天国の住所

あのとき電話を切らなかったら、
あの子は死ななかったかもしれない。
悲しみとも後悔とも違う何かが湧き上がる。
この感情に名前はない。
だけど本当は、知らないだけ。
知りたくもないから、見ていないだけ。
それでも約束は果たしたい。
だからこうして手紙を認めている。
でも天国の住所を、私は知らない。

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