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#001|日産 N13パルサー
今日は池袋に用足しに行った。
僕にとって池袋は、妻とまだ結婚する前の、思い出の街である。当時は学生でお金がなかったから、いきおい、街の隅から隅まで2人で歩き回って時間をつぶしていた。でも、それが楽しかったのだ。
立教大学の近くを歩いていたら、今や、かなり懐かしくなったN13型の日産パルサーと遭遇。携帯のカメラで写真を撮った。
僕は昔から、パルサーというクルマが好きだ。なぜか、自分でも明確な理由は整理できていないが、日本車でありながら欧州車の雰囲気を強く感じさせる点(事実、日産も、N11の初代からこのN13までは、欧州を意識した広告宣伝を展開。ただし、N14以降の広告からは欧州色は排除されたが)と、サニーと違ってちょっとだけマイナーな空気が漂う点、がその理由だろうか。
真横からの車形をあらためて見ると、全長に対して居住空間・荷室スペースが、発売された1986年当時の車両パッケージ技術としては最大限に確保されていることがうかがえる。非常にクリーンであり、見る者に実用性の高さを予感させる造形となっている。
写真が粗くてわかりにくいが、よく見ると後席にありったけの荷物が積まれている。また、外観も塗装のツヤはとうに失われ、傷やへこみも多く、だいぶくたびれているようだ。
このような、ありふれた実用車を、徹底的に道具として使い倒すという姿勢に、僕はとても共感する。ボディがへこんでも、キズがついてもまったく気にしない、というこのオーナーの鷹揚な態度 (かつ、そこに感じられる、オーナーとパルサーとの間の信頼関係)に、ぼくは池袋の路上でしばし感じ入った。自分のクルマについた小さなキズに心の平衡を失っている場合ではない、自分もこういうクルマとの付き合い方をしなければならない、もしこのレベルにまで行けたらどんなにクルマ生活が豊かになるだろう……という気になった。
ちなみにこのパルサーのナンバーは「地名+2ケタ」だった。もうずいぶん長い間、オーナーのもとでいい働きをしていることが推測されて、そんなところも嬉しかった。今日はいいものを見た。
広告はヨーロピアン。
デザイナーによるレンダリング。僕にはもう、欧州車にしか見えない。
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