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百済観音と水信仰

法隆寺の百済観音 (国宝・飛鳥時代) は、由緒が不明の謎の仏像と言われています。

しかし左手に水瓶を持っている点が、十一面観音と同じであり、

十一面観音が、水と関わりの深い存在であるのと同じく、

百済観音も水への信仰と関連があるのだと考えます。

🔍 特別展「法隆寺金堂壁画と百済観音」公式Tweet.


長身の姿と、その仏身を包む衣の流れるかのようなラインは滝を想わせ、

(聖林寺の十一面観音が、かつて三輪山を神体とする大神神社の神宮寺であった
大御輪寺の仏像と言われ、
その丸く張った肩のラインが、あたかも三輪山の円い山容を想わせるかのごとく)

熊野などの滝への信仰とつながりがあるのかもしれません。


高い空から降る雨の有り様を、その長身が表しているのだとすれば、

(室生寺が、雨乞いの儀式の場である室生龍穴神社の神宮寺であり、
室生寺金堂の仏像たちが、衣の浅く流れるラインに水の流れをイメージさせるかのごとく)

雨乞いの信仰と関連があるのかもしれません。


関心を引くのは、
(特に左斜め後ろから見るとよくわかりますが)
百済観音の持つ水瓶と仏像本体との間を「ボール状の物体」で繋いであることと、

台座が、仏像ではレアな「五角形」ということであります。

これにも「意図」があるように想えてきます。


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(随時更新。21年1月更新)

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