Hey,siri

アルタ前に目の不自由な女性がいた

白杖をもって足元を探りながら歩いていた

最初は声をかけれなかった

何度も振り返ったけど、徐々に進んでいたから

「よかった、大丈夫なのかな」と

駅について、やっぱり気になったので

声をかけに戻った

女性は別の女性に腕を掴まれながら

こちらに歩いてきていた

「駅に来たかったのか」

反対方向に歩いていた彼女を思い出し

自分の不甲斐なさに嫌気がさした


彼女たちの後ろをついていくように

新宿駅に着いた

案内していた女性はそこで別れた

きっと「駅にいきたい」と言ったのだろう

東口はすぐに階段がある

僕は彼女の少し下を何度も振り返りながら

勝手に一緒に下りた


改札エリアについて

また足元を探りながら歩き出した

「ここまでくればきっと安心だろう」そう思いながらも

改札をくぐれないまま

少し遠巻きに見ていた

立ち止まり周りを確認し始めた


僕は早足で駆け寄り

「なにかお手伝いしましょうか?」

声をかけた

『いえ…、多分、大丈夫です』

「あっ…そうですか」


そうか、きっともうある程度わかってて

何かを確認しているのかな、と

その場から引き返し、改札に向かった

改札をくぐる前に、もう一度振り返った


彼女は別の男性に腕を引かれながら

どこかにむかっていた


彼や彼女はなんて声をかけたんだろう

そして僕はなにが悪かったんだろう


声のトーンだったんだろうか

話しかけるスピードだったんだろうか

言葉選びだったんだろうか

話しかける位置だったんだろうか


はたまた

強引に手をひいていたんだろうか


あの時自分ができることは

”なかった”んだろうか

それとも

”あったのにできなかった”んだろうか

彼女は本当は手助けを求めていたんだろうか


次は後悔のない対応ができるよう

すぐに行動に移せるよう


「OK,Google」




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