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【CWS】シカゴ・ホワイトソックス戦力分析 2023年版

こんにちは、アルタです。
いよいよ野球のシーズンが始まるということで、今回は戦力分析をしていきます。少し長めですがお付き合い頂ければ幸いです。

はじめに

ご存知の方も多いと思われますが、昨季のCWSは地区優勝候補筆頭とされておきながらも結果は81勝81敗とまさかの貯金なし。これには正直失望するばかりですが、そうも言ってられないので、今回は地区優勝(≈PS進出)するためには何が求められるのかを中心に書いて参ります。


投手

先発

  • Dylan Cease

  • Lance Lynn

  • Lucas Giolito

  • Michael Kopech

  • Mike Clevinger

  • (Davis Martin)

まずは昨季大ブレイクを果たしCY賞投票で2位となったCeaseがエースとして活躍することが大前提です。奪三振は多いものの与四球も多いというのが数少ない弱点の1つですが、今季は願わくばCY賞を受賞してもらいたいですね。

Lynn, Kopechの2人はそれぞれ昨季終盤と序盤の活躍には光るものがありましたが、それ以外は微妙。とはいえ、Kopechは先発として初めて過ごしたシーズンだった上、2人とも不調の原因は怪我による部分が大きいと思うので、まずはシーズンを通して健康に過ごしてもらいたいものです。

Giolitoは昨季低調なパフォーマンスも、ERAに対するFIPはそこまで悪くはなく、オフに減量を行いキャリアハイの19年のスタイルに戻ったことも踏まえれば、十分復調の可能性はあると思います。

交際相手や子供への暴力の疑いでMLBから調査を受けていたClevingerは、調査の結果無実が認められ、(少なくとも物理的には)開幕ローテーションに入れることが確定しました。昨季浮き彫りになったフォーシームの質の低下とどう向き合うかが課題になるでしょう。

スポット先発からロングリリーフを務めるMartinは昨季デビューした右腕です。昨季は最後の登板の際に1.2回を投げて9失点を喫し負傷降板したものの、それまではIP 61.2でERA 3.65と新人としては上々の投球を見せました。開幕はAAAで迎え、シーズン中もどの程度登板機会が与えられるか不透明ですが、少ないチャンスをものにしてもらいたいです。


中継ぎ

SU/CL

  • Reynaldo Lopez

  • Kendall Graveman

  • Aaron Bummer*

MRP

  • Joe Kelly

  • Gregory Santos

  • Jake Diekman*

LRP

  • Jose Ruiz

  • Jimmy Lambert

  • (Davis Martin)

シーズン中復帰

  • Garrett Crochet*(SU)

復帰時期未定

  • Liam Hendriks(CL)

*: LHP

非ホジキンリンパ腫と診断されたHendriksについては、Lynnによる以下のような発言があります。

我々は6月までに彼が戻ってくることを願っています。本人としては5月に戻ってくるつもりですが。

nbcchicago.comより

これが事実なら予想よりずっと早い復帰になりそうで、かなり期待が持てます。しかし同記事では3月末から4月にもう一度検査を受けるとしており、まだまだ予断を許せません。ということで、このNoteでは全休する体で話を進めて参ります。

Hendriksの不在により、まだ抑えすら定まっていない状態です。候補としてはセットアッパーとして実績のあるGravemanか、昨季Hendriksに次ぐ安定感のあったLopezか、或いは他の誰かか、といったところ。まぁこの辺りは色々と試しながらになると思います。

いずれにしてもHendriks抜きで昨季のブルペン防御率4.00を良化させることが求められます。そのためにはKellyやBummerの復活は不可欠でしょう。

上記以外の選手では、Matt FosterTanner Banks*の出番もあるでしょう。また5月以降にTJ手術後のリハビリから復帰する予定のCrochetも、復活すれば重要な場面を任せられそうです。


野手

以下、独断による開幕スタメンとそれぞれに求める大まかな数字です。

BA / HR / OPS

  1. SS Tim Anderson .300 / 15 / .800

  2. CF Luis Robert Jr. .280 / 30 / .850

  3. LF Andrew Benintendi .300 / 10 / .780

  4. RF Eloy Jimenez .290 / 35 / .900

  5. 1B Andrew Vaughn .270 / 25 / .800

  6. 3B Yoan Moncada .260 / 20 / .800

  7. C Yasmani Grandal .230 / 20 / .800

  8. DH Gavin Sheets .250 / 15 / .750

  9. 2B Elvis Andrus .250 / 10 / .700

BN. Romy Gonzalez, Oscar Colas, Seby Zavala, Hanser Alberto

やはり最大の不安はJimenezとRobertの健康状態です。フル試合とは言わないまでも長期の離脱が無ければ30HR以上を期待できる2人なので、今季こそ、健康にシーズンを完走して欲しいです。

そのJimenezとRobertはオフの取り組みに確かな手応えを感じているようで、特にJimenezは体重を25-30lb(12kg)程落としたとのこと。昨季まで相次いだ下半身の怪我を防げることを願っています。

長年チームを支えたJose Abreuの退団により空いた1Bを守るVaughnは、期待値が高いだけに昨季の成績には物足りなさを感じてしまいます。本来のポジションに専念できる今季は、後半に目に見えて調子を落とすことが無いといいですが…

