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約束は..



それは幸運なことかもしれない。
君の名前を音にせずに呼べる能力は僕だけのものだから。

家に入る道が草で生い茂っているのは私を守るためだろうか。

名前で呼ばれない方がホッとするのはいかがな物かと思うけれど、ちょっぴり荷が重いんだよなこの名前は。

中指が右に反っている状況は、珍しく猫背になって自信がなさそうに見えるその姿に似ている。

悪口を堂々と言ってくる君のその減らず口、私は嫌いじゃないけどね。どんなにやあやあと宥めてもヒートアップするその表情は見ていて楽しい。その表情でビール3口は余裕だろうね。





毎回ネイルの色を相談してくれるのに僕の希望通りには全くしてくれないんだよな。ピッタリと君の決めた色を言い当てる能力は残念ながら僕にはなかった。


基本的に書いている文章は後から読み返すと気持ちが悪くて石の下でうじゃつく蟻みたいに見えるんだ。


寝相が形状記憶しているこの髪の毛をどう整えるか考える朝が面倒でしかたない。いっそのこと坊主にでもしてしまおうかと思ったこともある。



約束は文脈なしに交わしたい。理由はいらないから勝手に取り付けて欲しい。

文脈や理由がある約束を交わしてしまって、破った時破られた時にすぐに原因が判明してしまうのが怖いのだ。






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