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世田谷公園紙芝居6/20「ハーメルンの笛吹き」

6月13日と20日、世田谷公園紙芝居は、「長靴をはいた猫」「ハーメルンの笛吹き」「嵐の海の幽霊」の3本。

「長靴をはいた猫」は、とてもおなじみの有名なお話ですが、これがなかなかむずかしい。猫がいろいろ嘘をつき続けて、最後にはお姫様と結婚してしまう。フランスのエスプリ、みたいなお話は、幼稚園ぐらいの子供たちには、なかなか理解できない部分があります。テンポよくスピーディにお話を展開させつつ、猫のしゃべっていることが全部嘘であることも、その嘘がどんどん「粉屋の息子」を幸せにしていくことも、わかりやすくフォローしていかないといけない。でも、フォローがしつこすぎると展開が滞ってリズムが悪くなって子供たちが飽きてしまう。本当にむずかしい演目で、近年ぜんぜん取り上げていなかったのですが、あらためて上演してみて、こういう作品に取り組んでいくことが、上演全体の質を上げることにつながる、ということを再発見しました。
音楽はストラヴィンスキーの「兵士の物語」と「プルチネラ」このお話の軽くシニカルな感じにぴったりで、気に入ってます。

「ハーメルンの笛吹き」も有名なお話。紙芝居では珍しい「バッドエンド」であります。このお話では、笛吹の笛の響きと、ネズミが川に飛びこんだり、子供たちが連れ去られていくことの因果関係を子供たちに理解してもらうのが、けっこうむずかしいのです。笛吹の笛には、なぜそんな魔法の力があるのか、大人でも理解できませんから、それを「不思議」のまま子供たちに理解してもらうのは、ハードル高いです。わかってもらえたかなぁ、と今でも思ってます。
音楽はオリジナル、紙芝居の絵では、笛吹の吹いているのが横笛ではなく縦笛なので、笛の音はフルートではなく、オーボエにしました。オーボエの方が、ちょっとアンニュイなあやしい感じが出る、と思います。

最後は「嵐の海の幽霊」小泉八雲です。諸橋精行の迫力ある絵で、子供たちの大好きな「怖い話」とくれば、これは鉄板でうける演目。最初のふたつがむずかしかったので、ここでひと安心して上演できます。子供たちには、恐ろしい幽霊が実は主人公を助けてくれた、という因果関係は理解できないかもしれませんが、そこまできちんと説明すると完全にリズムが悪くなるので、ここは流してます。
音楽はオリジナル、旧型のソフトで作ったものですが、それでも十分迫力は出ますね、逆にソフトの性能に頼ると、迫力なくなるのかもしれません。

来週は、もっと楽な演目にしよう、と思いました!!

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