見出し画像

新作の紹介からの脱線

新作の紹介記事を書こうかと思っていました。こんなふうに、

万葉集の歌がテーマですが、裏テーマとして現代のポピュラーソングを下敷きにしています。

この絵は、有名な「思いがけない再会」を歌った曲からイメージを作りました。昭和の名曲で、今でも多くのミュージシャンがカバーしているようです。

万葉集シリーズ「たそがれ」油絵F6号
万葉集 11-2601
うつつにも 夢にも我は 思はずき 古りたる君に ここに逢はむとは
作者不詳

昨年から少しずつこんな文章を書き始めたのは、多くの方に自分の絵を知っていただき、実際の展覧会で絵を見て貰えたらと思ったからです。

このようなネットを使ったプロモーション活動は、動画が中心の時代と思い、YouTubeの方で先行していて、アクセスの少ないホームページよりはと少し前からテコ入れをして来ました。

しかし、短期間で広報手段として通用するものに成長させるのは無理と分かりましたし、何よりも、根本的な所で、矛盾がありました。

絵は時間の流れの外にあり変化せず、極端な言い方をすれば、一瞥で鑑賞が終わるものです。その動かない絵を動画で観る可笑しさ。結局、YouTubeの正しい使い方、動画でアピールすべきは絵ではなく画家自身らしいのです。

現実では、画家は名を売り、絵を差別化して収入を得なければなりません。ですが、もし、画家に財産があれば有名になる必要もなく、絵にサインもしないでしょう。(後世についての考えは保留します。)

私の好きな絵、ラスコーの壁画とクバのアップリケ。どちらも作者不詳。作者は作品の裏側にいて鑑賞者が作り上げるほかありません。

実は、最近の私の絵では、サインを白の上に白で書き目立たなく隠すかのようにしています。ささやかな抵抗です。一方、YouTubeの本道は作者その人を見せることでしょう。

それでもまだ、動画でのプロモーション活動を完全に諦めた分けではなく、色々と試行錯誤していますが、正直、いったい自分は何をやっているのだと思ったりしてしまいます。

社交性に乏しく、引っ込み思案で、ただ絵を描くことの好きな人間が、SNSや動画の世界とどう関わったら良いのか、どうやって自分の絵を社会的な物にしていくのか、歳ばかり取り未だ迷い続ける私です。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?