美術モデルという仕事

美術モデルという仕事は、もちろんひとによって考え方はさまざまだと思うけれど、その人がその人自身に還っていくのが重要なことだと思っている。

その人の造形、思想、生活、それに向かっていくことが、ただそれだけが必要なことだと思う。

私ではない誰か、自分というものを塗りつぶし、
張り替えを目指したら途端にいびつになる。

私は私にしかなれないし、それだけがそれこそが美しい姿だ。

それはつまり生きるということだ。

私として生きることが常に試されている。
美術モデルとしての仕事がまったくできない状態で
考え尽くさねばならない。

頭を固まらせて、かしこまってではなく
日々のうつろいの中にただひとついつもかわらず存在するたゆたうものをたぐりよせて。

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