暗い絵と言われてから、誰かの心地よさと自分の心地よさが交わる場所を探している。
ここ1年はひらけた風景を主に作品を描いている。
「ずっとこういう絵なんですか?」と聞かれることがあるけど、そういうわけでもない。
絵を描きはじめてからしばらくは、夜に浮かぶ電灯だったりコンクリートだったり虫の亡骸だったりをモチーフに書いていた。
そういう、目にして胸が少しキュッとするようなものを選んでいた。
そんな絵だから見た人に「暗い絵」だという人が多かった。
色自体のこともあるだろうし、内容のこともあわせて。
自身はそういう暗いものに共感して作っているから当たり前だと思っていた。
暗い絵でいいのだと思って描いていた。だけども「誰かを幸せにする絵を描きなさい」在学中に言われたことがチクチクと胸に刺さってしばらく残っていた。
幸せってなんなんだろうな。
暗い絵って言われるけど、どういうところが暗いんだろう。
静かな曲や失恋の曲を聴いて癒されたり救われたりする。
明るい曲よりも僕はそういった曲に共感するし、心地よさを感じる。
音楽以外に、アニメでも本でもそう。
そんな性質だから明るいものにはなれないし、なれそうもない。
自分の絵でもそういう静かだったりしんみりしているけども心地いいものになれないか。
共感できるもの、心地よさがあるものと
他人が見たときに暗いとネガティブにならずに、心地よさを感じながら見せれるものはなんだろう。
そう考えたときに自分ができそうなことは景色を描くことだった。
それからは景色に自分の心地よさをのせて、暗さをジワジワと取り除くことで絵が変わっていった。
いまの絵が誰かを幸せにできているかはまだわからない。
けれども暗い絵と言われていた頃よりも、見た人が共感してくれるようになったことは確かで、目に届きやすくはなったんだろうなと思う。
まだまだやれることがありそうなので、
誰かの心地よさと自身の心地よさを探すのはもう少し続きそうです。
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