化はないが前任の風間に比べるとメンバーを固定せず試合ごとに柔軟に選手を入れ替えるし、交代の決断も早いし交代策の意図も非常に明確で好印象。下田、ラルフ、知念、長谷川ら若手もうまく使いながら育てて十分な戦力にできたし、地味と言われた補強もいまとなれば成功したといっていいのではないかと思う。プレー面では前年に引き続き球際でのデュエルやゲーゲンプレッシングを重視したインテンシティの高い守備とショートパスで崩しゴールネットを揺らす華麗なパスサッカーを軸に魅力的な攻撃サッカーを披露した。連覇の鍵となったのは先に挙げた新戦力、若手の台頭ともう1つ、前任の風間監督の「サッカーにおいてボールは1つだけだから自分たちがボールを保持し続ければ守備をする必要はない。」とかいう「相手」という攻略すべき対象を度外視したトンデモ理論から「サッカーだから相手にボールを取られちゃうのは仕方ないよね。じゃあ奪われたらすぐ取り返そうね」という発想の転換をしたことだと思います。相手陣内でポゼッションしてロストしたら近くにいる選手でゲーゲンプレッシングを敢行、そしてショートカウンターの流れは非常に美しく、カウンターの魅力に気づいた人も少なくないのでは。今季はこのゲーゲンプレッシングの精度とカウンターの質が向上。新たに攻撃の幅を広げ、今季獲得できなかったACL、カップ戦のタイトル獲得を目指す。来季も頼みます、鬼木監督。




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