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遠くからの便り

私はひとところに留まるのが苦手で、高校から現在まで様々な場所を漂ってきた。
どこかに居着くという感覚が苦手なのだと思う。小さい頃から抱えてきた自分自身への居心地の悪さが、その場で根を張るということへの居心地の悪さに転換して、どこにも所属しようとせず、友達もほとんど作らず、逃げるようにして各地を転々としてきた。そうして守るべきものを極力作らないようにしてきたのだと思う。
孤独は身軽であるということで、身軽ということはつまり孤独だということだ。できるだけ荷物を増やさないように、いつでも思い立った時移動できるように生きてきた。

地元は私にとっては悪夢だった実家があるため、たまに遊びに行くけれどそれは数少ない友人と飲むためで、実家には寄りつかない。
おかげで自分の居場所と思えるふるさとはないけれど、孤独は自由だ。自由な私は呼吸がしやすい。私は私に孤独であることを課した。孤独であるから、誰にもおもねらず、好きに振る舞うことができる。

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