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思考作後

クリエイターと作品

 noteも明日で丸5ヶ月ということになるでしょうか。6ヶ月目に突入と言うことになります。
 早いですね。
 当初、検索機能がないことやカテゴリー別の分類がないことなど気になることもあったかと思います。ところが、今や大手検索エンジンで検索すると画像やテキストは困惑してしまう程ヒットします。これまで無料公開してから有料に切り替えたりしていましたが、無料公開した時点で検索エンジンにキャッシュされてしまうようです。すると、noteで有料に切り替えても検索エンジンにキャッシュされている間はずっと無料と言うことになってしまいます。
 つまり、有料にする予定があるのなら始めから非公開にする必要があるわけです。

 検索エンジンにキャッシュされてしまうことは著作権の問題もあります。

 noteでの活動に関しては利用規約に明記されているので、著作権は制作者にあり無断複製や転載などの行為には一定の歯止めがかけられていると思います。違反すれば、noteを利用する上でのペナルティがあるでしょう。無論、これはnoteの外でも法律によって保護されているはずです。しかし、Webに国境は関係ないわけで、日本の国内法は海外に通用しません。国によって考え方や習慣も違います。実際問題、日本国内であってもWeb上に公開されているものは自由に利用出来ると認識している人は少なくないわけです。バレなければペナルティもありません。

 最近、クールジャパンと称して漫画やアニメなどのコンテンツ産業を推進し、保護しようとする動きが活発化しています。推進は歓迎すべきことですが、保護に関しては異論もあるようです。これまで日本のコンテンツ産業を普及する為に海賊版や海賊サイトが一役買って来たからだということです。それを締め出すことにより成長の足かせになったり、ダメージを被ると言う懸念があるわけです。以前書いた随想「天使と悪魔」には、一部にその辺りの比喩も込めています。

 作品は作者の手を離れると独り歩きを始めると言うことを憶えておかなくてはならないでしょう。

 ボク自身も無断複製・転載で嫌な想いをしたことがあります。海外の方だったのですが、ダウンロードした上で2度に渡ってご自分のページに転載されていました。お気に入りするだけで共有出来るので真意が解りません。思案した挙げ句「複製しないで下さい」というコメントを残すに留まりました。
 ところが、同時期に別の方から別の作品に関して「広告利用にあなたの写真を使わせて欲しい」とメールをいただきました。やっぱり海外の方でした。その件に関してボクは快諾しています。
 両者の違いは「許諾」だけです。
 今にして思えば、無断複製・転載した方にどうして言えなかったのだろうと思います。
「これからも応援よろしくお願いします。」
 その方の更新は止まったままです。
 海外の方と言うことや転載と言う事実に気が動転していたとは言え、ボクの出方で違う未来があったかも知れません。 

 たとえば、パロディや模写が認知されるきっかけになることもあるわけです。二次創作も該当するでしょうか。この場合、許可を取ってやる人はいるでしょうか?
 どこまで理解を示すか…と言う判断は難しいですね。
 制作者側としては、不愉快でなければある程度黙認することになるのではないかと思います。
 好きだった作家の方が著作権を巡って問題になったことがありました。ファンとしてとても残念で作品への想いの置き場に困ってしまいました。地方の絵画コンクールでその方に賞をいただいたことがあり、個人的に思い入れも強かったのです。

 作品には必ず作者が存在しています。
 その作者に対して「敬意をはらっているか」「作品を不当に扱っていないか」が根底にあるように思います。
 実は法律以前の問題なんです。
 他所のお宅の軒先に飾っている鉢植えを持ち去って自宅に飾るのはおかしいですよね。畑のものを無断で持ち帰り売ったり食べたりするとなったら言語道断となります。

「二次創作物・二次著作物」等の作品を目にする機会が多いので線引きが非常に難しいのですが、誰もがその行為を認めているわけではないと言うことを忘れてはいけないと思います。

 最近の大手SNSは容易に複製ができないような工夫が施されているようです。たぶん、その気になれば何らかの手だてはあるわけですが、気軽に複製するのが難しければ、軽い気持ちの複製は防げることになります。

 一方でクリエイターサイドには、提供するならクオリティの高いものを提供したいと言う想いがあります。
 noteでは、画像データが自動圧縮されデータとしてのクオリティが下がります。それでは高品質の素材としての提供や高品質な作品を鑑賞して欲しいという想いは届けられない気がします。
 ただし、オリジナルの複製を防止することに一役買っていると考えることもできます。クリエイターがnoteで売ることができるのは、データとしてのクオリティではないとも考えられるでしょうか。

 著作権に関しては厳密なコトを言ってしまえば、様々な問題が浮き彫りになるでしょう。場合によってそれを明らかにすることも必要かも知れませんが、お互いの得になるとは考えにくい気がしています。

 純粋に作品を楽しんで欲しいとの想いからサインやURLを記載することを躊躇っていましたが、noteで公開する作品に関してはボクなりに色々考えて現在は有料・無料問わず画像にURLを記載しています。
 考えてみると絵画にサインはつきものです。作品の一部と考えてもいいかも知れません。

 著作権は放棄していないので無断複製や転載等はご遠慮いただくわけですが、トラブルを避ける為にも出所を明記すべきと考えるようになりました。

 真似なくても似てしまうことは多々あります。制作者側は誰かの作品と被っているのではないかという危機感は持っている必要があるでしょう。今日のコンテンツ産業は諸先輩方や先人の方によって築かれて来たものであり、少なからず刺激や影響を受けて来ています。そして、作品を楽しんで下さる多くの方々の支持によって成立しています。

著作権という刃

 以上、飽くまでもボク個人が経験上考えたことを綴ってみました。
 なお、制作者それぞれに考え方が異なります。創作物の取り扱いにご理解いただきますようお願いいたします。

 心のどこかに留めていただければ幸いです。

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