21世紀の邦楽〜榎戸二幸氏の音世界〜
〜生田流箏曲 榎戸二幸氏〜
彼女の音楽の世界に初めて触れたのは、オーストリア・ウイーンから約50Km南東にあるエスターハージー宮殿内のサロンコンサートであった。在オーストリア日本国大使館文化部の方にご紹介を受けて、彼女は、お着物を着こなしておられて長旅でお疲れだったろうに、爽やかにご挨拶されて "今回のコンサートは大丈夫" と安堵したのを今も鮮明に覚えている。
その日のコンサートは、元ウイーンフィル・コンサートマスターのキュッヒル氏とのジョイントで、どのような演奏になるのかと、会場の皆が耳をすましていた、静かに始まった彼女の箏曲は、まるで天空を自由に舞う鳥のように会場の空気を飲み込んで行った。
その時、邦楽と西洋音楽の融合が覚醒した
この美は偶然の産物ではなく、長年にわたる技の蓄積の上にあるのだ。弦楽器の弦の技、ピアノのペダルの技、様々な技を弓も足もメカニックも使わない箏が、なんと多様で繊細な音色。。。
さらに付け加えるならば、この融合の実現には、ピッチと邦楽の楽譜課題がある。正直ここのハードルは、高い!
特にピッチは、ウイーンフィルは通常442Hzのピッチで演奏する。対して邦楽は430Hzだったりする。私は健康の観点からも、波動や調律クラッシック音楽を432Hzで演奏するグループプロジェクトに参加しているので、この部分は非常に興味がある。(榎戸氏に確認したところ、現在、箏曲は442Hzで通常演奏するとのことである。)
その榎戸氏とキュッヘル氏のその時の饗宴は、まさしく奇跡なのだ。
ところどころに倍音の響きも感じられて、私にとって魂が震える感覚になり、自分がゾーンに入っていた。。。
実はその日のコンサートのステージ監督のような担当をしていたので、ぼーっ!と、しているわけにはいかなかったのだが、演奏が終わったたと私は何も話せなかった。頭が冴え渡り眠れなかった。。。(この調律とピッチに関することや、波動、倍音に関しては、別の機会に詳しく書きたいし、探求していきたいと思っている。)
あの時の想い出を素直に書いてみたのだが、この特別な秘音と技を、いつか榎戸二幸氏にじっくりと聞いてみたいものである。
21世紀の今、榎戸二幸氏は私たちの想像を超える新作で私たちを歓びの世界に誘ってくれるはずである。
©ヨシミンartworker.org 02.12.2022
https://note.com/artechworker/n/ne7faf5216f7b
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