秋茜

　空が高くなったね

　秋桜が風に揺れて
　秋茜が舞い飛んでいるよ

　季節のせいかな
　キミがくれた言葉を思い出してるよ

「苦しい時こそなんでもない話をしたい」

　これまでどれほどの悲しみを
　引き受けてきたんだろう

　何もしてあげられないことを
　責める事すらしないで
　支える事ばかり考えて

　たくさん話そうねって言ったよね
　けんかもしようねって言ったよね

　だから
　なんでもない話をするよ
　退屈でつまらない話だよ
　平凡な日々が思い出になるように

「いつか忘れられちゃうのかな」

　自信はないんだよ
　いつか何もかも
　忘れてしまう日が来るだろうから
　でも
　キミはもうボクの中で生きてるよ
　だからきっといつも一緒にいられるよ

　なんでもない話をしようよ

　平凡でありきたりな日々が
　幸せな思い出になるように

　野も山も秋色に染まるよ
　いつか自由になれたら
　一緒に秋茜の背に掴まって
　高い空から眺めよう

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… ART 頼風 …