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【ブログ】ゲームのその先の話〜その2〜

前回までのお話(記事参照)

1年前の1月から"らいむ"を名乗った。
この活動期間中に"2人だけ"自分のルールを破って番号を交換し、連絡を続けた女の子がいた。
"女遊びをし続けることが本来の目的ではない"と感じた俺は、2人のうちから1人を選ぶ事を決めた。

しかし、その気持ちとは裏腹にナンパをやめることができないでいた。

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〜前半B子〜
俺は旅行に行くなら断然ド平日。移動はレンタカー(新幹線)派だ。
場所によるが週末はどこも人が多く、食事を含め宿泊先のサービスの質が下がると思うし、ゆったり仲居さんと談笑なんかしていられない。
平日なら通勤帰宅時間帯さえ避ければストレス無く移動できるし寄り道もしやすい。

なのでGWに旅行するなんて人混みが大嫌いな俺にとっては狂気の沙汰だが今回は狂気じみてみた。
(ナンパ時は人の量が大事、人混み嫌いなんて言ってられない笑)

今回、移動は新幹線(電車)、タクシー、徒歩でなるべくシンプルにあっちこっち巡らないようにした。
なんせ3日もある。詰め込まない。ただでさえ人がゴミのようだから。
宿泊先は初日と2日目で別の場所。山の方と海の方にした。天気も言うほど悪い日にぶつからなかった。(天気悪けりゃ人減るかもと期待していたが)
連休中静かな場所なんてオフィス街と住宅街くらいだ。
何故これから人がごった返す観光地に自ら進んで脚を運ぶんだという自問自答を100回は頭の中で反芻しつつ、B子がどんな荷物を持ってどんな格好で来るのか想像しながら駅へ向かった。

"人で混み合う状況、急かす人・怒る人・イライラ、イレギュラーな事態、GW・旅行先の非日常感"これらのシチュエーションは人間の素を見ることが出来るイベントだ。
B子とは出会って2ヶ月も経っていない。なので俺に対して背伸びしているかも知れなかったから、彼女の素をもっと見てみたい俺にとっては悪くない事だった。
ちなみに俺は即後にはほぼほぼ素で接しているので、こういった緊張感みたいなものは無かった。
(わくわくは年甲斐にもなくしていた)
駅に着くと、コンパクトにまとめた荷物を持った、ザ・女の子な格好のB子が待っていた。


− 余談だが、俺はナンパを日常から切り離している。切り離せないと生活に支障が出るから。寧ろ切り離したい。
だからナンパしている時は"らいむ"というキャラを演じている感覚。これはゲームだからと割り切れる。
このゲームの良い所はゲーム中に得た経験だったり、女の子を現実に持って来れる所だ。だがしかし、問題が起こるのは女の子を持って帰った時だ。

ナンパした時のキャラを演じ続けるか、素の自分で勝負するか。

俺は素の自分でいたい、というより勝負したくない。ゲームはお仕舞い。だから素を出す。
素を出して離れていくとすればそれが本来のステータスだ。自分本来のステータスを上げるには経験値を得て、ナンパ中のキャラを馴染ませるしかない。
幸いにもこれまでに築いた経験値のおかげか、A子もB子も離れていくことはなかった。
だから、もしナンパ中にキャラを演じるならば、最終的に自分がなりたいキャラを演じた方が自分の為になると思う。後から必ず擦り合わせの作業が生じるから。完全に切り離していれば関係の無いことだけど。
尚、即る為に求められるキャラと自分がなりたいキャラが必ずしも一致するとは限らないことは注意したい。−


話は脱線したが、電車は脱線することなく目的地に着いた。

車内も混み合っていたが駅前は更に混雑していた。
(この感じひさびさ)
昼食は食べ歩きで、観光地を軽く巡りながら宿泊先の送迎バスへ乗り込む。宿泊先へ到着。ロビーの混雑具合。。。気にしない。これがGWだ。スタッフの皆さんありがとう。
B子もGWに来たのは小学生ぶりだと無邪気に楽しんでいた。笑顔が天使。
B子は素直でとても可愛らしい。"女の子"というワードが一番しっくり来る。"女性"ではなくて"女の子"。この感覚、わかるだろうか?
その場その場の出来事にいちいち反応する。
(まあ俺も)
一緒に楽しもうとする気持ちが伝わる。心地良い。
けど時折、俺がどう思っているのか気を伺う様に不安な様な心配する様な顔をしていた。
「大丈夫だよ、そんな顔しないでくれよ」と言いたくなったが止めた。水を差すのは宜しく無い。

