見出し画像

東京電力のでんこちゃんは風俗で、その、している!

東京電力のでんこちゃんは、男好きのする体で、人妻で、しかもリストラ中の、淫乱である。でんこは、毎日毎日そのスケベな体にエネルギーを充填させ、くらしテプコしているに違いない。でんこの、風俗歴は35年前、昭和47年にまで遡る。でんこは、実に15年も前から、というのは、東京電力に就職する15年も前から、歌舞伎町で、山谷で、寿町で、春を売る、厚顔無恥の、私の精液を、骨髄までチュルチュルと搾取する、すなわち顔面女性器であった!

あの決定的な拓銀破綻から15年、私は、北海道拓殖銀行々員時代に、ペットボトルに溜めた、精液の、冷蔵庫にしまってあった、すっかり黒ずんだやつを、眺めながら、でんこを、舐め尽くすことを決定した。でんこの夫は分電盤である。しかし、今は、毎日謝罪に、追われて、すっかり、折れた分電盤だ。私はその、赤錆びた割れ目を、舐めながら、微かにでんこの、サビキ釣りで撒くアミエビの、コマセのような、甲殻類の腐ったようなマン汁の、においと味を認め、静かに、心のタービンを回した。北陸三県出身の女性の、約9割も、女性器からこの匂いをさせている、と、経験上知悉するが、北陸電力管内は、60Hzのため、舐めると私は、故障してしまう。私が、故障しないのであるから、これは間違いなく、でんこの、50Hzのバルトリン氏線液である。勃起した、私の制御棒から、黄変した冷却水を放出すると、興奮のあまり既に膀胱に、メルトスルーしていた前立腺液が、後から後からねばねばと出て来た。でんこ由来の、有機物が、まだ、完全に分解されずに、残存している、でんこは近くにいる──

「くさいものを舐めなさい──」祖母は、ビルマで従軍していた看護婦であったが、日々そのように、幼い私に、申し付けていた。それは、ビルマで玉砕した乃木大将のゾンビが、最後の出陣の際に、言い残した言葉であったということを、私は、流行コミックの卍東京卍リベンジャーズ卍で知った。私が舐めるくさいものは、卍字ではなく、でんこのマンコであるのだが、それはただ、人類文明が徒花に咲かせた言葉遊びのひとひらに過ぎない。私は、はたと目覚めて電車を降りた。京浜東北線の蒲田駅だった。

蒲田駅界隈を少し、路地の方へくねくねと潜り込んで行くと、でんことそっくりの膣のにおいのする、五十がらみの売春婦が、公園で露出性交することを条件に、タダマンさせてくれるのである。私たち拓銀行員はそれを「愛のむきだし」と呼んでいたが、まさか、それが後年、映画化されるとは、思っていなかった。コレダ監督だか、コリーダ監督だかという、映画の監督が、アルデンヌで映画賞を獲ったらしいが、おそらく、その映画監督が、撮ったのだろう。私の知らないことは、すべて、私の知っていることで出来ていたから。

公園では相変わらず、段ボール造りの売春宿が盛況だった。あの頃から、何もかも変わってしまい、ZARDのボーカルも、白血病で、白骨になってしまったが、ここだけは変わっていない。私は、平成ポップの残り香のする精液を、ペットボトルから、開け放ち地面に撒いた。すると、幾人ものでんこが、懐かしそうに、首を出していた。首から下は無かった。おるちゅばんエビちゅでちゅう。しまった。このままでは──

画像1

突如現れた発泡スチロールのパックの中から、ベトナム人の遣り手ババアが私に話し掛けて来た。

「La terre est sur le point de sortir de mon anus, pouvez-vous parier la vie de votre fille?」

でんこの魅力の真髄は生活に疲れただらしない肢体にある。首だけの、でんこは、私の趣味ではなかったのだが、目を、付けられてしまった以上、私は、言われた通りに夏目漱石を、2枚払って中に入った。すえた臭いの青空売春宿。苔むしたジジイのねぐらとの間が、濡れたダンボールで、ピンサロよりも粗末に区分けされていた。


「ご飯にする?お風呂にする?それとも本番行為?」


首だけのでんこは義務的な愛想を使いながら手慣れた様子で私のネクタイの先を舐めた。首だけの女に本番行為も何もあるものか。そもそも私は本番行為という名称が嫌いだ。何が本番だ。私は本番行為をしたことが無い。してみると私の人生は、なにもかもが本番行為以外の営為で出来ている、まるきりの茶番、まるきりの前戯の人生ではないか。まるきりのうそっぱち、まるきりのやけっぱち、丸搾りのオレンジ──不意に喉の渇きを覚えた私はでんこの頭を握り潰し、夏蜜柑をそうするように口をつけて汁を啜った。これは、レモンの匂いですか?この野郎、チロチロ……私は夢心地で彼女の汁を舐め続けた。確かにアミエビのくさい味だった。夢ならばどれほど良かったでしょう、私は警察を呼ばれていた。異音を聞いて遣り手ババアが呼んだのだ。

「Bien sûr, la Dame de la Fortune est une pute, mais elle n'a pas plus de pitié pour un homme qui a pitié de lui-même!」

遣り手ババアは私の首根っこをひっつかんで警官の許へと引き摺って行く。ものすごい力だ。これだけの力があればアメリカにも勝てる筈だ。私は後ろ手に手錠を填められ売春宿の間を引き回された。至極念入りに、二度引き回された。生きること自体がそもそも売春そのものである、と三浦じゅんが実話ナックルズで語っていたのを私は覚えている。(おまえらはみんな売春婦じゃないか、天皇も、エリザベス女王も、カストロも、みんなみんな売春婦ではないか。みんなみんな売春婦ではないか!)

「みんな非タダのマンじゃないか!!!!!!!!!」

心の叫びがつい口をついて出てしまうと警官は私を即時射殺した。国家機密漏洩の現行犯逮捕即処刑だった。私がこうして射殺されるのは二度目、あの拓銀破綻の日以来だった。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?