トランプの大型減税、フランス大統領選、中近東情勢、北朝鮮問題

さて、第一回目であるが、タイトルの通り色々ごった煮ではあるものの書いていこうと思う。


トランプ関連

トランプ大統領は「来週水曜日(26日)に税制改革に関する重大な発表をするつもりだ」と語り、大型減税を柱とする大統領案を公表する方針を明らかにしている。

しかし、実際には財務省内で、税制関連の規制や金融規制などを見直す準備を指示する3本の大統領令に署名しただけである。

 だいたい減税など財政政策は連邦議会の専権事項で、大統領は「予算教書」

を提出して議会と折衝し予算を「認めてもらう」だけで、「大型減税だ!」と

息巻いても何の効力も無いのが正直なところだ。

 そもそもトランプ政権では、財政の各問題を議会と折衝するにもその体制が

全く整っておらず、本来は電話帳くらいの厚さになる「予算教書」も「国防費

を増やしてメキシコの壁も作る」とした1頁ほどの内容を議会に「伝えた」だ

けである。

 これはオバマの責任なのだが、そもそも米国の財政政策は債務上限の引き上げも含めて2015年11月2日から放置したままであり、連邦債務はその上限の18兆1000億ドルをすでに2兆ドルもオーバーしたままである。さらにすでに半分以上が経過している2017年会計年度(2016年10月~2017年9月)の暫定予算の見直しも4月末が期限のはずなのだ。

 つまり「大型減税を含む税制改革」など全く実現不可能で、あまり期待しな

い方がいいだろう。

 それより、米国長期金利(10年国債利回り)が2.2%前後まで低下したまま

であり、これは10年国債利回りは大統領選直前の1.8%弱から短期間で2.6%まで上昇し、ちょうどその「半値戻し」の水準です。

 これはトランプの経済政策への期待感が盛り上がったところから、過剰分と

して半分が剥げ落ちたものの、まだ半分くらいは期待感が残っていることを意味する。その間のNYダウはまだ半分も調整しておらず、ドルは対円でみると半分を少しこえる調整となっている。 ただ確実と思われていた6月の利上げ確率は50%を割り込んでおり、それがNYダウをさらに上昇させ、ドルを(た下落させることになりそうだ。

 つまりトランプの経済政策に対する期待がすべて剥げ落ちても、少なくとも

利上げ予想は後退するため、NYダウは大統領選直前の17888ドル(昨年11月4日)を大きく上回ったままであるはずであろう。

 利上げ予想の後退は金融株のダメージとなるはずだが、最大手のJPモルガ

ンの株価は大統領選前(昨年11月4日)の67.76ドルから3月1日には93.60ドルまで上昇し、先週末(4月21日)はすでに84.52ドルと高値から9.7%下落している。

 またゴールドマンサックスの株価も昨年11月4日の175.92ドルから3月3日には252.89ドルまで上昇し、先週末は216.86ドルまで高値から14.2%も下落している。

 NYダウは史上最高値となった3月1日の21115ドルから、先週末の20547ドルまで2.7%の下落でしかないため、もう金融株は十分すぎるほど調整していると考えられる。

 つまりトランプ大統領の大型減税が絵空事でも何でも、NYダウの調整はほとんど終わっていると言えそうだ。そして少なくとも日経平均にとってもプラス材料となるだろう。。

フランス大統領選

 幸か不幸か、昨年6月のEU離脱を巡る英国の国民投票も、昨年11月の米国大統領選も、予想外の結果が出た瞬間に開いていたのが日本などアジア市場だけだったため、円相場や日経平均がモロに過剰反応してしまった。

 第1回投票でともにEU離脱を掲げる極右のルペンと急進左派のメランションが第2回投票に残ってしまったときだけ、またまたアジア市場が「イベント」に過剰反応することになるが、4月24日早朝には早々とマクロンとルペンが第2回投票に残ることが確定的となり、東京市場でも円安・株高となっている。

 第2回投票では早くもマクロン優勢と予想されており、これでフランスもEU

を離脱してしまう可能性はなくなったと考えられているようだ。

 


中東情勢

4月6日未明に、米海軍がシリアのアサド政権の軍事施設に59発のミサイルを撃ち込んだものの、そこから全面戦争になるわけでもなく、米国とロシア間の緊張がやや高まったもののさらに緊迫化するわけでもなんでもない。

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