昨季キャリアワーストのシーズンを送ったMoncadaについては19年の活躍をもう一度、と言いたいところですが、流石にハードルが高いので21年レベルのパフォーマンスを期待しておきます。(WBCでは大会のベストナインに選ばれたことですし、もしかしたら…と思うのは私だけでしょうか。

もちろん、上記の数字が仮に全て達成されればそれだけで180HR(昨季の全体13位相当)と、かなり要求が高いのは間違いないですが、とにかく長打力不足が改善されることを祈っています。

控え野手には内野のユーティリティとして、スプリングトレーニングで.450 / .476 / .800と打ちまくっていたAlbertoがロースター入り。競争相手のJake Burgerの処遇にも注目しておきましょう。

その他留意しておきたい点として、JimenezがRFの守備に就くと思われ、スプリングトレーニングやWBCでも実践されました。まだ25歳と若く、このままDHメインとするのは球団としても本人としてもよろしくないのは理解できますが、にしても堅守が持ち味のBenintendiを差し置いてLFでなくRFを守らせるとは、球団のJimenezに対する期待の高さが伺えます。Yordan Alvarezのような起用をイメージしていた私としてはかなり驚いたものです。

またAndrusとの再契約により、Gonzalezの起用法に変更が生じました。具体的には、昨季内野のみ守っていたGonzalezを外野3ポジションでも起用する、というもの。スプリングトレーニングではCF以外そつなくこなしていた様ですし、打撃も少なくとも同じユーティリティのGarciaよりは期待できるので、後述のColasの開幕ロースター入りに合わせてGarciaがロースターに入らないことが決まりました。Garciaは来季までの3年16.5Mの契約中ですが、昨季の極度の打撃不振も加味すればDFAもやむなしでしょう。


期待の新人Oscar Colas

今季のCWSでデビューが見込まれるNo.1ルーキーがキューバ出身のOscar Colasです。アマチュア時代は二刀流として名を馳せ、17年にNPBのホークスと契約後は3軍で登板したこともありました。そして19年に1軍に昇格すると、初打席初球本塁打という鮮烈なデビューを飾ります。

しかし20年1月、ホークスとの契約中(本人は無効を主張)にも関わらず亡命を決行。ホークスからは12月に自由契約になりました。

このような経緯からNPBファンの間でも一定の知名度があるColasは、22年1月に野手としてCWSと契約すると、A+からAAAの3つのクラスの合計でG 117 / BA. 314 / OPS .895 / HR 23と大活躍し、現在各媒体のプロスペクトランキングで球団2位に位置付けられています。

スプリングトレーニングで期待に違わず好成績を残したこともあり、遂に今年の開幕ロースター入りが決まりました。それどころか、スタメンに抜擢されるやもしれません。

打撃で結果を残せば、主にRFやCFで起用されると思われます。オフには、同郷のRobertと共に自主トレを行って一層体も大きくなったように見えますし、球団ではJimenez以来となるルーキーイヤーでの20HRに期待したいです。


昨季と比べて

昨季のCWSは勝率が.500ちょうどと、期待度を抜きにすればほぼリーグ平均のチームだったので、昨季と比べた数字が1つの目安になると考えています。

まずこのオフ退団した選手、また怪我等の理由で今季出場できない主な選手として

  • Johnny Cueto

  • Jose Abreu

  • (Liam Hendriks)

がいます。それに対してメジャー契約を結んだのは

  • Andrew Benintendi

  • Mike Clevinger

  • Elvis Andrus(再契約)

といったどちらかといえば脇を固めるような選手です。結局、元からいるコアを中心にどれだけバウンスバックできるかに懸かっているということですね。

Fangraphsによると、このオフにCWSを退団した選手の合計WARは12.9、それに対して入団した選手のそれは6.8と、その差は実に-6.1もあり、昨季81勝のCWSが仮に90勝を目指すなら、元居た選手がfWARにして15.1程度上積みしなくてはいけない計算です。かなり厳しいですね…

もちろん昨季の不甲斐ない結果を受けての選手や現場の意気込みや心身の準備はメディアによく取り上げられていますし、ロックアウトがあった昨季開幕直前とは状況が異なりますが、それはライバルとて同じこと。果たして中地区優勝の座を奪還できるでしょうか。


コケたら…?

最後に、上手くいかなかった場合(コケた場合)も考えてみましょう。

今季終了後FAとなるのは以下の選手です。

  • Lucas Giolito

  • Yasmani Grandal

  • Reynaldo Lopez

  • Elvis Andrus

また24年のクラブオプションがあるのが

  • Joe Kelly

  • Jake Diekman

  • Lance Lynn

  • Tim Anderson

  • Liam Hendriks

の4人となっています。(Mike Clevingerは24年の相互オプションあり)

トレードに出される可能性が高いのはGiolito, Lopezあたりでしょうか。Andrusも成績次第では売りに出されるかもしれません。

CeaseやJimenez(ともに最大26年まで保有可)らのコアメンバーが残っているうちにもう一度戦力を整えたいので、もしトレードがあればMLB readyの選手を、またはGrandalの跡を引き継げる捕手のプロスペクトを獲得したいところ。まぁ、そのためにはバリューを上げてもらわないといけないので結局上記の選手(特にGiolito)のバウンスバックは不可欠なんですが…


おわりに

最後までお読み頂きありがとうございました。
合同Note企画では私の他、スーパートミーさんがCWSについての記事を書いています。戦力分析はそちらにも投稿されているのでぜひご覧ください。


参考

サムネイル引用元(球団公式Twitter)

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