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アートがビジネスに想像以上の大成功をもたらす!具体的な成功事例を対話スタイルでお伝えする連載@『国際商業』。ファシリテーターはパトロンプロジェクトの菊池麻衣子☆VOL.5ゲストはコレクター・SМBC信託銀行の岩崎かおり氏☆


アート×ビジネスの交差点(5)SМBC信託銀行が挑む富裕層ビジネス ―「アートファイナンス」の可能性
☆菊池麻衣子(以下、菊池)岩崎さんは、大手金融機関SМBC信託銀行の社員でありながら、アートコレクターとしても精力的に活動なさっています。文字通り、アートとビジネスを融合し、新ビジネスを創造していますが、アートに触れるきっかけはなんだったのでしょうか。

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岩崎かおり(以下、岩崎)元々両親の趣味がアート鑑賞でしたので、子供のころからよく一緒にアートを見ていました。最初のころは、印象派などの鑑賞が多かったのですが、大学生の時にパリのポンピドゥーセンターで初めて現代アートに出会いました。そこから現代アートに興味を持ち始め、社会人になってからは、その新作を販売しているアートフェアなどにも出かけるようになりました。

【対談ピックアップ】

菊池: そんな岩崎さんのすごいところは、勤務先のSМBC信託銀行でアートビジネスを積極的に行うアート企画推進を担当することとなった事ですね。現在、アート関連の業務を積極的に取り組まれていると伺っています。そもそも、「アート企画推進」が始動されるまでには、時間とエネルギーを要したと思いますが、原動力はどのようなところにあったのでしょうか?

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岩崎氏: 純粋に、現代アートが人生を豊かにする方法の1つとして、楽しむ方が増えると良いなと思っていました。海外のコレクターと交流していると、同世代の方々も多く、皆さん交流し合い、人脈を広げ、アートを通じて新たな世界感を知るなど、様々な楽しみ方をされています。一方、日本人は頻繁に美術館に行き、美術鑑賞が好きな国民と知られていますが、アートは見に行くもので購入できるということさえ知らない方もいらっしゃいます。またアートは「資産的な価値」としての一面もありますが、日本では金融資産のポートフォリオとして未だ捉えていないという現実です。ポテンシャルが高い成長余地のある市場でもあり、金融機関としてもサポートできるのではという思いがありました。

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菊池: なるほど。また、グローバルなシーンでは、アートが「投資」としても人気があると聞きますが、その点はどのようにお考えですか?

岩崎氏: アートを「投資」としてとらえる場合、①「個人の資産形成」と②「アート業界への社会貢献」の2つがあると思います。①の個人の資産形成は、作家の将来性を見込んで安いうちに作品をコレクションし、時間を経て価値が上がることを期待するというものです。②は、作家に投資をし、応援をする意味で作品を購入したり、コレクションを美術館に寄贈したりといったことがあります。欧米をはじめとして、世界ではこのような考えからアートに投資の期待をよせる方も多いのですが、日本では制度も含めてまだあまり一般的ではありません。

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菊池: そのような社会の問題解決のためにも、会社の戦略の1つにアートを取り入れたいと考えたのですね。最初に始めたのはどんなことですか?

岩崎氏: 1年半ほど前に社内でプライベートな集まりとして「アートクラブ」を作りました。「アートクラブ」発起人メンバー6名の顔合わせをした時に、みなさんの前で「ゆくゆくは、アートビジネスを始めませんか?」と投げかけました。その後、口コミで社員に声がけをしたところクラブメンバーはすぐに30人ほど集まりました。

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菊池: すごい行動力ですね。そこから具体的に「アート」を切り口としたビジネスを作るために働きかけをスタートしたのですね。

岩崎氏: はい。まずは、企画書を作り関係ありそうな部署に提案したり、アートのビジネス案を積極的に話していたのですが、やはり金融機関は慎重である為、具体化するには時間がかかりました。

菊池: これまでにない企画を進めることは一般的にハードルが高いと思われますが、内容はどのようなものだったのでしょうか?アートが本業に貢献できるということを会社に示していく必要がありますよね。

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【展覧会情報】SMBC信託銀行日本橋支店「アートブランチ」では、名和晃平、小松美羽、奈良祐希ら現代アーティストの作品を展示
中。どなたでも無料で鑑賞できます。会期:~2020年3月27日(金)展覧会詳細はこちらです⇒
https://www.smbctb.co.jp/artbranch/

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