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夏休みの宿題を「タスク」から「成長と思い出」にするために、親が出来ること

おうちの方には、「前向きな声かけ」と「物理的サポート」のみお願いします!マイナスな言葉は絶対NG!添削や彩色の指導はPALにお任せください!

「家でやろうとすると、親子で喧嘩になっちゃうんですよ。」と、多くの保護者の方が毎年仰います。よりよい作品になるように、もちろん良かれと思って、ついつい言ってしまいますよね。「もっと大きく描きなよ。」「その色でいいの?ほんとに?」「あなたの好きなように描いていいんだよ、でもこんなのはどう?こんなのとか。」「へぇー、そうやって描くんだ。ふーん。いや、いいんじゃない?」「人間のからだってそんなふうになってないよね。」

わかります。良かれと思って、分かってはいるけど!思わず口が(時には手が?)出てしまいますよね。わかります。

でもやっぱり絵画はお子さんの力で、お子さんの気持ちと勢いで仕上げるのが一番です。アートは自己肯定感がベース、そして誰がその自己肯定感を一番与えてあげられるのか?

それはご家族です。

大げさに感じるかもしれませんが、自分の表現を認めてもらうこと、これがPALのテーマでもある「生きる力」を鍛える第一歩です。

自分で考え、決断し、周りの情報に過度に振り回されることなく正しさを見極めていく‥‥そのためにはまず、「自分を信じ自立する心」が必要です。

そしてそのために「身近な家族の中で(自分の力で成し遂げたことを)認めてもらう」のは必要不可欠な瞬間なのです。

夏休みの絵画の宿題は「賞をとるため」や「リアルな絵を描くため」に取り組むのではありません。夏休みという時間を使って自分でテーマを選び、研究し、表現し、その上でコンクールという形に挑戦する課題を通して成長するための取り組みです。

どうか、いろいろ言いたい気持ちはぐーーーーっとこらえて、お子さんを信じてあげてください。あなたのお子さんはとても素晴らしい力を持っています。

前向きな声かけってどういうこと?

では、前向きな声かけとは具体的にどのようなことでしょうか。褒めるところが分からないというご意見も良く聞きます。
「うまいね。」「じょうずだね。」と言えば良いわけではありません。ぜひ、おうちの方は作品全体ではなく、小さな小さなことにピンポイントで注目してみてください。きっと「褒めポイント」が見つかるはずです。

「うまい」と言ってしまえば終わりです。「うまい」という評価をもらった場合、子どもが次に目指さなくてはならないのは「もっとうまく」になってしまいます。これではプレッシャーを積み重ねることになってしまいます。

「あれ?去年よりずっと大きく描けてるね!すごい!」「この動物の足の形、よく気付いたね、たしかにこうなってるね」「すごい、ここの部分は見ないでも描けたの?物知りだね」「かれこれ1時間も集中してるね。がんばってるね」「お絵かき好きなんだね、いいことだね」「お絵かき苦手って言ってたけど、こんなに頑張れるんだね、えらいね。」「あなたの優しい性格が出てて、この絵すきだな~。」

ピンポイントで、最初は捻り出すような、無理矢理でもいいんです。
「気づいた事実」を「ポジティブな言葉を付け足して」「大袈裟に伝える」!
ぜひやってみてください。お子さんたちが待っているのは、「上手だね」ではありません、大好きな家族に「自分は自分でいい」と認められるその瞬間です。

アドバイスするときも前向きに!
アドバイスはレッスン当日やLINE添削でPALの先生からさせていただきますが、前向きで子どもに判断を委ねる形であればもちろんおうちの方からもアドバイスOKです。
たとえば「そんだけ大きくかけたらさ、もっとこーーーーんくらい、いけちゃうんじゃないかな?どう?」「ここまで描けるならこっちの子も同じくらい細かく描いてあげられそうだね。ちょっと疲れちゃった?がんばろう!」

あくまで前向きに、こども主体になるように、そしてもちろんお子さんが実行出来たらめちゃくちゃ褒めてあげてください。

「ほら、言ったとおりでしょ」というよりは「やっぱりよくなった!さすがだね!」とお子さんをヨイショする感じがおすすめです。調子に乗らせてあげましょう。探究心で調子に乗った子どもは最強です。

こんなときは「前向きダメ出し」が必要かも?
①見本をそのまま描いてしまうとき
「よく観察できてるね。よく観察できすぎてるから、オリジナルな部分も入れようか。そのままそっくりコンクールだったら優勝かもしれないけど、今回のコンクールではルール違反になっちゃうみたい」
※丸写しにならないよう、見本や参考資料は1つではなく複数用意するのがオススメです。

②既存キャラクターを描いてしまう
「本当にそのキャラクターが好きだし得意だよね。でも残念、落書き帳に描くのはOKだけど、今回は封印でお願いしまーす」

③やる気がまったく感じられない時
これは難しいんですが「そもそもやる気がない」のか「今日は気分が乗らない」のかによっても違いますね。ただ確実に言えるのは、気分が乗らないときは絶対に良い絵は描けないということです。お子様を信じて、「今日はやめとこうか!」と決断することも必要かもしれません。もちろん、PALのLINEに質問を送ってくれてもOKです。

受講日の変更希望があれば可能な限り対応したいと思いますのでご相談ください。

物理的サポートとは?
この記事の冒頭で、前向きな声掛けと並んで「物理的サポート」が重要だとお話ししました。
こちらに関しては本当に保護者の皆様にただただお礼を申し上げたいです。

  • レッスン会場への送り迎え

  • レッスンの予約やお支払い

これらももちろんサポートにあたります。いつもありがとうございます。
夏休み絵画講座ではお手数おかけしますが、さらに下記のことをお願い申し上げます。

  • 動画レッスン視聴の際の機材的なサポート(スマホ・タブレット操作など)

  • モチーフの資料あつめ(ウェブや図書館での調べもの、印刷など)

  • コンクール募集要項の最終チェック

  • 作品の保管(なるべく丸めない)

大人の力をフル活用して、作品作りのサポートをお願い致します。もちろん、画材もその一つ。「100均の絵の具でいいよね?」「その辺にある色鉛筆でいいじゃん」・・・とはならず。
高級でなくても良いので、発色が良く、残量が十分にあり、お子さんの表現したい世界観をノンストップで表してくれる、そんなツールを使っていきましょう。
お忙しい中とは存じますが、何卒宜しくお願い致します。

さいごに
大変長くなりましたが、稚拙な文章を最後までお読みいただき、ありがとうございます。

これまで毎年夏休み講座を実施してきて、定期レッスンの生徒さんとはまた違った距離感でお子さんや保護者の皆様と接する中、どうしても「残念」「もったいない」と思わざるを得ない親子のやりとりや現場を多く目の当たりにしてきました。

完成したお子さんの作品に対してダメ出ししかしない、年齢相当以上のリアルさやデッサン力を求める、下書き段階で大人の方がアイディアスケッチを手伝いすぎてしまいお子さんがテーマを理解していない、参考資料の準備がなにもないために本人のレベルアップに繋がりにくい など…。

そのたびに悲しいような、でも保護者の方々は良かれと思ってやっているわけで…と葛藤がありましたが、思い切って皆様にお伝えしたいと思い至りました。

少しでも皆様の参考になりましたら幸いです。

夏休みの絵画コンクールが、「大人やらされるタスク」ではなく「夏休みの思い出の一コマ」「成長への架け橋」になることを、こころよりお祈りしつつ、皆様の講座参加をお待ちしております。



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