見出し画像

継続開催からみえてきた、アートワーカーの雇用や育成の課題に向けたキーファクター

こんにちは、ART JOB FAIR(AJF)主催者のartnessの高山健太郎です。

2024年1月27日、28日に「ART JOB FAIR 2024」を開催してから3ヶ月が経ち、仕事が見つかったというアートワーカーや、人が見つかったという文化芸術団体から嬉しい連絡が増えています。

新年度がスタートし、新しい船出をはじめた人もいると思います。また、次の船出にむけた準備をはじめた人もいると思います。今日からのゴールデンウィークは、お仕事の方もいれば、新たな仕事になれるため自己研鑽にいそしんでいる方もいると思います。

私といえば、教育機関から「ART JOB FAIR」の講演をしてほしいとの依頼があり、プレゼン資料の更新にいそしんでいます。

さて今日の投稿は、第2回目となった「ART JOB FAIR 2024」のクロージングレポートの総括が巻末にあり、読まれずらいため、この場所であらためて、ポストさせていただきます。(読みやすいように一部修正を加えました)

良いゴールデンウィークをお過ごしください!

継続開催からみえてきた、アートワーカーの雇用や育成の課題に向けたキーファクター

2024/1/27(土)1/28(日)に「ART JOB FAIR 2024」を開催しました。
コロナ禍によってあらわになったアートワーカーの雇用や育成の課題に対して立ち上げたART JOB FAIR(以下AJF)は、初回(AJF2023)の結果から継続開催に向け、以下の3つのミッションを策定しました。

 継続開催のミッション
1)ひとりの仕事探しを、みんなの仕事探しに
2)1団体の採用活動を、みんなの採用活動に
3)オープンなジョブマッチングの継続で労働条件を引き上げる

AJF 2024の報告書の結びとして、上記のミッションに沿って、開催を振り返ります。

AJF 2024 会場の様子

仕事探しは、職種探し

初回(AJF2023)の結果から「アートの仕事や仲間に出会える、みんなの仕事探しの場」をミッションに掲げ、雇用者と求職者の出会いの場に加えて、アーツカウンシル東京さんの協力によって、新たに相談コーナーと談話コーナーを設けました。

利用した就活中の学生の方からは「デザインの仕事に就きたいと思っていたが、わかりやすく伝えたいという動機から、広報の仕事も可能性があると教えていただき、視野が広くなった」という声を頂きました。

最近では企業を選ぶより職種を選ぶように就職先選びが変化したと聞きます。これまで文化芸術界に特化したジョブフェアがなかったように、誰でも参加できる開かれたキャリア相談の機会はなかったと思います。

思い返すと私自身も20年前に偶然アートマネージメントの仕事に関わる方に、その職種を教えていただいたことが仕事に就くきっかけでした。

仕事探しは職種探しでもあることを改めて実感し、次回もキャリア相談を含む相談や談話の場を設けたいと考えています。

アーツカウンシル東京さんの協力によって、新たに相談コーナーと談話コーナーを設けました


採用活動の習慣を広げていくために


費用や労力の面で採用活動に力をかけずらい文化芸術界の実態があり、多くの団体が集まり共に採用活動を行う、新たな採用活動の習慣を根付かせたいと初回(AJF2023)の総括で掲げました。

AJF2024では、初回には出来なかったライトな参加形態としてポスター出展を取り入れました。その結果6団体が増え16団体が参加し、リピートして出展いただく団体もありました。

しかし採用活動の習慣を根付かせるための課題も見えてきました。一つには全国の文化芸術団体にまだ認知が広がっていないことです。そして年に1度のAJFと文化芸術団体の採用スケジュールとがあわないという意見もいただきました。広報の強化のみならず、オンライン開催や複数回の開催なども検討していきたいと考えています。

初回には出来なかったライトな参加形態としてポスター出展を取り入れました


取引関係の適正化から労働条件を引き上げる


初回(AJF2023)結果から、文化芸術界の労働条件や労働環境の底上げにあたり、求人情報をオープンにし、誰でも参加できる透明性の高い場を継続することで、魅力的な条件や職種に注目や関心が集まり、労働条件が引き上がるメカニズムが生まれると掲げました。

今回のトークセッションでは、労働条件の引き上げのためには、取引先との適正な関係づくりが重要であるというお話がありました。

アトリエ系設計会社は7年前から取引先に設計料の見直しなどの適正化を求め、少しずつ労働条件が改善し、慢性的な人手不足が解消に向かっているというお話がありました。文化芸術界における商慣行や取引関係の適正化に向けて、AJFでも文化芸術団体のコンセンサスの醸成を図っていきたいと考えるようになりました。

文化芸術界の働きがいや、働きやすさについて考えるトークイベントの様子



アートワーカーの雇用や育成の課題に対して立ち上げたAJFは、2度のクラファンを行い、これまで2回開催してきました。結果、来場者、出展者、協賛会社が少しずつ増え、継続開催が可能になる目処が見え、クラファンを卒業する決意を固めました。また継続開催からアートワーカーの雇用や育成の課題に向けたキーファクターが見えてきました。

3回目に向けて、今回の総括を活かし準備を進めたいと考えています。
今後もAJFにご協力をいただけますよう何卒よろしくお願い申し上げます。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?