温泉に浸かり、夕食を満喫しまた温泉に浸かり、B子に浸かり(?)また温泉に浸かる温泉大好きおじさんがそこにいた。B子付き合ってくれてありがとう。

旅行中、B子から1つ相談があった。
友達に俺の事を何て言えば良いのかと。
「道を歩いていたらいきなり一目惚れしましたって言ってきた不思議キャラのお兄さんって言えば?」
「一目惚れしましたなんて○○さん言ってないでしょ!」
「B子耳真っ赤にしてたもんな、耳に一目惚れした。赤い耳大好き」
「それホラーだよww」
ふざけて返す俺と半分まじめなB子との問答。女の子は体裁を気にする生き物だなあとしみじみした。
詳しく書かないが、B子の元彼群は学校の先輩(の知り合い)みたいな関係性が多かった(輩系が多くて驚いた)。フリーだと速攻囲われる系女子。だから市場に出ない。俺が出会った時も会社の先輩から猛アプローチ真っ最中だったそうだ。
本当に可愛くて性格も良い子はどこかに必ずいるが、大体男に囲われていて市場に出回る前にまた囲われてしまう。彼氏の束縛も強い。しかしそんな子は浮気もしないし献身的に尽くしてくれる女性が多いのではと思う。
けど心のどこかでドラマチックな、それこそ道ばたで声を掛けられ一目惚れしてしまうようなシチュエーションに憧れてしまうのではないだろうか。恋愛は相対評価だから、その子の身の回りにいる男達よりも総合的に魅力が勝ればいい。

ただ、女性という生き物は体裁を気にする生き物だから。群れから外されるのを何よりも怖がる生き物だから、「道ばたでナンパされて出会いました」なんて中々に言えないのだろう。

温泉と料理とB子の"可愛らしさ"と"女性らしさ"を満喫した三日間だった。


〜後半A子〜
GW後半は逆に暑すぎるくらいで自分の晴れ男っぷりを呪った。
人がゴミのようだった。汗、ニオイ、帰りたい、、、
そんな気持ちを吹き飛ばすかの様な、涼しげな佇まいでA子は待ち合わせ場所にいた。グダが吹き飛ぶ良い香り(匂いフェチ)。帽子がよく似合う。
「これから写真集の撮影ですか?連休中にご足労様ですw」
「www似合うでしょ?w」
「当然!!グッジョブ!!帽子になって頭の匂いずっと嗅いでいたいwww」
「○○くん今日も調子良いねw変態だねww」
「否定できないなw行こっか♪」
B子とは別のエリアにした。穴場的と友人に勧められたエリア。自分も何度か行ったことがあるので決めた。
まあ連休で観光地だから人がいない訳無いがそれは余り気にならなかった。
気にする素振りも無い程、上機嫌なA子が隣にいたから。マイナスイオン出てるかな。
それにしても今日はいつもよりA子の視線を感じていた。
「ねえ。」
「なあに?」
「俺鼻毛出てる?」
「www」
「めっちゃ見てくるじゃん?いつもより。出てたら遠慮なく言ってくれw」
「見ちゃうよー、○○くんと旅行嬉しすぎて。○○くんも嬉しいのかなって」
「俺顔に出やすいからなwそんだけ見てたらわかるだろ?」
「そうだねwもうわかったw」
俺は顔に出やすいらしい。そんなこんなで到着。

この歳になって好き好んで人でごった返す観光地に連日向かう男が日本に何人いるだろうか。ドMにも程がある。なんて思いながらも、やはり楽しんでるなぁと実感してしまう。
B子ともそうだったがA子とも自然体でいられる。素を出せる。駆け引きは既に必要無い。
(ないわけ無いのだが)

以前、A子にいい男なんか他に沢山いるから、デート誘われたらして来いよと突き放したのは優しさのつもりだった。
自分自身の感情が中途半端だから、中途半端に付き合わせるのは時間の無駄だと。そんなことまで話した。
それに対してA子に
時間の無駄かどうかは私が決める事。私は○○くんと一緒にいる時間を無駄だと感じた事は一度もないよ
と言い返された。
「その言葉は前に俺が君に言った言葉だろう」と言いかけて止めた。
「確かにそうだよな」
とだけ返した。覚えていてくれてありがとう。

A子は家族に大切に育てられて来たんだろうと出会った最初の日から感じていた。会話や所作からそれらが伝わっていた。嫌味の無い上品さ。"大人の女性"と表現すれば良いだろうか。
実際は茶目っ気もあるしアホな所も備えていて弄り甲斐のある性格なのだが、宿での仲居さんや他の旅行者への接し方を見ていると、しっかりしているなぁと感心してしまう。

宿で例によって俺は温泉大好きおじさんと化していた。料理もA子も。。。(割愛)

A子がふと呟いた言葉が耳に残った。俺は聴こえていないふりをした。
聴こえるかわからないくらいの小さな声
「このまま時間が止まってしまえばいいのに」

なぜそう呟いたのか、何となくわかっていたよ。。

A子もB子も違った魅力があった。
だから悩んだのだ。悩まなければならなかった。
二人との旅行は本当に楽しいものだった。
ただ、心の何処かは冷静で、見定めている。

自分はどちらの女の子と一緒にいたいのか?

旅行とは別に二人には同じイベントを設けていた。些細なことかもしれないけど、確かめておきたかったから。その話は次回で。

習慣は恐ろしい。慣れとは恐ろしい。非日常のシチュエーションで人間の素が出てしまうとしたら、それが自分の本能だとしたら、俺は自分が大嫌いだ。

こんなに楽しい旅行先で、彼女らに対する自分の気持ちを考えながらも、彼女らがいないタイミングを見て旅行者をナンパするだなんて、自分でも信じれないくらい俺はナンパに侵されていた事に気づいてしまった。気付いたけど、気付いても、気付いていたけど、その時はどうする事も出来なかった。

(続く)


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