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織り始めるまで

秋を味わう間もなく急にやって来た寒さの中、嵯峨校では卒業制作の準備で熱気の漂う日々が続いています。
気持ちは早く織り始めたいと先を急ぎますが、そこまでの準備の大切さを理解してひとつひとつ丁寧に作業を進めています。
今回はその作業内容をご紹介したいと思います。

経糸染め

染めた経糸は毛羽立ちを抑えるために糊付けをします。ふのりとしょうふを溶かして混ぜた糊液の中に綛を浸漬して糊付けします。
この時期は大量に使うので糊づくりも皆で行います。

糊づくり

糊をつけた経糸は木枠にあげます。五光を使う方法とたたりを使う方法があります。人それぞれどちらで上げるかは好みがあるようです。

たたりでの木枠上げ

木枠にあげた糸は整経に必要な本数や長さを計算して大管に巻きます。デザインに応じて大管を並べて整経を行いますが、途中で大管を入れ替えて進めることもあります。

大管から糸を引き出して整経

二年生の中には経絣に挑戦する人もいます。経絣は白糸を整経し、絣を括ってからの染め作業になります。その後、地糸の整経を行って絣糸を合わせていくので時間も労力もかかる作業になります。

経絣の括り作業

整経の終わった経糸は千切に巻き取ります。巻き取る際には全体のテンションを揃え綾を整えながら巻取りますが、経絣の調整が必要な場合など、一日で終わらないこともあります。

千切に巻き取る前にテンションをそろえます

機にあげてからも、綜絖、筬通し、もしくは経継ぎと織り始めるまでの作業が続きます。また、織り始めてからも緯糸の試し織りや、緯絣の作成、調整など、本格的に織り始められるまでには更に時間が必要ですが、皆さん作品に込めた思いをどう表現しようかと頑張る日々が続きます。

藍の花・種を頂きます




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