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徘徊の8月

車で近付くにつれ見えてくる光景に思わず声を出してしまった。蓮田である。蓮の何が好きかというと、花の存在感だろうか。通過しながら遠目で見た場合でも花がはっきりと見えて思わず見入ってしまう。大きな花や葉が密集している様も怖いくらいだ。例えば、春の底抜けな青空に桜を見ても「怖く」はならない。桜は確かにきれいではあるが新年度の幕開けに伴う脅迫的なイメージを連想してしまう。うだるような夏の暑さに朦朧としながら辿り着く沼に、もっさりと息づく一面の蓮を見ると心が静かになることを感じた。

この開き具合が一般的な蓮のイメージに近い気がする。


これはさらに開き切った感じか。

散って花托だけになった姿もあればこれから開く花もある。堅そうなつぼみもあるので、まだ鑑賞を楽しめるかと。

皆、太陽の方を向いていた。

時折、何かの跳ねる水音とウシガエルの声。



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