今年の「流行色」は、誰がどこで決めているのか？
色んなメディアで取り上げられる「今年の流行色」。
ファッション誌なんかでも、シーズンが始まるだいぶ前から流行色を扱い始めますよね。
それっていったい誰が言ってるの？なんて思ったことはないでしょうか。
実は、「流行色」は、ある場所で決められているんです。
こんにちは。
Artist_Saika事務局 中の人です。
２年前に作られる流行
世界のトレンド色
その場その場で起こる自然発生的な流行に任せると、何が流行るかわかりません。そうなると、アパレル業界は準備が間に合いません。
そこで、賢い人が考えたんでしょうね。「今年の流行色はこれだ！」と業界全体で決めてしまえば、世間はそう動く、となったのでしょう。
世界的な機関に「国際流行色委員会（インターカラー：International Commission for Color）」というものがあります。国際間で流行色を選定する機関です。
ここで、２年前に流行色は決められます。
２年後の世界を見据えて、世相を読み、それにふさわしい色を「流行色」と決めるわけです。つまり、流行色は「流行っている色」というより「作られた流行色」と言って差し支えないでしょう。
シーズン１年半前に情報発信
２年前に決められた流行色は、１年半前に展示会などで情報発信されます。そこから、世界各地のオートクチュールコレクション、プレたピルてコレクションで商品として発表され、世界に広がっていきます。
日本ではこれらの情報をもとに、JAFCAという機関が精査し日本における最先端のカラートレンド「JAFCAファッションカラー」を選定します。
各メーカー、メディアはこれらで決められたトレンドカラーをこぞって盛り立てた結果、消費者である私たちはそのトレンドカラーを受入れるような形で、流行が作られて行きます。
欲望は模倣
隣の人が買っていると……
少し話は変わりますが、新幹線などで車内販売の物品が売れるタイミングってどんなときかご存知ですか？近くの席の人が何かを買ったタイミングなんだそうです。近所に座る人がコーヒーを買うと、自分も買いたくなってくる。
ある心理学者は、人の欲望の多くは模倣、つまり隣人の真似だ、という人さえいるくらいです。
トレンドカラーが出来上がる過程も、そういった周囲の人たちの様子が目に入ることで、自分も……なんてことになるのかもしれませんね。
トレンドカラーの第一人者になる方法
さて、ファッション・リーダーを自認する方にとってはそんなトレンドカラーはいち早く把握しておきたいもの。そのシンプルな方法は、やはり、元ネタを辿ることでしょうか。
たとえば、JAFCAのWEBサイトには、流行色が表示されています。
この記事執筆の2023年3月時点では、同年4月に開催される「2024年春夏カラートレンド分析」なるセミナー案内がありました。（会員対象）
また、2023年のカラートレンドとしては、レディス2023年春夏、メンズ2023年春夏、プロダクツ&インテリアカラー2023年春夏の内容がアップされています。ときおり見に行くと参考になるかもしれませんね。
ちなみに、レディス2023年春夏は…
カラーテーマNow=Future ナウ＝フューチャー／今＝未来
カラーグループの特徴として以下のような紹介が、カラー画像とともに紹介されていました。
1.Trance Realトランス・リアル
安心して使える、材質感があり手触りを感じさせるリアルな色が求められる。土のような濃く深いブラウンとホワイトに注目。今自分が踏みしめている地面は地球であり、宇宙とつながっている。このように視点を変えると様々なリアルが見えてくる。
2.Magic Hourマジック・アワー
日没前と日の出後の薄明りの時、空が魔法の色に染まり、まるで別の世界への扉が開いたような神秘的なグラデーションが現れる。価値観の違いも、文化の違いも、全てを包み込む優しく淡いグラデーション。
3.Advance Ecologyアドバンス・エコロジー
義務感に背中を押されていたエコ意識は、いつの間にか積極的に楽しむものとなってきた。ヘルシー、心の充足感を表す色としてグリーンが欠かせない。
4.Luminous Gardenルミナス・ガーデン
コロナ禍の反動から、インターナショナルでは鮮やかな色の提案が続いているが、長期にわたるコロナ禍により強い色を正面から受け止める力が削がれているため、透明感を持たせて少し和らいだ印象にし、気軽でハッピーな感覚を持たせたい。
くわしくは、JAFCAのWEBサイトをご参照ください。
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