第9回 春のスケッチ

「みかんせい」の回数を重ねるたびに、子どもたちの気になる言葉がありました。

それは、絵を描く前や作品を作るときに
「〇〇描いていい?」
「〇〇を描くんだ(大人の様子を伺う表情で)」

ということです。

みかんせいでは、子どもたちの心が1番自由な状態で、解放された気持ちで制作に向かえるように、
ということを目標に毎回、場所の作り方や、声の掛け方を考えています。

そういう風に工夫していても、毎回のようにでるこの言葉・・

毎度のみかんせいの反省会で議題になったのは、

どうして聞いてくるんだろう?その言葉の奥に、子どもたちのどんな気持ちがあるんだろう?ということです。

話し合いを重ねて、大まかに2つ要素があるのかな、と思いました。

1つは、安心して描くために見ていてねという気持ち。承認してもらいたい気持ち。

2つめは、日頃の環境から、大人に許可をとる癖がついている。

この、どちらにしても、この気持ちやクセは、

「自分はこれをやりたい、やるんだ!そしてできる!」

という自分の意思を否定してしまってるのではないか?

敏感で繊細な子どもたちは、頭がいいので、周りを読んで行動することができているのだなぁ、と感じたのです。

もちろん、周りの空気を読んで動くことも大切です、
しかし、

自分の意思や、やりたい!という気持ちを最初から

”持ってはいけない”

“何かをする時に、まわりの許可を得てからでないと、自分で動けない”

というような思考のクセを知らず知らずに持って生きていくは、きっと窮屈だったり、知らない間に自分のやりたい事に気づけなくなってしまう危険性があると思いました。

そうさせてしまってるのは、普段の大人側の都合の影響もあるのでは?(ギクッ・・)と、思わざるを、えませんでした。

それで、今回、最初に子どもたちに1つお話をしました。
と。

「みんな”〇〇描いていい?”って大人に相談してくれるけど、聞かんでいいとよ。自分の心にあるものや描きたいって思ったものは自分だけのものやけん、自由に描いていいと。自由よ!」

と伝えたところ

「え、なんでも描いていいと!?」
「きかんでいいと?」
「イェーイ♪」
「やったー!」

という声がキラキラした表情と共に返ってきました。

やっぱり子どもたちは、自分は本当は”自由を持ってる”ということを本能で知っているのだな。

と感じました。

そこの感覚が大人になるにつれて、マヒしていく部分があると思います。

みかんせいでは、そういった”自分の本当の気持ち”に向かう時間をたくさん作り出せていけたらと思っています。

今回のみかんせいは、外でのスケッチということで、みんなの解放具合、絵の中での爆発具合が本当に素敵でした。

午前中組は、お天気が悪く寒い思いをさせてしまいましたが、外で雨や風を受けながらだから描けた絵もたくさん仕上がっていて、

秘密基地のような雨の日のテントの中での制作も面白い体験になったかな?と思っています。

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みんなそれぞれの描き方を工夫していて面白い!


おやつの綿菓子も楽しい時間。「おかわり〜!」と並ぶ子続出でした。

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