「新規就農に向けた準備」
皆様こんにちは。
2020年10月にアグリイノベーション大学校(以下AIC)へ入学しました、吉田と申します。1994年生まれの現在27歳、会社員(営業)、ベンチプレスは100㎏上がりました(6年前)。
第三回目となる今回は、新規就農に向けた準備として、移住先や研修先を選ぶ自分なりの基準や情報収集・準備について書こうと思います。
1. 移住先を選ぶ基準
AICでの授業も残すところあと半年となりまして、卒業と同時に研修に入ろうと思っていた自分にとって、いよいよ身の振り方を決める時期になりました。
新規就農=新しい土地へ移住となりますので、移住先を選ぶ自分なりの基準について記そうと思います。
■兵庫県内でさがす
これは自分の生まれが兵庫県で、家族や友人も兵庫県なので、慣れ親しんだ土地が一番という、簡単な理由ですね。
■新規就農者が多いこと
理由は下記の可能性があるからです。
ここでいう可能性とは、①新規就農者同士で新しい取り組みが出来る ②新規就農者を受け入れる体制が出来ている ③移住先として、魅力がある です。
新規就農にあたり、農業的な面と生活的な面で移住先を選ぶ必要があります。
農業的な面にあたるのが、新規就農者の数と受け入れ体制です。
新規就農者が少ない=既存の農家さんで十分もしくは新規就農者を受け入れたくないという風土かもしれません。逆に、新規就農者が多いということは、新規就農者を受け入れる体制が行政・民間ともに出来ているからだと思います。
新規就農者が多いと、新規就農者同士で情報交換や助け合いはもちろん、マルシェなどチームでの企画も出来ます。
新規就農者同士だからこそ出来る新しい取り組みは非常に刺激になり、有難いと思っています(特に農業は、一人の人間の力はちっぽけだなあと感じることが多いです)。さらに、ただでさえ技術・収入的に基盤が非常に弱い新規就農者にとって、同じ経験をしてきた先輩の存在は非常に心強いです。
もう一つ重要なことは、これから何十年と生活していくにあたり、生活面で魅力がないといけません。
こればっかりは人それぞれですが、移住者支援制度が手厚い、都市圏に近いといった観点からも検討しなければいけないと感じます。
私の場合、自然豊かだけど田舎すぎず、観光地でもありごはんが美味しいところという人生をなめきったようなゆとり基準で色々考えました。
2. 研修先を選ぶ基準
■有機農家さんでの研修
私は、卒業と同時に新規就農するということは考えませんでした。
なぜなら、栽培技術が未熟で新規就農はリスクが高い点と、研修期間=地域に溶け込んでいき、顔を覚えてもらう時間と考えています。
地域に溶け込む=農地の情報といったことに繋がります。
そんな私の研修先を選ぶ基準は、ずばり有機農家であることです。
農薬を使わない有機は、知恵を駆使して、先を見据えた計画と栽培技術によって慣行農法と変わらない美味しい野菜を作るということです。すなわち、慣行農法よりやること・考えることが多いということです。
慣行農法を否定するつもりは一切ありません。
ただ、いざ自分が就農した際、栽培に欠かせない農薬がある日突然使用禁止となった際、非常に困ったことになります。
そういう意味でも、有機農家の下で学ぶことは栽培技術以上のことがあると思います(学んでみて、やっぱり慣行農法にしよとなる可能性も十分あると思います)。
しかし、研修を受け入れる規模の有機農家となると非常に数が限られるのが現状なので、中々見つけることが難しいところもありますが。
■地域との関係性
もう一つの基準は、地域との関係性を持っているかです。
大規模で成功していても、地域の農家とうまくいっていない例はあると思います(どちらが良い・悪いはさておき)。
新規就農者にとって、研修先の農家が地域で顔が効くかは非常に重要です。
地域で顔が効けば、先に述べたとおり、そこでの研修で地域との関係性も得ることが出来るということです。
最初は誰も味方がいない新規就農者にとって、これほど頼りになる存在はありません。研修に入るということは、栽培技術を学ぶだけではなく、地域に入っていく時間であるともいえると思います(大事なことなので二回書きました)。
3. 最後に
自分自身、兵庫県の二つの地域を候補に情報収集をしました。
移住セミナーに参加したり、農家さんに連絡して実際に訪問をしたりしました。
やはり実際、自分の足を運んでみると、「ここで農業をやっているイメージがわくか」「ここで何十年と生活をすることは出来るか」という目線で色々なことを感じることが出来ます。
私は、農業的な面よりも生活的な面を重視しています。なぜなら、家族で幸せになるための手段に農業を選んだからです。
そして正直、生活面の魅力がないと新規就農者もいないだろうと思っています。
AICに入って1年が経過し、ここまでは順調に事が進んでいます。ただし、農業だけで飯を食うのは本当に難しいということも感じています。
じゃあ加工品を売るのか?と言っても、まずは全ての基礎である栽培技術の向上に注力する方が良いのかとも考えています。
じゃあ販路はどうするのか?そもそも農地は借りることが出来るのか?このように、色々悩めるのも幸せですし、ワクワクの方が強いです。
卒業まであと半年、しっかりと新規就農をするまでと、就農してからのビジョンを確立したいと思います。
<洲本市の夕日>
<お馴染みの明石海峡大橋>
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