新しい学校のリーダーズ配信ライブ考 その1

 新しい学校のリーダーズの6/21のライブ配信。今まで余り満足のいく配信を見ていなかっただけに衝撃的であった。回線の遅れや途切れが少なく非常にスムーズな上、画質もHDレベルの綺麗な映像であった。
 また、カメラワークも想像以上であった。てっきり固定カメラによるステージの引きの画だけだと思っていたが全く違っていた。複数のカメラが駆使されていたがそれはまた後述するとしてライブの話をしよう。

 いつも通りのチャイムが鳴り、四人が登場する。出囃子で組体操。流れるような組体操が連続し、今までにない期待感が高まる。滑らかだ。彼女たちの動きが滑らかで、映像もストレスなく滑らかに彼女たちを映し出している。ポーズが決まったところで早速一曲目。

 1.最終人類 何度となく見た最終人類であるが、それはステージの前方からだけである。運よく最前列を取れれば全員の動きが見られるが、普通のライブでは全景を把握することは難しい。だが今回のライブは複数台のカメラにより、正面、横、個人のアップ、クレーン、ドローンと多彩なカメラワークで魅せる。三人の綺麗なブリッジをしげしげと見られる機会は多くない。また、ボーカルのSUZUKAのカメラ目線バッチリなカットがいくつかあり、普段ライブで演者と目が合うことは殆どないので、これは配信の大きな利点だと感じた。そもそも今回のライブ配信は、先にも書いたがカメラの台数が多く、今まで見てきた単純なライブ配信とは異なる。テレビの収録、或いは製品化を念頭に置いたライブの収録さながらである。単に定点から撮っているものとは違う。まさかこんな配信が今日見られるとは想像もしていなかっただけに、ものすごく大きな衝撃を受けつつパソコンの画面に釘付けになった。これは、ありだ。
 ライブのド頭には最終人類か席替ガットゥーゾのどちらかがいいと常々思っていたので、一曲目の最終人類の度肝を抜かれるパフォーマンスに、過去のライブ会場での記憶が交差して自身のボルテージも一気にヒートアップした。期待せずに見始めた配信だったが冒頭の数分で一気に心を鷲掴みにされた。これは、素晴らしい夜になるのではないかという、うずうずした予感。いつの間にか、オラわくわくが止まらなくなってるぞ。

 MC1。組体操を交えつつ、いつもの自己紹介だが、組体操は今までのライブでは見せたことのないものだったのではないだろうか。足を踏み外したSUZUKAの笑いをかみ殺した顔がアップで映し出されたのは、まさに配信ライブの大いなる利点であろう。あれを見たファンが笑わないわけがない。ずるい、SUZUKAずるい。これが計算づくだったら恐ろしい女だが、単に踏み外しただけであろう。その後引きの画が数秒続くのだが、観客がいれば歓声で盛り上がっているところが、静寂に取り囲まれているのでなんだかシュールな一場面となり笑いがこみあげてくる。これだけで、生ライブより配信ライブの方がいいのではないかと言うことが頭をかすめる。
 組体操2ポージング後、カメラの紹介。これでしょ、ここでしょと言いながら4台のカメラとクレーンとドローン、計6台のカメラをそれぞれ目線で紹介。きちんとリハーサルをしたのであろうことがうかがえる。丁寧なはみ出しぶりだ。

 2.オトナブルー 来るだろうなと思っていた二曲目。これまたカメラを通してSUZUKAの魅力がビンビン伝わってくる。曲中のメンバー紹介の時のカメラワークがよろしくなかったが、ライブで完璧なカメラ割りを望むというのは酷すぎるだろう。それよりもその後のSUZUKAが踊り切れなくってまごまごしていたところにブランクを感じるとともに応援したい気持ちになるのはもう親心みたいなものか。SUZUKAの伸びのあるボーカルは格段に上手くなっている。この数か月、CDを聴いても物足りないというか、ボーカルが幼過ぎてまるで別の楽曲を聴いているかのような気分になることしばしばであった。いくつかネットにあがっているライブ映像を見てもCDと比較したら歌唱力の向上は明らかで、ティーンエイジャーの成長には目を瞠るものがある。だからというわけではないがMIZYUの歌はある種の安定感を持っており、個人的には好きな声質なのでオトナブルーにおけるMIZYUのボーカリストとしての存在感にも心奪われる。この楽曲の魅力はSUZUKAとMIZYUの二人のボーカルによるものが大きい。

 3.宮尾 前の曲に引き続き、やや溜めてからのまさかの「宮尾」。これには昔からのファンは狂喜乱舞したのではなかろうか。配信だから宮尾を選曲したのか、できたのか、そのあたりの事情はよく分からないが、普段のライブではほとんどやらない宮尾を持ってきたところに何らかのメッセージが込められているような気がする。CDにも収録されていないし、ライブでもやらないし、曲調もメジャーデビュー後のものとはやや傾向が異なっているが、歌詞には原点が刻まれている。「はみ出していく」姿勢はそのころから変わらず保ち続けている。MIZYUが踊っているときのニヤリとした顔がアップでは映されなかったのが残念だが、そんなことを言ったら罰が当たるかもしない。何しろこのライブ、無料で視聴できるのだ。おそらく今後の配信ライブのテストケースと言うか試金石のようなものだと思われるが、クオリティの高さに改めて感心した。プラットフォームの確立次第で、ライブのあり方が大きく変わったり、選択肢が増えるだろうと実感した。

つづく。予定。

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