静かな日常、混ざる発奮
あんなにも赤い丸は存在をはっきりしているのに、不思議と熱くもなく、静かに果てまで照らしていた。
今日は遠いところから流れてきた雲が雨を散らしている。
誰かは、僕らの唯一の移動手段である船に水が溜まるからやってられないと。ため息まじりに、すれ違い様のなんてない会話でぼやいていたっけな。
そうなると、ぼくは不思議だなと思った。
浮遊している船までの橋。手すりから少し顔を出した。
僕らの家は円柱状で、ぽつりぽつり、建っている。あまり使わないけど、不思議と水面下にならない程度に、入り口がこしらえられている。
果てまで見たことはないけれど、列をなしてはいない。
とりあえず、赤い丸とともにここを照らすのが目的のような。
ぼくの家もそうかもしらんけど、どの家にも柔らかな火が家のてっぺんで点っている。
雨が降っても消えない火。変わらない水面。
吹いた風が、水面を少し揺らす。
なんとなく、広げたベッドシーツが上手く広がらないで残る線を思い出した。
できた線はゆらゆら消えるか、円柱かお互いにぶつかってなくなるか。そのどちらか。
あんなにたくさんあっても、残った線を今までに見たことは1つもない。
雨が降って、よりたくさんの線ができたとしても変わらない。
どれだけ腕を伸ばしても空に触れることはない。
ほんとかはわからないけど、いつか空を目指した船乗りは火だるまとなって下に落ちていったらしい。
火だるまとなったその人は何を思って空を目指したんだろう。
わからない世界にわからないことだらけ。
それでも、ぼくは今日もいる。
雨避けのマントからはみ出た髪の先から雫ができて落ちていった。
小さな粒は直ぐに見えなくなる。
かえるさきをぼくはまだしらない。
開いた口を閉じて、つぐむ。
ぼくは何を口にしたかったかな。
特に唇の皮がめくれてもいないのに、ぎゅっと噛んだのはなぜなんだろ。
なぜだか、鼻や喉の奥がぎゅっとなって、まぶたをとっさに強く閉じた。
鼻筋の上の方の皮が寄る感覚もした。
なぜ、それが起こるかも、ぼくはまだしらない。
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*下記は上の話を作るのに書き出したものです*
誰も果てを知らない
数字などの学はない
移動手段は船のみ
家はろうそく
水は真水か塩水かわからない
雨が生活用水
下の水は使ってはならない
生活用水がどこへ流れるかは誰も知らない
家に住む人は親も子もいない
ひとりだけ
でも、共同体
イカロスに似た話がある
知らない、に対して誰も触れない
もしかしたら、また粒に会えるかもと思ったからバイバイと言いたかったけど、 バイバイを知らない・本能的に自分の帰る場所があるものへの羨ましかった・でも自分はあるかもわからない悔しさに口をつぐんだ
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遠くを見ているような雰囲気と、ゆっくり流れる景色の中を歩いているように緩やかな音が流れます。
朝とも夜ともつかない中で静かに立っている誰かがいる気がして、メモを走り書きしました。
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