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インタビューに向けての準備

慶子さん、こんにちは。
7回にわたる、英語コーチング、ありがとうございました。
そしてその結果、私は、有難いことに、次回のインタビューに向けて
英語の準備をしていかないとという段階です。
こんなことを話そう、というまとめができたあと
インタビューに向けてどのように準備をするのが効果的でしょうか。
シャードーイング
言い換えて、ブツブツ言って練習すること、など
思いつくことは試してみたりしていますが
お勧めの方法があれば、ぜひ教えてください。
今日も素敵な一日となりますように!

藍子 拝


漠然とした問いには答えようがない

あいちゃん、こんにちは!
「インタビューに向けてどのように準備をするのが効果的でしょうか」というご質問ですが、正直なところ私には答えようがありません。なぜなら、「あいちゃんが何を準備したいのか」私は全く知らないからです。このブログでの公開英語コーチングを通して、Vさんとのミーティングがとても上手くいきインタビュー動画を撮ることになったというお話は聞きました。でも私が知っているのは、それだけです。インタビューの内容も、目的も、誰に向けたものなのかも、形式も何も知りませんし、何よりもあいちゃんがそこで伝えたいことや、インタビューを前に何に不安を感じているかが分かりません。

ご質問にあるシャドーイングは、英語のリズムを身につけるなどの効果はあります。なので、やった方が良いことは確かです。ただ、今回のインタビューの準備として、一番効果的でオススメな方法なのかどうか、私には判断ができません。なぜなら、繰り返しになりますが、あいちゃんがインタビューで何をしたいのか、そのためにどんな準備がしたいのかを、私は全く知らないからです。


茂木健一郎さんが、質問力について書かれた著書の中で、脳科学の研究者に「朝何時ごろ勉強するのが脳にいいですか?」と聞いたとしたら、この質問はほぼ確実にスルーされるであろうという例えを次のように説明されています。

「何時ごろ勉強するのが一番いいのか」という質問を詳細に考えてみましょう。そもそも誰かにとっての「一番いい」はどのように決まるのでしょうか?
「勉強」というのも何を指すのか不明ですが、仮に、その人が聞きたいのが、「記憶する効率を上げるにはどうするのが一番いいのか」という意味だとしてみましょう。
科学的な実験で、記憶の効率を高めるためには、何時ごろに勉強して、何時ごろに眠るのがいいというデータがあったとしましょう。しかし、そのようなデータは、ほかの時間帯にやるよりも例えば10%程度効率が上がるというようなデータにすぎないものです。
自分の生活スタイルの中で、無理をしてでも、その時間帯にやるべきなのかどうかは、人によって違います。
無理をして朝8時からやって10%効率が良くなることよりも、夜の空き時間にやって、その分ほかのことを効率的にするほうが、全体的に見て価値が高くなることもあります。
データを真に受けて、その通りに実行することが正しいと思い込んでしまう人は、「他人に基準を求める人」です。
「朝やるのがいい」と聞いて、朝8時から勉強をして、実際に「いい大学」の入試に通ったとしても、その人の人生は、他人に従っていくだけかもしれません。 (茂木健一郎「最高の結果を引き出す質問力」河出書房新社)

これを読んだとき、私は納得しすぎて思わず笑ってしまいました。自分を脳科学を研究しているような立派な方々と並べるつもりは毛頭ありませんが、私も「英語」について似たような質問を受けることが良くあるからです。「いつ勉強するのが良いのか」という漠然とした問いには、その人の生活スタイルや「勉強」の定義、いま課題に感じていることなどの「答えを出すための前提」が何も示されていないんですよね。それでは、どんな素晴らしい脳科学者でも答えようがないだろうと思うのです。


「自分に必要な英語力」を身につけるためには

通訳という仕事をしているせいか「どうしたら英語がうまくなりますか?」という質問を受けることがあります。質問してもらえるのはとても嬉しいのですが、正直なところ困ってしまいます。前述の通り、その人自身の英語力や、英語を使って成し遂げたい事、具体的な悩みなどは何も説明のないまま、いきなり「どうしたら英語が上手くなりますか?」とか「良い勉強法があったら教えてください」などと聞かれても答えようがないんです。

殆ど初対面の方から、「外資系企業に就職したいので、英語面接のために『とりあえずこれだけやっておけば大丈夫』という勉強法を教えてください」なんて聞かれたこともありますが、「そんな方法があるなら私が知りたい!」・・・とマジメに思ってしまいました(笑)。

そういう質問をされる方は、全ての人に有効な「万能薬」みたいな英語学習法があると思っていらっしゃるようです。でも、残念ながらそんなものはありません。私は20年近く通訳の仕事をしていますが、今も毎日、試行錯誤しながら英語を学び続けています。そして、学んでも、学んでも知らないことばかりです。

実用的な「英語力」を身につけるには、「英語を使って成し遂げたい目的」について考えながら、必要と思われるスキルを身につける努力をする、そして実際に英語を使ってみて自分に足りないと感じるスキルを磨くための勉強やトレーニングをする、ということを繰り返すしかないのだと思います。その「足りないスキル」が語彙力なのか、読解力なのか、リスニング力なのか、発音なのかは、一人一人違います。そして、「自分に足りないスキル」は、自分の経験からしか分からないことも多いです。TOEICで満点を取ったから英語力は完璧というような単純な話ではないんです。

世の中には「これだけで英語力が身につく!」みたいな教材が溢れています。それは英語の勉強には有効かもしれませんが、「自分に必要な英語力」が本当に身につくとは私には思えません。そもそも、そういう教材を作る人が、ストーカーをして私の行動を観察し続けてでもいない限り、私が英語を使って成し遂げたいことや、そのために必要な英語力が「これだけ」って分かるわけないですよね?(いや、ストーカーでも分からないと思う・・・。)

「自分に必要な英語力」は、現状の英語スキルや目的に従って自分で見極めるしかないものだろうし、スキルや目的も変化するでしょうから、それに応じて「自分に必要な英語力」も変わり続けるのだと思います。(今回、あいちゃんも「Vさんと英語でミーティングをする」というところから、「英語でインタビュー動画を撮る」と目的が変化していますよね)。

アドバイスもときには有効ですが、まずは自分で考えてみるという一手間をかけないで他者に答えを求めていると、「これだけやれば大丈夫!」というような教材を渡り歩く「英語難民」への道へまっしぐらになってしまうと思うのです💦

という訳で、「インタビューに向けてどのように準備をするのが効果的でしょうか」という質問に答えるとしたら、「とりあえず何でもやってみたら良いのではないでしょうか」ということしか言えません。曖昧な問いには曖昧な答えしか返せないんです。ごめんなさい。

「インタビューで何をしたいのか、そのためにどんな準備をすべきだと思うのか」などを、このブログで一緒にやった英語コーチングのステップなども参考にあいちゃんが自分で考えてみた上で、具体的な悩みや相談事が出てきたら是非また質問してください(質問のお答えになっていなくてごめんなさい)。

インタビューが上手くいくことを祈っています!

慶子


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