作家性

現代アートが"売れる"過程において、作家性というのはプラスに働くことが多いだろう。ただ、個人的な感覚としてはそういった作家性には関心がない。感覚的に言えば何か”臭う”し、時にはその作品の解釈の可能性を狭めるものとさえ感じる。

業界的に評価されている作品がどうかというと、作家性の色濃さにはかなりばらつきがあるように見える。主観的に作家性を強く感じる日本人現代アーティストを挙げると、村上隆、奈良美智などになるだろうか。このあたりは特徴的なアイコンが繰り返し登場するので、作家性という感覚の原因はわかりやすいのだが、例えばちょうど森美術館で個展をやっている塩田千春なども(作品は感動的なものだが)作家性を感じることを考えると、もう少し広く捉えるべきなのだろう。

おそらく、キャラクターにせよ手法にせよ主題にせよ、ある程度具体的かつ特徴的な要素が作家イメージを結びつくと、それが作家性として捉えられやすいのだ。だからオラファー・エリアソンのような自然現象を利用したアートでは、作家性が全くないわけではないものの、かなり感じにくくなっている。

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