見出し画像

オタクだってアオハルしたい 8話





「これより、体育祭を開催致します」




その掛け声とともに始まった体育祭。




男子は意中の女の子へいい所を見せようと奮起



女子もまた例外ではない。









○○:あつい.........


和:ね、ほんとあつい.........


○○:みんな写真とか撮ってるね


和:なに、羨ましいの?笑


○○:べつに.........


和:しょうがないな~


○○:言葉と表情があってないんですけど


和:ん、近寄って


○○:うん.........


和:それじゃ入んないじゃん、ほら グイッ


○○:..................




いい匂い.........いや、変態か俺は





パシャ





和:よし、撮れた!


○○:嬉しそうだね?


和:べつに.........?


○○:ポーカーフェイスがお上手なことで。


和:むぅ.........縮め!


○○:むり~


和:あ、そろそろさっちゃんの出番じゃない?


○○:たしかに、応援しなきゃ!








咲月:ふぅ.........緊張してきた.........



和:さっちゃーーん!!!頑張ってーー!!!!



咲月:なぎ.........あんな大きい声出せたんだ。笑


咲月:○○君は.........目立つし仕方ないか.........







私には気になる人がいる。








その人のことを考えるだけで勇気が湧いてくる。









あぁ.........私、恋してるのかな。







○○:さつきーー!!!!がんばれーーー!!!




咲月:?!



○○の横を見ると和がこっちを見てニヤニヤしている。



咲月:うわ、始まる前なのに.........


咲月:ニヤニヤが止まんないよ.........





「位置について」



あぁ.........なんでだろう




「よーい」





こんなにも力が湧いてくるのは.........








「ドン!」





残り10メートルくらい。横の子は私よりきっと足が速いんだろう。



「さつきー!いけーー!!!」





あぁ.........私、恋してるなぁ。












咲月:はぁ.........はぁ.........




ゴールの後、すぐに誘導係の生徒が私を連れていった。




咲月:どっちなんだろ.........





ついて行くと1位の旗の前に案内された。




咲月:やった.........




すかさず○○の方を見ると





○○:..................ニコッ


咲月:ふふっ笑















「これより、お昼休憩に入ります」



○○:咲月!おめでとう!!


咲月:ありがとね、応援してくれて


○○:友達には、頑張って欲しくてね


"友達".........か.........


咲月:今はいっか。笑


○○:なにが.........?


咲月:なんでもなーい!


和:あ、さっちゃーん!


咲月:見てた?笑


和:うん!私も負けられない!


咲月:リレーは2人とも頑張ってよね?


○○:もちろん!


和:順位落としたら五百城君お仕置だからね?


○○:まさか、そっちこそ大丈夫?


和:余裕だし!


咲月:あはは.........笑






そして迎えた借り物競走、○○君が連れていったのは私だった。


○○:さつき!きて!


咲月:うん.........!


私は舞い上がりそうになった。




終わった後にお題なんだったの?なんて聞くと



仲の良い異性.........だって




咲月:(少しは和よりいいと思ってもらえてるのかな.........?)













そして時間は過ぎ.........


「選抜リレーに参加の方は入場口までお集まりください」


○○:行かなきゃね


和:だね


咲月:2人とも!応援してるよ!


○○:ありがとね


和:ありがと!










「いちについて」



「よーい」



「ドン!」




1人目がスタートした。


和は7番目、○○はアンカーだ







○○たちの組はいいペースでバトンが回って和が受け取る時には2位になっていた。





男:はい!


和:パシッ



タッタッタッ



和:(前の人.........速いけど抜けそう.........)




咲月:なぎー!追い抜けー!!!




和がカーブに差し掛かったその時だった



ズサァァ


和:いたた.........


○○:井上さん!!



無情にもその横を他の走者は走り抜けていく.........


和:五百城君に繋がないと.........






○○が見えてきたその時.........


和:ちょっと!なんでこっち向いてるのよ!


○○:いいから。


和:バトン練習の意味ないじゃん.........


○○:大丈夫、和のせいで負けたなんてことにはしないから


パシッ




咲月:○○君!ふぁいと!!


○○:はぁ.........はぁ.........


○○:(井上さんのためにも勝つ.........!)




1人、また1人と抜かしていく○○。


最後の1人を追っているところで.........


○○:(きつい.........あと少しか.........)


和:がんばれーー!!!!


○○:(勝って恩返しするんだ.........!)







ゴール!!!!


咲月:どっちだろう.........


和:.........






「協議の結果、五百城君の方が速いという結果になりました。」



○○:よかった.........


和:五百城君.........ごめん.........


○○:勝ったんだからいいの。


和:でも.........


○○:それより足、早く保健室行こ?


和:でも.........


○○:でもじゃない。歩ける?


和:うん.........







咲月:和.........大丈夫かな.........







ガラガラッ

○○:失礼しますって.........いねぇじゃん。


和:..................


○○:とりあえず消毒するよ、染みるからね


和:んっ.........


○○:これでよし、大丈夫?


和:..................


○○:はぁ.........鍵閉めとくし、向こう向いとくから我慢しなくていいよ?


和:べつにへいきだもん.........グスッ


○○:ふふっ笑


和:ごめんね........グスッ


○○:次謝ったらお仕置するよ?笑


和:..................


○○:えらいえらい。笑 ナデナデ




和:(ずるいじゃん.........こんなの.........)





和:(王子様みたいに助けてくれて.........)






和:ねぇ.........


○○:ん.........?


和:私のこと、和って呼んでよ


○○:わかった。


和:じゃあ決まりね.........○○って呼ぶから.........


○○:照れてる.........?


和:照れてない!


和:ほら!呼んでみて!





「なぎ」





和:ずるいよ..................ボソッ




○○:なぎ


和:な、なによ○○


○○:呼んだだけ。笑


和:もう.........








○○:(少しは恩返し出来たかな.........?)













To be continued.........




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?