新しい学校のリーダーズライブ スリーマンライブ その1

 2022年3月25日、金曜日。大阪梅田のクラブクアトロに僕はいた。


 新しい学校のリーダーズ × Klang Ruler × Grace Aimiによる3マンライブ『WELCOME NEW STANDARD』を見に来た。昼間は仁徳天皇陵などの世界遺産を巡ってきたが、この夜のライブも世界遺産級のライブであったというと少し単語が陳腐すぎるかもしれない。だがそれくらい価値のあるライブだった。

 最初にGrace Aimiのライブの後、次が新しい学校のリーダーズの出番であった。いつものチャイムが鳴った後、Pineapple Kryptoniteの曲に乗って歩いてステージに入場する四人。そのまま曲が始まった。この曲が最初なのは前回のワンマンと同じだ。挨拶代わりの一発だ。殴り、倒し、起き上がり、不穏な金属音が鳴り響き、いつ反逆ののろしが上がるのかと期待する。殺伐とした世界が展開するが、ハイヤハイヤと起伏も激しい。途中MIZYUが逆立ちするのだが、その姿を、顔を、真正面からばっちりと拝めることができるなんてそうそうない。最前列の真正面に立つことのできた選ばれし者のみが拝められるご尊顔。ありがたやありがたや。
 

 そして最後、四人全員が倒れこんでしまうと…、そこから最終人類のイントロが流れる! 地べたに倒れこんでいた彼女らは背中からズズズとブリッジで起き上がり見事に蘇生する。これぞまさしく最終人類!
 激しいダンス、組体操、馬飛び、ズチャズチャズのビートがご機嫌で場内は大盛り上がりで思わず声が出る。手拍子に合わせてSUZUKAのボーカルが伸びやかだ。MIZYU、RIN、KANONの舞いも実に見事。観客もノリノリだ。楽曲の後半、SUZUKAの「シンフォニーを!」からの畳みかけるラストまでのパフォーマンスが実に圧巻! 曲も、歌詞も、振り付けも、何もかもが最終系へと進化している。最後は四人がそれぞれ手取り足取り複雑なポーズでフィニッシュ。マーベラス! 

 いつものMC。いつもの挨拶。「礼」のところで笑いが起きたのはそれだけ新しいファンが増えたということか。大阪の客のノリがいいからSUZUKAもノリノリなのだが、そこに加えて最前列の観客がスケッチブックにメッセージを書いてきていた。それを見つけたMIZYUが、「ねえねえ、ここにカンペ持ってきている人がいるから読むよ。SUZUKA、おかえりなさい!」盛り上がる観客。ノリノリのSUZUKA。「いやー、こういうの今までなかったよな。めっちゃ嬉しいわー!」とご機嫌。考えてみればライブハウスでは声が届いていたから、うちわに「〇〇ラブ!」なんて掲げなくとも思いが伝わっていたのだが、このご時世では声を出すのははばかられるから、このように文字にして思いのたけを伝えるのもいいアクションだと感心した。

 MCも早々に、SUZUKAが「なんかファンタスティックなことがしたいなあ…」と分かりやすく前振りをして、3曲目はファンタスティコ。響く重低音のビート。SUZUKAのボーカルは少しキーを下げたようだ。声が出ている。MIZYUたち高音との対比が面白い。曲は単調だが内容で魅せる。最後SUZUKAが「ナイスですねー」となぜか村西とおる。中盤戦に続く。

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